どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は少し時間があるので、もう一冊本を紹介したいと思います!
今回紹介するのは誉田哲也さんの「疾風ガール」です!

誉田哲也さんは代表作「ストロベリーナイト」が過去にドラマ化され、その後映画化。「ジウ」、「武士道シックスティーン」もドラマ化、映画化されており、警察小説を中心として活躍されている作家さんです。

誉田哲也さんは女性の描き方に定評があり上記三作品、そして今作も女性が中心に描かれています。

ざっくりとしたあらすじです。
柏木夏美19歳は、ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。メジャーデビューも間近という矢先に、ボーカルの城戸薫が謎の自殺をとげてしまう。
夏美は薫の死の謎を解くべく行動を開始する。と、こんな感じのお話です。

死の謎を解くと書きましたが、いわゆるミステリとして読むとちょっと拍子抜けするかもしれません。どちらというと、これは先に書いたあらすじの通り薫の死を追う夏美の物語です。
僕は音楽小説+ミステリだと思って読み始めましたが、最後の方で予想とは違い、いい意味で別の物語となりました。なんとなく過去に読んだ初野晴さんの「水の時計」を思い出しました。案外ミステリだと思ったら違うというのは多いのかもしれません(苦笑)

さてこの作品は夏美が薫の死を追うお話なんですが、夏美の視点の他にも宮原裕司という男性の視点でも物語が描かれます。この宮原は芸能事務所社員なんですけど、おそらくこの宮原が作者の誉田さん自身を投影しているのではないかと思います。誉田さんも過去にロックバンドをやっていたそうで、ある歌手の才能を見せつけられプロを目指すのを諦めてしまっています。宮原も大体同じような過去を持っており、このお話はかなり誉田さんの経験が生かされていると思います。

さて作品のほうですが冒頭の100pは音楽小説よろしく「ペルソナ・パラノイア」のライブシーンや、メンバーの日常的なことが描かれています。この辺りはほんの少し音楽知識がないとよくわからないかもしれません。僕もギターを少しかじっているのですが、わからない部分がありましたw まあそれは自分の無知故ですけど、音楽知識が全くない人は調べながら読むのもいいかもしれません。でも、音楽知識があろうがなかろうが文章が頭の中で音楽として流れていく。そんな感覚に浸れると思います。それくらい魅力があります!

そして物語は薫の死を境に急展開を迎えます。なんと、薫の名が偽名だと発覚!しかも、誰も彼の素性を知らない? 夏美はショックを受けながらも立ち上がり、彼がどのような人間だったか、宮原とともに追っていきます!
薫の死を超えてさらに上を目指す夏美は、破天荒で型破りで天才肌で若干共感しにくいかもしれませんが、19歳が生み出すパワーは凄まじいものがあります! 僕はまだ19歳になっていないので、わかったつもりになっただけかもしれませんが(ーー;)

薫の死はある種読者に委ねられる形となりますが、生きることに真っ直ぐな夏美はまだまだ上を目指します。
少し昔の小説ですが、今読んでも全く色褪せていません。ぜひご一読を!
そしてこの小説には「ガール・ミーツ・ガール」という続編もあります!これを読んで気に入ったらそちらもどうぞ!

それではまた…ってよく思い出したら明日漢検だ(汗)頑張らないと(。-(ェ)-。 )