どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは由多ちゆさんの「くらいもり、しろいみち」です!
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優等生だがひねくれていて勉強以外に友達がいないしょう。彼女は冬の公園で白い女性・ちはるに出会う。目が見えないというちはるは好きな人がいたらどうにかなると思い、しょうのことを好きになるという。田舎でも都会でもない街の公園。ちはるにふりまわされるうちにしょうは少しずつ変わっていくが…

先日Twitterでオススメしていただいて早速読了。なんかこう、どうしようもなくダークな百合が読みたくなる時ありますよね?僕はあります。それが昨日今日でした。どこかほんのりと感じる閉塞感と青春しきれなさ、似ているようで似ていないしょうとちはるの関係が素敵な作品でした。

ひねくれて勉強しか友達がいないしょう。往復4時間もかかる高校にわざわざ通い、家族ともあまり関わらずに過ごす毎日…朝から晩まで長くて長くて仕方ない感じすごくよくわかります…僕も中学生の時はこんな感じでした。

そしてしょうは誰も寄り付かないような公園でちはるに出会います。目の見えない彼女を助けたことで公園でちひろとお話していくようになります。ちひろは不思議な魅力を持つ女の子で、作中では狐のように笑うと言われてましたけど行動もきつねっぽいですよね…あと恋愛感情未満?な感じの百合関係性がめちゃくちゃいいですね…

あとそんな2人の関係を繋ぐものもまた良かったです。世界が終わるわけでもないし、一般から逸脱するほどでもないけど、どうしようもない悩みをそれぞれ抱えて、それが共感のアイテムになって不思議な関係へと昇華していく。こういうのがなんかダークすぎないダークさがあってめっちゃよかったです。

最後のお別れのシーンも良かったですし、ほんの少しだけ変わったしょうの姿もまた印象的でした。決して劇的に何か変わるわけではないお話ですが、じんわりと染み込んでくる2人の関係が魅力的な作品でした。1巻完結なので気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



くらいもり、しろいみち



著者



由多ちゆ



レーベル



まんがタイムきららコミックス



ISBN



978-4-8322-4111-4


表紙の画像は「版元ドットコム」様より