どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
GWを前に少しずつ生活が落ち着いてきました…と思いたいです。はい。

さて、今回紹介するのは蓮見景夏さんの「アイレスの死書」です!

ストーリー A
内容は、死書と呼ばれる人に取り憑き過去の事件を再現させる霊物が存在する世界。死書を回収し、時には戦う史書記と呼ばれる人々がいた。新人史書記のレインは正式に史書記になるための儀式「神授式」を受けるためにシュレイと呼ばれる街に訪れる。しかし、そこで殺人事件が発生し…とこんな感じです!
ジャンルはファンタジー×ミステリ。異能バトル的な要素も強かったです!
第3回オーバーラップ文庫大賞特別賞受賞作!面白かったですけど、新人賞受賞作ということを考えてもかなり荒さが目立つ作品でした…
ストーリーは過去に起きた事件(特に殺人事件)を再現する死書が人に取り憑くというところが核になっていて、これが存分に生かされたストーリーになっていました!殺人事件の真相が明らかになる場面で死書というアイテムの重みがガツンと伝わってきて、かなり衝撃を受けました…ミステリとして最高の盛り上げ方だったと思います。また、独特のバトルも面白かったですね…あるものを媒介に能力を発現させて戦う。創り出す異空間の中での激しいバトルは見ていて楽しかったです!と、ミステリとしての面白さバトルの独自性と楽しめる要素は多かったのですが、気になる要素もかなりありましたね…まず世界観が全然見えてこないです。死書というものがあって、それを回収する史書記という職業があって、宗教が存在して…と要素としては世界がわかるんですけど、街並みというか輪郭が全く見えてきませんでした…設定も詰め込むというより吐き出すという感じで、作品固有の設定の意味を理解するのに随分時間がかかりました…そして何より事件が動き出すまでが遅いです。序盤はごちゃっとしていて読みづらい上に、なかなか始まらない事件…中盤から加速的に面白くなるんですけど、それまでがあまりにも蛇足感が強いです。終盤に明かされる事件の真相が面白いだけにもったいなかったですね…と気になる点も多々ありましたが終盤の追い上げ・面白さで全てをカバーしていて良くも悪くも新人賞受賞作らしいと感じました。

キャラ B
ミステリの性質上仕方ないとはいえ、もうちょっとメインキャラに厚みを持たせてほしかったですね…レインとメインヒロインであるライカはきちんと魅力が押し出されていたんですけど…背景があっさり紹介されすぎていたり、キャラの輪郭を掴む前にストーリーから退場したりともうほんの少しでもこういうキャラなんです!というのが伝わるシーンがあればなと…

今後の期待度 評価不能…
綺麗に終わっているので、続きが出るかどうかは判断しにくいところですね…ミステリとはいえ明確な探偵役がいるわけではありませんし…続刊が難しそうということでこの評価を…

どんな人にオススメか?
ファンタジー×ミステリみたいな作品が読みたい方は!独特のバトルも読んでいて楽しいです!ただ、上記の通り気になる部分も多いので…中盤を越えればあとは衝撃的な真実が待ち受けているんですが…気になる方にはオススメです…

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-86554-212-7