どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
昨日は久しぶりに友達とオールしましたwカラオケで夜の十一時から朝の五時まて歌い続けたので、喉がやばいです(苦笑)ちなみに最高点はL'Arc-en-CielのREADY STEADY GOの83点でした。もうちょっととりたかったです…

さて、今回紹介するのは伊藤計劃さんの「ハーモニー」です!
伊藤計劃さんの著者紹介は「虐殺器官」の紹介でしたのでそちらをどうぞ↓

上の写真は新装版のものなので映画のイラストが表紙に描かれていますが、描かれていない版もあります。

ざっくりとしたあらすじ。
21世紀後半、大災禍と呼ばれる世界的混乱を経て、人類は体内にWatchMeと呼ばれる常時恒常性を監視するソフトウェアを体内に入れ、メディケアという個人用製薬システムと連動させることにより完璧な健康を手に入れた。それにより世界は病気と戦いのないユートピアを手に入れた。
しかし、ある日世界で同時に多数の人々が自殺をするという大事件が起こる。調査にあたる霧慧トァンは事件の影に十三年前に死んだ御冷ミァハの存在があるのではないかと疑い始めるが…とこんな感じです!

ジャンルはSF、人類の幸福とか意識の在り方とかそういったものが追求されている物語です。

読む前の情報として、この作品が「虐殺器官」と対をなし、そして続編的な物語であるということは知っていましたが、読後まさに対をなす物語だと思いました。
まず「虐殺器官」が冒頭から突き抜けるような上昇していく物語だとすれば、「ハーモニー」は作品内でも言われている通り真綿で首を絞められるような徐々に沈んでいく物語です。そして物語が進むにつれて一点に全てが集約されていく感じが素晴らしく面白いです!

「虐殺器官」の続編的だということはすでに両方とも読んでいる方にはお分かりでしょうが、どちらか一方もしくはどちらも読んでいない人に言うと別にどちらから読み始めても全然大丈夫です! 世界的な歴史の流れを受け継いでいるだけで、作品自体はまったく関係ないです。

さらに、この作品を読んで感じたのは、「虐殺器官」より伊藤計劃さんが確実にパワーアップしているということです!
文章力が上がったりとかそういう個人の感覚的なものではなくて、テーマの扱いや視覚情報に訴えかける文章が作品内に出てくるあるアイテムと密接に関わっていたりします。前作ではなされなかったある種実験的な試みが、伊藤計劃さんという作家さんを一段上に押し上げていた作品でした。

そして何よりこの作品は人類の限界に対して一つの答えを出した作品として完成度が非常に高いです!ユートピアに見える世界は実は内部から蝕まれていた。という事実は今の日本にも通じるものがあるのではないでしょうか?
本当にこれだけ素晴らしい作品を書ける方がもうこの世にいないことが信じられません…

この作品は新装版と旧装版があり、旧装版には映画のイラストが表紙に描かれていないので、買いづらいという方はそちらを購入してみてください。ただし、旧装版には伊藤計劃さんのインタビューが収録されていないので注意が必要です!
個人的には「虐殺器官」より面白いと思うので、そちらしか読んでいないという方も是非ご一読を!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)