どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
リニューアル第一弾の記事となります!これから頑張ります!
さて、今回紹介するのは伊藤計劃さんの「虐殺器官」です!
伊藤計劃さんは2007年に本作でデビューし、「ベストSF2007」「ゼロ年代ベストSF」「SFが読みたい! 2010年版」など名だたる賞で1位を獲得、さらにオリジナル長編二作目となった「ハーモニー」は「第30回日本SF大賞」「ベストSF2009」第40回星雲賞日本長編部門を受賞するなどした名実共に日本のゼロ年代SF史上最高の作家です。しかし、惜しいことに2009年に満34歳の若さでお亡くなりになりました。
また、実質最終作となった「屍者の帝国」(序文)は盟友円城塔によって書き上げられています。
ざっくりとしたあらすじ。
9.11以降テロとの戦いは転機を迎えていた。先進国は徹底した情報管理システムによってテロを一掃したが、後進国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米国の特殊部隊に所属するクラヴィス・シェパードは大規模虐殺の影に潜むジョン・ポールを追いチェコへ向かうが…とこんな感じです!
ジャンルはSF、ミステリ系の賞も受賞していますが、メインはテロリズムに対抗する世界のあり方を描いている近未来ものと言ったほうがしっくりくると思います。
これだけは言いたいのは今まで読んできた一般文芸の中では断トツに面白いということです!
僕が短い人生の中で読んできた一般文芸はまだ3桁台ですか、これは越えられないだろうと確信していた乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」を軽々超えてきました。
何がすごいかというと、まさに伊藤計劃さんという作家さんが限りなく普遍性を持った作品を処女作で作り上げたことです。近未来の情報管理社会、虐殺の残酷さ、特殊部隊の行動、そして虐殺器官という未知の存在…これらを全てきっちり組み合わせて一つの小説作品にしたのがとにかくすごいです! さらにこの第一稿をたったの十日で書き上げたことにも驚きました。こんなすごい小説を十日で書き上げることは普通の作家には不可能と言っても過言ではないでしょう!
また、前述の普遍性は何もSF界に限った話ではありません。ミステリ系の賞を受賞したことや、宮部みゆきさん、伊坂幸太郎さんが絶賛するように幅広くこの作品は認知されています。
まず度肝を抜かれるのが第一部。最初の一文で伝わる悲しみと残酷さ、そこから第一部の終わりまでの怒涛の展開に一気に引きずり込まれます! 特にさりげない一文に込められた伊藤計劃さんの思い、華麗とは程遠いながら練りに練られた戦闘。これには圧巻の一言です。
そして第二部、三部と続き第四部。ここにこの話を入れたことがこの作品の何よりの正解だったと思います。一応このブログではネタバレはなしなので深いところには突っ込めませんが、フィクションの限界をやってのけたと言っても過言ではないでしょう。
第五部の衝撃からエピローグに続く背筋が凍るような最後も素晴らしいの一言に尽きました。この終わり方には賛否両論ありそうですが、ソファでピザを食べるシェパードはまさに今の日本人を体現しているようにも見えました。
とにかく読んで損することは絶対にないと言い切れるほど素晴らしい作品です。未読の方でその評判を聞いているという方はぜひ一読してみてください!
また、現在本屋で流通しているのはアニメ映画のピンナップイラストが表紙に描かれているものがほとんどなので、買いづらいという方は僕のように旧装版を探してください。そこまでする価値がある一冊です!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)