どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは犬村小六さんの「プロペラオペラ」です!
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ストーリー AA
内容は、極東の島国・日之雄。皇家の第一王女のイザヤはある日、傍系の幼馴染であるクロトからプロポーズされる。しかしクロトのプロポーズをイザヤの血筋を狙ったとした皇家はクロトの家から皇籍を剥奪する。クロトは父親と一緒にガメリア合衆国に渡り、己の頭脳だけで生きていくことになる。そして数年後、クロトは日之雄に戻りイザヤが艦長を務める重雷装飛行駆逐艦・井吹に乗艦することに。クロトはなぜ戻ってきたのかその真相は?そして始まる世界最大の戦い。イザヤとクロトは日之雄を勝利に導けるのか…とこんな感じです!

〜空に響くアリア〜
犬村小六さんの新作!記憶が間違っていなければ犬村小六さんの作品を読んだのは高校一年生の頃に読んだ「とある飛行士への追憶」以来なので実に7年ぶりですね。いや恋歌のアニメは見たりしたんですけどね(^_^;)
まず言わせてください…

最高に面白い

いや〜…読み終わった後に何も言えなかったです。これだけの物語を読んだのはいつ以来で、これだけの物語を今後の人生でどれだけ読めるのでしょうか?ただの架空戦記でもファンタジーでも歴史ifでも恋物語でもない。「プロペラオペラ」という作品だけが見せる輝きがここにありました。最高でした。ただ最高でした。
日之雄とガメリア合衆国という架空の日本とアメリカ…その第二次世界大戦や旧日本軍をモチーフにした作品。この辺りは詳しくないので割愛で…皇家第一王女の白之宮イザヤは傍系の黒之宮クロトにプロポーズされます。しかしクロトが血筋のためと言ったがために、黒之宮家は断罪され皇籍を剥奪されます。一巻読み終わった今だから言えることですけど、この事件がなかったらというifを考えると…そしてクロトの家は「黒之」となり父親と共に合衆国へと渡ります。しかし父親が株に失敗して行方をくらまし、クロトは異国の地で1人生きていくことになります。すごいですよね…いわば温室育ちの頭だけが取り柄の男の子が異国の地で生きるって…ただ頭がいいだけではないってことなんですね。そしてクロトはその頭脳を生かして相場師として名を馳せることになります。と、ここまで一つ大きな物語がハッピーエンドを迎えたようにも思えるのですが、途方も無い資産を手に入れるもなにか違うと思うクロト。そしてある人物の言葉で日之雄に舞い戻り、軍人として成果をあげイザヤのいる井吹に乗艦します。もうなんか凄まじいの一言ですよね…そしてクロトの軍人としての第ニステージが幕を開けます!平穏な井吹での生活はすぐに終わり、世界最大規模の戦いを挑むことに!戦いのシーンはとにかく息をのみました。砲撃の音が、空気が震える音が聴こえてくるかのような臨場感。プライドと命。国と国の戦い。頭脳と科学。戦場にあるなにもかもがリアルな実感を伴って読者に襲いかかります。圧倒されました。凄すぎました。これが「プロペラオペラ」という作品なんだと脳髄に叩き込まれました。絶望的な戦いの果てで2人が掴んだものが、最後の一行が、心を支配してなにも言えなくなりました。こんなに面白い圧倒される作品は二度ないかもしれない。そのくらいの作品でした。ただ最高でした。

キャラ A
クロトはマジですごかったですね。これまでかなりの冊数のラノベは読みましたが、まず間違いなく1番質を伴った頭の良さがあります。傲慢だけど、すぐにデレちゃうギャップもグッド!イザヤさんは凛々しいだけではなく、国を背負い戦うということを体現したような強さがありましたね。でも、終盤で見せたあの時の言葉を思い出しての女の子の姿は可愛くもあり、これからヒロインとしての魅力もたくさん見せてくれるのかな?と思いました。そのほかのキャラも魅力的でした!

最後に
こんなに面白い作品に出会えたことに感謝してもしきれないです。「プロペラオペラ」という作品は死ぬまできっと忘れないです。この作品が少しでも多くの人に届けば嬉しいですね…もちろんまだまだ続くと思うので続刊楽しみにしてます!あと補足になりますが、空飛ぶ戦艦というのがイメージしにくい方は巻末のメカデザインから読むのもありかと!

どんな人にオススメか?
架空戦記が好きな方は!モチーフはありますが、それはそれとして物語としてこれほどの作品は今後なかなか出てこないと思うのでちょっとでも気になった方は絶対に読んでください…!みんなで「プロペラオペラ」を心に刻みこみましょう!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



プロペラオペラ



著者



犬村小六



レーベル



ガガガ文庫



ISBN



978-4-09-451812-2


表紙の画像は「版元ドットコム」様より