どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
ちょっと気合い入れて日々の生活をこなしていきます…
さて、今回紹介するのはファミ通文庫のアンソロジー「僕とキミの15センチ」です!
今回はアンソロジーなのでそれぞれのお話を簡単に紹介していきます(バカテス、文学少女、東雲侑子は読んでないので割愛させていただきます)
「In the Room」綾里けいし
アンソロではトップバッターというイメージが強い綾里さんが今回もトップバッター。ジャンルはもちろんホラーで15センチを活かしたものになってます!スパイスが効いたよい作品でした!
「十五センチ一本勝負」庵田定夏
ファミ通文庫を代表する青春ものを描く作家さん。ストレートで甘酸っぱい青春短編でした!期待していた通りのものが読めて大満足です!
「七月のちいさなさよなら」石川博品
ちょっと不思議な田舎を舞台にした物語。小さな妖精たちと少年の短い物語が描かれます。ちょっとクセのあるイメージがある石川さんですけど、今作はそんなこともなく最後まで楽しく読ませていただきました!
「ジャンパーズ・ダイアリー」伊東京一
これはまた他の作品とは異なる不思議な魅力を持った作品。とある事故をきっかけにある一つの出会いを知る作品です。個人的にはこういうの好きですし、男の子の背伸びした感じもグッドでした!
「地面から15センチだけ浮いた程度の物語」岡本タクヤ
このアンソロの中では一番好きな作品でした!そう!こういう15センチを求めていたんです!ちょっとズレててでもかっこつけすぎない。言葉選びのセンスが良くて短い中でキャラ性を魅せる!ほぐし水の些細なアイデアが光ってました!
「華道ガールと書道ボーイのミックス展覧会」くさなぎそうし
記憶が確かならカクヨムで開催されていた15センチをテーマにした短編コンテストの受賞作品。個人的には最後の展開がちょっと微妙でしたけど、短い中で3人のキャラを楽しめました。
「変わりゆく景色と変わらない約束」久遠侑
ファミ通文庫の次世代青春ものの旗手(と勝手に思っている作家さん)短い中にも久遠さんの作品を読んだことがある方ならわかるだろう「らしいエッセンス」がちりばめられていてすごくよかったです!些細な男女関係を鮮やかに描ききっていました!
「Xp;15㎝」九曜
図書館を舞台にした比較的あっさり目の青春短編。佐伯さんのラブラブなラブコメのイメージが強い作家さんでしたが、こういう味付けの作品も書けるのだなとちょっとびっくりしました。でもこういう作品は読んでいて楽しいですね!
「甘やかなトロフィー」佐々原史緒
これも個人的にはかなり好きな作品。家がケーキ屋の専門学生と陸上選手のどこか不器用な恋を描いた作品。2人の面白い関係、十五センチが2人を遠ざける理由、触れ合う未満の絶妙な距離感…最後まですごく楽しく読めました!
「十五夜さんは十五センチほどズレている」更伊俊介
ギミックを駆使したちょっと不思議な青春?短編。ミステリアスなヒロインとの噛み合わない会話は読んでいて楽しかったですね!十五センチという単語がもっとも出てきた作品でもありましたね…独特な雰囲気が面白かったです!
「たった一人のお客さん」三田千恵
幼馴染のすれ違い?をテーマにした青春ものの短編。髪という恋にはある種つきまとうものを作品に取り入れて面白さに昇華していました!最後もいいですね!青春って感じがします!
「ポケットの中の女神」田口仙年堂
会話文が一切ないという他の作品とは異なる印象を持つ作品。男女の独白が最後でうまく繋がるのがいいですね!思春期の男女の内面を楽しませてくれるお話でした!
「金曜日は恵比寿屋に行く」竹岡葉月
恋や青春とはちょっと離れて、1人の少年を取り巻く環境にスポットを当てているなと感じた作品。商店街の中にある不思議な釣り堀を舞台に登場人物が繰り広げる物語を存分に楽しませてもらいました!
「アイスキャンディーと、時を重ねる箱」羽根川牧人
短編としての完成度というか魅力いう点では最もビビッときた作品!これは某奇妙な物語あたりで実写化してもいいくらいに面白いですよ!重箱という年に数回しか触れないものを丁寧に作品に取り入れ、主人公とヒロインの距離も演出して完璧な物語にしています!これはすごくいいですよ!
「無事女子にフラれる、夏」御影瑛路
御影瑛路さんの作品はシリアスなイメージが強かったので、こういう路線は個人的には新鮮でしたね。主人公のバカっぽいところを含めて青春だなーと「青春」を直に感じられる作品でした!
「思春期ギャルと「小さい」オジサン」水城水城
JK(ギャル?)が主人公の作品。小さなオジサンとの出会いでちょっとした家族関係の変化がある。そんな温かみを感じる作品でした。最後まで安心して楽しめる。外さない作品という印象でした。
「隣の◯◯◯さん」築地俊彦
ホラーかと思いきや…な作品。ちょっとネジが外れた女の子と青年の距離感が楽しめる作品でした。最後の文章がこの作品の全てを濃縮していて好きでしたね。2人の将来が楽しみですw
「彼女は絵本を書きはじめる」森橋ビンゴ
大人っぽいなーと読んでいて思いました(小並)派手さの代わりに確実さと優しさを盛り込んだ見事な作品。小さな世界の大きな、それでいて15センチの中の変化が愛おしいですね!こういうのも好きです!
ファミ通文庫のアンソロはホラーアンソロジー以来でしたが、安定感のある印象でしたね。それぞれ作家さんの魅力も出ていますし、青春ものだけではなく様々なジャンルが楽しめました!好きな作品が1つはあると思うので気になった方はぜひ手にとってみてください!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
ISBN 978-4-04-734747-2