どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
昨日は卒業式でした!でも、卒業した実感があまりありません(苦笑)来週も普通に友達と会いますし、普通にじゃあねと明日も会うように別れましたし…うーん、高校の卒業式は寂寥感も虚無感なかった不思議なものでした。

さて、そんな中紹介するのは前々から紹介すると言っていた蘇之一行さんの「マンガの神様」です!
蘇之一行さんは今作で第21回電撃小説大賞銀賞を受賞しデビューした作家さんです。今作のイラストを担当しているTivさんは過去に作画を担当されているマンガ「政宗くんのリベンジ」「こもりクインテット」を紹介したので、そちらもあわせてどうぞ↓

政宗くんのリベンジ

こもりクインテット

ざっくりとしたあらすじ。
高校一年生の春、主人公左右田伊織は漫画雑誌週間少年ラインの漫画賞で見事大賞を受賞しデビューする。
しかし、両親と編集長の反対から才能がありながらも高校在学中は「学業に支障をきたすため」と連載を禁じられてしまっていた。
それでも、なんとか連載を勝ち取るために日々読み切りを書き続ける伊織だったが、ある日廊下で謎の美少女とぶつかるというマンガのような出会いを果たす。さらに、漫画家を志すきっかけとなった霧生萌黄が転校生として同じクラスにやってきて…とこんな感じです!

ジャンルは青春学園ものにバクマン的なエッセンスを足したもの。ライトノベル作家ものが、去年流行りましたが漫画家を出すライトノベルは久しぶり…というか主人公が漫画家だというのは始めての試みかもしれませんね。

まず一つお伝えしたいのはTivさんのイラストがかわいいことです! ファンならこれで買い決定です! かなりサービス精神に富んだイラストもあります!

さて、作品のほうですが無難と言わざるを得ない出来ですね。やりたいことはわかりますし、連載という目標に向けて真摯に漫画と向かい合う伊織には共感できますし、楪葉の「むぅ…」という口癖はかわいいですし、萌黄もベタにヒロインとして活躍しています。
ただ、盛り上がりに決定的に欠けています。楪葉の過去の事件や、萌黄と伊織の関係、その他にも掘り下げられる部分はたくさんあるのに全部スコップを突き立てた程度で終わらせるのはなー、と思いました。

あと、果たして漫研は作る必要があったのか甚だ疑問です。作品内では萌黄が漫研を作り、文化祭に向けて漫画を描くのが一つのストーリーラインとしてあるのですが、プロの漫画家が近くにいるなら別に部活なんで作らなくてもよかったのかなーと思います。余計なモブキャラ入れて主人公やヒロインの存在を薄める必要は果たしてあったのか…しかもこのモブキャラがまたベタですし(苦笑)

そして、この作品の特性上仕方ない部分もありますがセリフが異様に長いです。中には1p以上伊織や楪葉が喋り続ける場面があります。これなら変な三人称視点なんてやめて、伊織の一人称で進めればよかったのにと思わずにはいられません。

Tivさんの絵とヒロインくらいしか今のところ楽しめる要素がありませんが、青春ものか、ラブコメが、次巻以降しっかりと固めていけば化ける可能性があると感じた作品でした。銀賞程度の実力は充分に発揮されている作品ですので、気になった方はぜひご一読を。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)