どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は朝起きたら十一時半でびっくりしてしまいましたΣ(・□・;)おかげで、日中に使えた時間が少なかったです…
さて、今回紹介するのはお笑いコンビピースの又吉直樹さんの実質的なデビュー作となる「火花」です!
又吉直樹さんはお笑い界でも文学好きで知られる方で、今までにも共著や他の純文学作品の解説もされていました。今作は帯にも書いてある通り文芸雑誌「文學界」を史上初の増刷に導いた話題作です。
作品は中編で、ストーリーはスパークスというコンビの徳永が、あほんだらというコンビの神谷に出会い、神谷を師匠としてお笑い界でのし上がっていくことを目指す…という感じです!
はっきり言ってしまうと、この作品は純文学として面白くないです。
僕の個人的な意見としては純文学は表現力と文章力が優れていれば、あとはストーリーなんてなくても、物語がきちんと終わっていなくても、どうでもいいと思っています。
しかし、この作品には表現力も文章力も秀でたものがありません。文章力はよくて中の下、表現力に関してはライトノベルの新人作家と同レベルと言っても過言ではないです。
そして、ストーリーも登場人物も魅力があまりないです。これは必要なのか? というシーンもありましたし、徳永がなぜ神谷を師事するのかが理解できませんでした。芸人を中心とした作品というのは新しいと思いますし、素晴らしい試みだと思いますが、それを知らない人にも理解できるようなレベルに持っていかないと話になりません。
そして極めつけは、又吉直樹さんが好きと公言している太宰治さんの影響がまったく見られないことです。純文学は過去の作品の影響を受けて、それをリスペクトして良いジャンルです。むしろ、過去の文豪たちが作り上げたものの究極オマージュで構わないとすら僕は思っています。
太宰治さんをリスペクトしている又吉直樹さんに圧倒的に足りないのは「闇」です。神谷というダメ人間は誰でもどの小説の登場人物として出せます。又吉直樹さんが好きと公言している太宰治さんの魅力は「闇」だと思います。なのに、闇が足りないのは何故なのか。闇は誰でも持っているものです。それをさらけ出せばこの作品ももう少し読める作品になったでしょう。
又吉直樹さんは純文学に購買力を生む、という意味では素晴らしい新人作家さんです。ただ、全体的に足りないものが多すぎます。全てが駄目というわけではありませんが、まずは読者を惹きつける文章力が必要だと思いました。
この作品は特別オススメできる作品ではありませんが、今後の伸びしろは期待できると思う部分は多々ありました。これからの活躍に期待したいです!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)