どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは斜線堂有紀さんの「不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語」です!
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初挑戦となる斜線堂有紀さんの作品。面白い!との評判は常にと言っていいほど耳にしていましたが、なかなか読む機会がなくずるずるとここまできてしまいました…「不純文学」はサイン本を手に入れたので早く読まなければ!と思っていたのですが、なかなか手につかずこちらもようやく読んだ次第です…

帯にある通り1話1分程度で読める掌編が124話収められた掌編集となっています。物語は大学生の先輩と「私」が不思議で不条理なことに巻き込まれていくのが基本となります。物語は着地しないこともあれば着地することもある。幸せかと思ったら背景が不気味で、不幸かと思ったらこの2人にとっては至上の幸せがある…そんなこの作品、この「先輩」と「私」ならではの世界観が詰まった作品でした。面白かったです!

以下、お気に入りの掌編です。

Calling
前世で流れ星に頼んだ大量の木のみが届いてしまうことから始まる物語。もう一つ願いを叶えてくれる流れ星に「私」は反物をお願いして…この話だけ(いや他にもあったのかもしれない)先輩が最後にふらっと登場するのがなんか好きです。

痛みから覗き込む世界地図
「先輩」と痛覚が共有できるようになってしまった「私」のお話。「先輩」の痛みを「私」が感じるロジックに気づかされる瞬間、そして暴力の判定がなにか無性に切ないです。悲しいとか切ないベクトルではこのお話が1番好きです。

まだ一人ともう一人
「先輩」と「私」が夜の山に死体を埋めにいくお話。これは不思議と惹かれたというか、「私」がもういないことをわかっていて、その思考がどこにあるのか。「先輩」がラーメンを食べる姿を想像できるなら暗くなるその直前まで生きていたんじゃないかなーと想像したりして、全部読み終わってから頭の中にもっとも残っていました。

破線通信
「私」が「先輩」に電話を時々かけるお話。二人は大学生ではなくて?リアルな生活感を感じる単語がありつつも、時々電話にでる「先輩」の存在が印象的でした。存在しない流星群は先輩との「距離」を的確に表しているなと感じました。

足跡が深くなる
死者が蘇る街で「先輩」を蘇らそうとする「私」のお話。ファンタジーテイストな?物語だとこれが一番好きでした。「先輩」の重みと雪に残される深い足跡。ラストで泣く「私」に1番共感できたかもしれないです。

その部屋の物語
あることをしないと出られない部屋に閉じ込められてしまった「先輩」と「私」の物語。これが1番幸せなんじゃないかな〜と勝手に思ってみたり。この二人は長くて薄い幸せよりも短くて「先輩」が料理を作って「私」が食べる生活が何よりも似合っていると感じます。

助ける先輩
何か失敗をしても「先輩」が助けてくれて毛布で包み込んでくれるお話。優しく溶けてしまうほどの「先輩」の気持ちは、「私」を人間ではなくしてしまう?ようで不安感と多幸感の間みたいな物語でした。

以上になります!掌編で一つ一つのお話は1分程度で読めるので気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



不純文学 1ページで綴られる先輩とわたしの不思議な物語



著者



斜線堂有紀



レーベル



宝島社文庫



ISBN



978-4-8002-9861-4