どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)

さて、今回紹介するのは東雲佑さんの「図書館ドラゴンは火を吹かない」です!
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ノベルス版の感想記事↓

ストーリー A
内容は、図書館を守る一匹のドラゴン。彼女には親友と過ごした輝かしい日々があった。物語師を目指す少年ユカはある日山の中で孤独な火竜の少女リエッキに出会う。心を通じ合わせた2人は共に旅に出ることになる。ユカは母の名誉を回復するために物語を人々に聴かせて リエッキと共に色々な街を巡る。その中で出会う人々と2人はかけがえのない日常を過ごして…図書館を守るドラゴンとユカがいた輝かしい日々。今と過去を紡ぐ物語が始まる…とこんな感じです!
ジャンルはファンタジー。バトルはほとんどなくユカとリエッキを中心とした優しくも切ない雰囲気の作品です。
名作「図書館ドラゴンは火を吹かない」の文庫版!過去にノベルス版の記事も書いているのですが、あちらは当時感想の文字数を極限まで減らそうとしていた時の代物でとても納得いくものではないので改めてご紹介。
まずノベルス版のとの違いはかなりの加筆がなされているところですね。勘違いだったら申し訳ないのですが、左利きのエピソードはかなり増えてますよね?ボリュームも増し増しで読み応えがありました!
さてさて肝心の作品の方に…まずとにかく文章が美しいんですよ。この作品。文章って上手いとか下手とか綺麗とか汚いとかそんな形容詞がつくことが多いんですけど、この作品に関しては圧倒的に「美しい」んです。この世ありとあらゆる文章があると思うんですけど、恐らくここまで美しい文章はあまりないのではないかと思います。これはここで書いても陳腐なものになるのでぜひ本編を読んでください。ストーリーの方は過去と現在を行き来する構成となっています。親友のユカを失い彼が築きあげた図書館を100年もの間守り続ける火竜リエッキのお話。物語師を目指すユカがリエッキというかけがえのない親友を得て各地を旅するお話。この二つを行き来する構成が本当にズルいです。リエッキがなぜそこまで悲しんでいるのか少しずつ知ってしまうから楽しくてキラキラ輝く過去が読み進めるほどにどうしようもなく悲しく切なく寂しくなってしまいます…そして現在のリエッキは牛頭という男が連れてきたカルメという女の子を育てることでユカとの日々を思い出して、失った辛さと向き合い新たな日々を手に入れたいきます。悲しさと嬉しさが混ざり合ってまたリエッキらしさを取り戻していく過程は見ていて胸に染み渡る温かさがありました。踊り子、左利きといったユカが旅先で出会う仲間たちとの日常ももちろん素敵なのですが、リエッキとの日々は読んでいてとにかく愛おしくてたまらなくなります。素晴らしい物語を改めて楽しませていただきました。

キャラ A
ユカは本当に純粋で真っ直ぐな男でしたね。そしてピンチの時は機転も利いて戦わずして難を逃れるという頭の回転の速さもありました。素晴らしい物語を語ることもさることながら、リエッキのことをそして彼が出会う人々を本当に好きで愛しているんだなと感じられました。リエッキは火竜の女の子。元々は竜の姿をしていましたが、ユカの魔法で人間の姿にもなれるようになります。ちょっと素直じゃないところがあったりもしますが、ユカのことを心から信頼していて親友のために泣けて笑える素晴らしい女の子でした。その他にも踊り子や左利き、その相棒、骨の魔法使い、カルメ、牛頭とどのキャラも魅力的でした。

今後の期待度 A
ノベルス版の方は残念ながら続きは出ませんでしたが、文章版の方はぜひ続きを出してほしいです!いつまでも待ちます。だからこのかけがえのない物語の続きを教えてください。

どんな人にオススメか?
戦いがないしっとりとしたファンタジーが読みたい方は!切なくも温かい素晴らしい作品です!読めばきっとユカとリエッキの素敵な日々を体験して、思い出して忘れられなくなることでしょう!気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

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ISBN 978-4-8002-8746-5