どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
さて、今回紹介するのは師走トオルさんの「ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団」です!
ストーリー A
内容は、魔王討伐から198年後の世界。そこには一つの王国と五つの国があった。アレンヘム公国では「アレンヘムの聖女」と呼ばれる女性セシリアが聖女の力で2年後に魔王が再臨することを知る。最悪な未来を回避するために最強の傭兵団「狂嗤の団」の団長カレルと婚約することに。魔王を倒すために五芒国を平定するために動き出す。一方その頃、王国では幼くして王女の座につくことになったマリアンのために暗愚を演じていたヴェッセルが動きだす…とこんな感じです!
ジャンルはファンタジー!ゴリゴリの戦記ものですね!
師走トオルさんの新作ファンタジー!師走トオルさんの作品で初めて読んだのが「火の国、風の国物語」だったんですよね。もう4、5年前ですし実は1巻しか読んでいないんですけど(^_^;)当時はファンタジー戦記にあまり触れていなかったので特別記憶に残る面白さがありました!
そんな師走トオルさんが再びファンタジア文庫で戦記ものを!ということで遅ればせながら拝読しましたが…
とにかく厚い!
この作品を一言で表すなら「厚い!」が1番でしょう!熱いの誤字ではなくて文字通り厚いです!重厚という言葉がぴったりな作り込まれた世界観!ページ数も350pオーバーとボリュームはあるんですけど、それ以上の情報量がギュッと詰め込まれていて、それでいて読者を英雄譚に誘うパワーがありました!すごく面白かったです!
物語のざっくりとした構成は、主人公のカレルが傭兵団「狂嗤の団」の団長となる序までのお話、王国を舞台に暗愚を演じていたヴェッセルがその力の片鱗をのぞかせるお話、そしてカレルの初陣と大きく三つに分かれています。個人的には陽のカレルと陰のヴェッセルのダブル主人公ものかな?と思いました。とにかく序盤の引力がすごいです!カレルの幼少から始まってカレルの現状からのセシリアとの出会い…この流れの美しさですよ…まさに壮大なファンタジーの始まりに相応しいスタートなんですよ…ここで世界観やカレルの状況なんかもしっかりわかってこの密度の高さ…これが求めていた戦記ものですよ…!そして知らされるセシリアの力と魔王復活の気配。この辺りはカレルという男の魅力を存分に楽しみつつ次の展開を期待させる良いバトルシーンがあったりと一つ序盤の見せ場でしたね!そして物語の舞台は王国へ!ここで活躍?というか暗躍?するヴェッセルがまあ最高なんですよ…ネタバレになるので詳しくは書かないんですけど、久しぶりにワクワクする男キャラに出会いました!終盤の策略を用いた戦闘シーンも期待通りのものでしたし、壮大な戦記の幕開けという感じの物語でした!すごく面白かったです!
キャラ A
カレルはいい男ですよ。なんかフラフラしてる奴みたいな評価がセシリアと接するうちに変わってきて…案外まっすぐででも何のために行動するのかわかっている頭の回る男でした!セシリア様はなんというか聖性がすごいですね…こう女神様!みたいな感じではないんですけど、等身大の年相応の乙女ながら自分の使命を理解して、カレルのこともしっかり考えられる…可愛いというより思わず頼りたくなるような芯がある女の子でした!そしてヴェッセル!この男のかっこよさですよ!マジでここまで読者の心を掴む男キャラを生み出してしまうとかもはや神の所業ですよ…!暗愚を演じてでも計算高く腹違いの妹で王女であるマリアンな接するときはしっかりお兄ちゃんで…まだまだ彼の魅力は半分も見えてないです。これからが楽しみですね!
今後の期待度 A
10年に一度出るか出ないか。誇張なしでそのレベルの戦記ものが出てきたと思います!ダンまちの大森藤ノさん大絶賛もわかります!これはぜひこの物語にふさわしい終わりまで読みたいです!8月に出る2巻が楽しみです!
どんな人にオススメか?
戦記ものが読みたい方は!もう本当にこんなに面白い戦記ものに出会える機会なんてこの先早々ないですよ!有坂あこさんのイラストも素晴らしいですし、巻末の大森藤ノさんの文章を読めば!読みたく!なるはずです!お願いします!ぜひぜひご一読を!
それではこの辺で (≧(エ)≦。)
ISBN 978-4-04-072699-1