どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
なんとか体調不良が治りました! でも、まだ本調子じゃないです…(苦笑)
さて、今日紹介するのは御影瑛路さんの「神栖麗奈は此処にいる」です!
御影瑛路さんは第11回電撃大賞で最終選考まで進んだ「僕らはどこにも開かない」でデビュー。当時は珍しいライトノベルなのにイラストがない、という作品をデビュー作から3作続けて発表し、初のイラスト付きとなった「空ろの箱と零のマリア」は人気シリーズとなり完結、現在は「Fランクの暴君」と「僕らは魔法少女の中」シリーズを執筆中です。
御影瑛路さんの特徴は安定した文章力と、独特の雰囲気にあります。特にデビュー作「僕らはどこにも開かない」から今作「神栖麗奈は此処にいる」、その続編である「神栖麗奈は此処に散る」にはそれが如実に現れています。
さて、あらすじやストーリーより先に、まず注目したいのが、イラストがないということです。
今でこそMW(メディア・ワークス)文庫を筆頭とした「中間小説」や、イラストレーターの都合で挿絵はなしです。というライトノベルはありますが、この作品を含めた御影瑛路さんの初期3作には意図的にイラストがありません。
MW文庫の創刊は2009年で、今作の刊行は2005年です。当時はイラスト有りの小説=ライトノベルくらいの感覚だったとおもうので、やはり相当な勇気を持ってイラストなしを決定したのではないかと思います。
では、ざっくりとしたあらすじを…
神栖麗奈、それは見える人だけには見える存在…そんな彼女に関わった人はいなくなってしまう…と、こんな感じです。
お話の構成は一話ごとに主人公が変わる群像劇スタイルですが、物語を俯瞰する視点となった人はもれなく神栖麗奈に連れて行かれてしまいます(苦笑)
エピローグを含めた全五話で構成されていますが、各話は絶妙にお互いを補完するものとなっていて、読み進めていくうちに、あぁなるほど、と思わせてくれます。
神栖麗奈の存在はかなり不可解なものです。幽霊でもないし、神でもない。なぜ、色々な人の前に現れるのかわからない。そんな不思議で不気味で、掴みどころのない存在です。その存在に各話の主人公がどう立ち向かうのか、そのスタンスの違いによって見えてくる神栖麗奈の正体がとても面白いと思います。
ちょっと不気味な物語が読みたいと思った人は続編の「神栖麗奈は此処に散る」と一緒にどうぞ。昨今のライトノベルとは違う雰囲気が楽しめると思います。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)