どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
中学三年生の時に先生に「受験生に正月はないんだぞ」と言われ、その時は「馬鹿じゃね?」と思いおもいっきり勉強を休んでいたのですが、高校三年生になりその意味がわかりました。確かに休みはないです(汗)

さて、今回は2014年の総括ということで主にライトノベルを中心に振り返っていくという企画をやります! 前述の通り受験生なのでやれることは限られていますが、大雑把でもしっかりと調べて自分なりに考察しているのでお付き合いいただければ幸いですm(_ _)m

まず、今年のキーポイントを3つ挙げたいと思います!

・漫画雑誌の休刊が相次ぐ中で急成長した漫画アプリ
・新レーベル創刊ラッシュ
・キャラノベ、キャラ文芸、大人向けライトノベルの普及

以上に焦点を当てて進めていきます!

漫画雑誌の休刊と漫画アプリの急成長
まずはこれですね。漫画アプリの急成長。これをなくして2014年の出版業界は語れないのではないのでしょうか?

2、3年前までは漫画は雑誌に掲載されている連載を読み、面白ければ単行本を買って手元に置く。または、単行本だけを購入する。これが基本でした。電子書籍や例外的に自炊(漫画をスキャンし電子書籍化すること)をする人も一部にはいたでしょうが大多数の人はこうして漫画を楽しんでいました。

しかし、流れは着実に変わっていきました。そう、漫画アプリです。

「王様ゲーム」の漫画版がE☆エブリスタで発表されたあたりから、ネット発の漫画の単行本化は着実に進んできてはいました。しかし、それはまだまだ漫画雑誌を脅かすにはいたっていないようにも思えます。

しかし、今年になってから漫画アプリが増え、従来の漫画アプリもダウンロード数を伸ばし、少年誌の王様「週間少年ジャンプ」も「ジャンプ+」を生み出しました。流れは漫画アプリに傾いたのです。

漫画アプリの特徴は「昔の作品が無料で読める」「単行本を置く場所をとらずにすむ」「通学通勤のちょっとした空き時間に読みたい分だけ読める」など挙げればキリがないのですが、上記3つが主な要因かと思います。

また、アプリを作る側とすれば広告収入だけでもそれなりの額が稼げ、さらに単行本化する前に人気を見極められるというメリットがあります。
さらには、雑誌を通さないことで紙資源分のコストも減らすことができます。

こうした中で、今年はかなりの漫画雑誌が消えていきました。そして、新たに休刊した雑誌の連載作がネットで再発表という流れも生まれました。

まさに漫画にとっては大きな転換点だった2014年は漫画の新しい可能性を見出したといっても過言ではありません。

要するに漫画はスマホやタブレットで読むものだという風潮が広がったのです。スマホなら容量が許す限りいくら漫画をダウンロードしても場所をとりませんし、若い世代には特に顕著に広がったと感じます。

ただし、漫画アプリが画期的なシステムだとは一概には言えません。昔記事で書いたように、昔の作品の著作権絡みの問題や、雑誌掲載ではないのだから原稿料は払わない、漫画を相場よりはるかに安く買い叩かれるなど作者側の問題は山積みです。雑誌という型を飛び出しつつある漫画がこれからどのようにこういった問題に対処していくかも問われます。

参考記事↓ 漫画アプリの光と影

ライトノベル系レーベル創刊ラッシュ
説明するより早いと思うので、まずは今年創刊した新レーベルをご覧ください

5月 GCノベルス
6月 富士見L文庫、アルファライト文庫
7月 モンスター文庫
8月 新潮文庫nex(※1)
9月 少し不思議文庫
11月 招き猫文庫、朝日エアロ文庫、ダッシュエックス文庫(※2)HJノベルス
12月 アース・スターノベル、ラインノベル(※3)

※1 新潮文庫のブランド内レーベル
※2 スーパーダッシュ文庫からの移行
※3 講談社からの刊行でライン独自レーベルではない。

以上12レーベルが創刊されました。

はっきり言って多すぎです。もちろん純粋なライトノベルレーベルは6つ(GCノベルス、アルファライト文庫、モンスター文庫、ダッシュエックス文庫、HJノベルス、アース・スターノベル)ですので、去年の5つ(フリーダムノベル、アリアンローズ、MFブックス、ぽにきゃんBOOKS、オーバーラップ文庫)に比べればライトノベルレーベルが異常に増えたわけではありません(それでも多いですが)では何が増えたのか。ライトノベルと一般文芸の間を狙うレーベルです。

