どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
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さて、今回紹介するのは江本マシメサさんの「妖狐甘味宮廷伝」です!
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祖父母の残した甘味屋「白尾」を一人で営む翠。しかし彼女の正体は人ではなく妖狐だった。慎ましく暮らしていた彼女はある日、彪牙という道士に捕まり後宮へと連れて行かれる。彼は野望を叶えるために翠を使い女に興味がない皇帝を籠絡しようとしていた。昼は宦官、夜は貴人となり皇帝に近づこうとする翠。しかし皇帝が目をつけたのは翠の作る甘味だった…

江本マシメサさんの作品。またしても読むのが遅くなってしまいました…江本マシメサさんの書かれる後宮ものはやはり面白いですね。今作も存分に楽しませていただきました。

妖狐でありながら人に助けられた縁で甘味屋を営む少女の翠。祖父母が居なくなってなお一人で健気に甘味屋を営む凄いは儚さがあって物語に序盤から引き込んでくるインパクトがありました。

そして道士の彪牙に捕まり後宮での生活が始まります。昼は宦官、夜は貴人として彼の野望のために奮闘していく翠。女にも男にも興味がない皇帝が唯一好きなものが甘味。翠は自ら作った甘味を食べてもらったことで皇帝と距離を近づけていきます。妖狐・下町の娘、神獣を使役する皇帝という身分の差から2人が距離を縮めていく様子は可愛らしくもあり、どこか安心感もありました。

しかしその裏で行われる血を血で洗うような宦官たちの争い。宦官たちによる争いは史実でもありますが、物語の中で背景としてそれが行われていてもなかなかのインパクトがありました。これが終盤まで続く伏線になるのも良かったです。

そして翠と皇帝の恋は本格的に。あらゆる姿で皇帝と接する翠は大変そうでしたが、女性の姿でなんとか皇帝との夜をやり過ごそうとする姿は微笑ましかったです。甘味もさらに美味しそうでしたし、翠はやっぱり…と思わせてくれます。

翠と皇帝の身分差違いの恋だけではなく、後宮ものとして、また甘味が食べたくなるグルメものとしても素敵な作品でした。気になった方はぜひご一読を!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

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ISBN 978-4-576-19035-8