どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは日日日さんの「恋の穴におちた。」です!
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ストーリー A
内容は、BL小説家として人気のアラサー女子の牛老丸華奈。彼女はある日突然マンションの部屋に穴が空いていることに気づく。その穴から覗いた美しい顔。非現実的な容姿を持つ少年の名前は薬邸知夫。彼は複雑な家庭の事情を抱えていて、穴から時々牛老丸の部屋にやってきてはささやかな交流を始めるようになる。しかし、知夫と仲良くなるほど罪悪感が芽生えていく牛老丸。そして徐々に明かになっていく真実とは…とこんな感じです!

〜この穴はどこに…〜
日日日さん久しぶりのオリジナル小説作品!個人的にはスニーカー文庫さんの「特命生徒会」以来ですかね?それほど日日日さんの作品は読んでいないですが(^_^;)日日日さんの新境地というか、ネーミングであったりグロさや苛烈さはありつつも、女性主人公を魅せる作品だったと思います!面白かったです!
アラサーの小説家の牛老丸。少年向けのライトノベルで作家デビューするも、鳴かず飛ばずでどうしようもないときに親しくしていたフリーの編集者が回してくれたBL小説の仕事で大ヒットした経歴を持つ…なんかこの経歴が妙にリアルさありましたね…そんな彼女は寝室に穴が空いていることに気づきます。そこから顔を覗かせたのはこの世のものとは思えない美貌を持つ少年・知夫。牛老丸は彼の美貌に惹かれるように徐々に交流を始めていきます。他人に対して恐怖心がある牛老丸の心のバリアをも突破する知夫の美貌と少年らしさと世間を知らない無垢な心。罪悪感はかんじつつも、仕事の疲れから彼に癒しを求めるようになります。と、ここだけ見ればショタコンか?という感じなんですけど、中盤以降は肌にまとわりつくような不気味さを孕んできます。そもそもどうしてこの穴は空いたのか?複雑な知夫の家庭の事情とは?なぜか知夫に心当たりのある編集者の舞阪さんが考える答えとは…グロさやどうしようもない現実、怒り、悲しみ、穴の結末。そしてラストこれ以上ない結末…現実感のない現実みたいな、心に確かに何かを残すような作品でした。面白かったです!

キャラ A
牛老丸さんは年の割に精神が幼いというか、かわいいらしい一面が多い人でしたねw BL作家って舞阪さんみたいなイメージあったんですよね…いい意味で適度に大人で適度に子どもみたいな女性でした。知夫くんは美貌には似合わない純真さと積極性があって、牛老丸の心のバリアを簡単に突破していく力がありましたね。編集の舞阪さんは本当に人格者でこういう人がいい編集さんの理想図なんだろうな…という人でした!

最後に
日日日さんのオリジナル作品は久しぶりに読みましたが、過去に読んだ日日日さんの作品のいいところは感じつつも新たな一面も感じられたり最後まで楽しく読ませていただきました!ちょっとディープで時折覗かせる醜悪さがグッド!この作品は1巻で完結だと思いますが、また新たなオリジナル作品楽しみに待っています!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



恋の穴におちた。



著者



日日日



レーベル



LINE文庫



ISBN



978-4-910040-01-1