どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日はマックで勉強しようと思い、勉強道具を持って入店。友達からもらったコーヒー無料券を使ったら、Sサイズ無料orMサイズ50円だったためか無料のSサイズではなくMサイズで注文されてしまいました( ꒪Д꒪)
まあ、いいんですけどね…ただ、やっぱり量は多かったw
さて、今回紹介するのは秋田禎信さんの「ひとつ火の粉の雪の中」です!
秋田禎信さんは17歳の時今作第3回ファンタジア長編小説賞を今作「ひとつ火の粉の雪の中」で受賞(準入選)しデビュー。以後は「魔術士オーフェン」シリーズで神坂一さんの「スレイヤーズ」シリーズと共に初期の富士見ファンタジア文庫を支える売れっ子小説家となりました。現在は活動の幅を一般文芸にも広げ、また本職のライトノベルの分野でも「巡ル結魂者」シリーズを展開中です。また、今作はデビュー作を新潮文庫nexから再刊したものです。
秋田禎信さんの作品は前述の「巡ル結魂者」シリーズしか読んでおらず、そちらは若干状況把握がしづらい一人称で物語を進める作家さんだなー、文章もなんだが読みづらいなー、なんて感想を抱きましたが(内容は滅茶苦茶面白いです!)今作は昨今の小説ではあまり見なくなった古い言葉を多用した三人称で淡々と物語が進行していきまるで違う作家さんが書いているように感じました。
ざっくりとしたあらすじ。
最強の修羅、鬼斬りとして生きる大男鳳は、鬼によって滅ぼされた村で鬼の血をひく少女夜闇と出会う。鬼を斬ることが使命である鳳だが、夜闇と共に旅に出る。夜闇の強大な力を狙う者どもが2人を襲うが、鳳は夜闇を守るために戦う。なぜ鳳は夜闇を守るために戦うのか…とこんな感じです!
ジャンルは和風ファンタジー。久々に和風ファンタジーは読みましたが、やはり和風は西洋や北洋ファンタジーとは違う荘厳さが感じられて肌に馴染むものがあります。
物語的には日本神話に古典文学を合わせたようなそんな感じのストーリーで、ストーリー性はそこまで高くはありません。しかし、これを当時17歳が書いたのかと思うと末恐ろしいものがありました。
人を殺す鬼と、鬼を殺す鬼斬り。この2つの背反するものが物語中でうまく対比されています。鬼の血をひく夜闇は無邪気な少女、人ですらない修羅と呼ばれる鬼斬り鳳は寡黙で無表情な男。この真逆の性格も上記の対比を補充するものとしていい味を出しています。
注目して欲しいのが夜闇が自分の力を狙う者に連れ去られ、そこである1人の少女と出会う場面です。ストーリー上はあまり意味を持たない1場面ですが、少し深読みするならそれが夜闇にとっての「救い」なのではないかと感じます。鬼の血をひく者として生まれ、人間ではない夜闇が再び人の温かさに触れることができたのは、自分の力を狙う者に攫われたという幸運があったからこその偶然の産物ながら、運命から与えられた夜闇に対する最高のプレゼントだったのではないかと個人的には思います。
この作品は一巻完結済みです。難しい言いまわしが多々見られるので270p程度の小説にしては読み応えがあると思いますが、和風ファンタジーとしてかなりのレベルにあるのでオススメです。
また、1度この作品を読んだことがあるという方も最後に閑話として追加エピソード、後日談的なものが書き下ろされているのでもう一度読んでみるのもありだと思います。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)