去年の12月に創刊した富士見新時代小説文庫を含めるなら約一年間で7つの新レーベルが創刊されたことになります。
この背景にあるのはなにか。それはもちろん「ビブリア」です。
シリーズ6巻で累計600万部を売り上げた近年稀にみる大ヒット作です。

ビブリアの影響が各出版社に与えた影響は計り知れないものがありました。かつては有川浩さんが「大人向けライトノベル」と称し一般文芸のレーベルで作品発表を行うなど、その存在自体はかなりの影響力がありましたし、実際多数のメディアミックスの実績を見る限り大人向けライトノベルの認知を広めた第一人者といえるでしょう。しかし、有川浩さんはあくまできっかけに過ぎませんでした。

さて、大人向けライトノベル、昨今の名称ではキャラノベ、キャラ文芸が世に広まるきっかけとなったのがメディアワークス文庫の創刊です。従来違う棚に分けて置かれるものだったライトノベル系の作品が一般文芸とともに置かれるようになります。これによりキャラ文芸の認知が広がり、前述のビブリアの大ヒットで各出版社がこれに後追いするように新レーベルを創刊しはじめます。
その後追いが加速したのが2014年だったというわけです。

また、話をもどして純粋なライトノベルレーベルの創刊に目を向けると、アルファライト文庫、ダッシュエックス文庫を除き4つが「小説家」になろう発表の作品を書籍化するレーベルです。純粋なライトノベルレーベルではなろう作品の書籍化がさらに加速することになった年でもあります。
なろう作品には疎いので詳しくは言えませんが、「魔法科」「ダンまち」のヒットや年齢層を若干高めに設定し四六版で作品を発刊しているMFブックスなどの成功がライトノベルレーベルの急増に広がっています。

また、すでに来年は集英社オレンジ文庫とTLINENOVELSとNOVELIDOLと3レーベルの新たな創刊が決まっています。

おそらくライトノベル業界、ひいては出版業界に大規模新レーベル創刊ラッシュという歴史的な大事件を起こした年としてこれから2014年は語り継がれるでしょう。

キャラ文芸とはいったい…
さて、先ほどの補足として最後はキャラ文芸とはいったいなんだろうということについて考えていきたいと思います。

最近本屋に行くと一般文芸のコーナーにアニメ・漫画調のイラストの作品がたくさん平積みされている。いったいなんだろう…と不思議に思う方もたくさんいたと思います。それがキャラ文芸です。

キャラ文芸は基本的に表紙にだけアニメ・漫画調のイラストがついた一般文芸・大人向けライトノベルのことを指します。ほとんどの場合挿絵はありませ。ん。内容としてはキャラ文芸とあるようにキャラ重視の小説です。

さて、キャラ文芸自体はMW文庫創刊からしばらくして使われ始め最初はMW文庫作品そのものを指すなど、上記一般的な認知がされていましたが、近年は一般文芸にもアニメ・漫画調のイラストをつけるようになりました。1番有名なところでは有栖川有栖さんの「倫理爆弾」がポップな女性イラストを全面に押し出した表紙で刊行されたことが記憶に新しいと思います。

なぜわざわざ一般文芸までイラストを全面に押し出した表紙にするのか、答えはキャラ文芸を読む世代にとっつきやすい作品ということをアピールするためです。

この流れもキャラ文芸レーベルの創刊が相次いだ今年に多く見られました。今まではライトノベルレーベルで発表された作品を一般文芸向けに再刊するために、イラストを排除または劇画調や写実的イラスト、写真や絵画を使用した表紙の作品刊行が行われてきました(砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない、神様のいない日曜日、とある飛行士への追憶など)しかし、今度は逆の流れが進んでいるのです。

さらに、女性客の取り込みが激しくなりました。今年創刊したキャラ文芸レーベルのうちいくつかは女性向けであることを公式で発表していますし、MW文庫を筆頭に各キャラ文芸レーベルでも「妖怪」「ライトミステリ」「お店もの」「女性主人公、男性ヒロイン」「男性のタッグもの」などの要素を取り入れた作品の発表が非常に増えました。

2014年は一般文芸、ライトノベル、キャラ文芸の融合が加速した新時代元年でした。今後各ジャンルの住み分けが課題となりそうです。

以上が今年の個人的総括です。至らない点が多々あると思いますが、もし訂正点や創刊したレーベルに抜けがありましたらコメント欄でご指摘いただけると幸いですm(_ _)m

それではこの辺で(≧(エ)≦。)