どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
なんだか最近無性に眠いです…

さて、今回紹介するのは柞刈湯葉さんの「重力アルケミック」です!

ストーリー A
内容は、重力を司る「重素」の採掘によって膨張に歯止めがかからなくなった地球。東京と大阪は2013年に5000キロを突破するなど少しずつ世界は広く大きくなっていた。会津若松に生まれ育った湯川航は東京の大塚大学理工学部重素工学科に入学し、膨張していく世界でごく普通の大学生活を送っていた。そんなある日、バイト先の古書店で『飛行機理論』という本を手にする。かつて実現しなかった飛行機で空を飛ぶべく湯川の挑戦が始まる…とこんな感じです!
ジャンルはSF。膨張し続ける世界である一人の平凡な大学生にスポットを当てた一種日常ものとなっています。
柞刈湯葉さんのデビュー2作目。処女作の「横浜駅SF」は未読です。あらすじに惹かれたので読んでみたんですけど面白かったです!大学生の日常をエッジの効いたユーモアで彩りつつ、独自の世界観を展していく!派手さこそありませんが、読み手をがっつり魅了して離さない力がありましたね!ストーリーの方は湯川がこの作品内では実現しなかった飛行機で空を飛ぶのが一つ大きなイベントなんですけど、それが扱われるのは最終第4章で3章まではごく普通の大学生の日常が描かれていきます。序盤こそ膨張し続ける地球という設定がなかなか飲み込めず「膨張ってどんな風に膨張してるんだ…?」と結構混乱しましたが、話が進むにつれてその不思議な世界観に飲み込まれていきました。本当にこの世界の、というか現実の大学生の日常と大差のないことが描かれているんですけどなぜかそれが面白いんですよね。教科書の件で「ファアアア」ってなるの現役大学生ならすごくわかると思います(苦笑)主人公湯川が重素を扱う学科にいるので、重素と膨張について詳しく語られるかというとそうではなく、あくまで日常の中でこの不思議な世界に触れているのは好印象でした!いきなり変な理論とかぶちまけられても困りますしねw 飛行機という一つ大きな山場がありつつも、平凡な大学生の4年間をここまで面白く描ききったのは純粋にすごいと思いました!

キャラ A
主人公の湯川が不思議な魅了のある人物なんですよね…本当に普通の大学生のくせに面白いんですよ。彼の一人称で物語が進むんですけど、読んでいる自分が湯川になるような不思議な感覚でした。親友篠崎はいいキャラしてますね…こういう奴文系理系問わずに学部に1人はいると思います(苦笑)頼り甲斐があるけど、そもそも授業にこない。授業にこないと思ったらなんかすごいことやってる。いいですねこういう男。とてもグッドです!唯一の女性宮原さんはあんまり女性らしさというか可愛げがあるタイプじゃないんですけど、彼女の大人びていてある種達観しているところが湯川の助けになっているなと感じました。

今後の期待度 評価不能…
綺麗に終わっていますし、続きはないと思うのでこの評価で…増殖、膨張ときたので次は拡散とかが一つキーワードになったりするんですかね?

どんな人にオススメか?
なんというか日常SF?が読みたい方は!世界ですごいことが起こっているけど、あくまで普通の大学生を描いた作品になっています。大学生なら読んでいて共感できることも多いと思うので、細かい部分も楽しめると思います!気になった方はぜひご一読を!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-06-139959-4