どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは空伏空人さんの「魔女の花嫁 seasons beside a witch」です!
⚠︎ネタバレありです。
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ストーリー A
内容は、不治の病によって死ぬことが定められている桑折冬至は麻峯三丁目にいると言われるどんな願いも叶えてくれるという魔女・ミーズと出会う。そこで自身が病に罹っているわけではなく、呪いにかけられていることを知った冬至はその解呪をミーズに頼む。しかしミーズが呪いを解くためにとった方法は冬至を殺すというものだった。一度死んでなお解けない呪いを解くために冬至は名前をハルと変え、ミーズの弟子として過ごしていくことになるが…とこんな感じです!

〜これは悪意も善意もない物語〜
空伏空人さんの最新作!前作がとても好きだったので読むのを楽しみにしてましたが、今作も面白かったです!
不治の病に罹る冬至は、ある日どんな願いも叶える麻峯三丁目の魔女に出会います。彼女は冬至が病ではなく呪いをかけられていることを知り、その呪いから
解放するために冬至を殺す…というのが序盤の流れ。軽快ながら短い文章で背景がズバッと浮かんでくる文章は魔女の家に迷い込んで(自ら目的を持って)迷い込んだ冬至と近い目線で読者を物語に没入させてくれますね!そして呪いを解くために魔女の弟子となりハルと名前を変えミーズと一緒に過ごすことになります。現代日本ではないどこかでミーズと暮らす毎日は、コミカルでダメなお姉さんであるミーズへのツッコミと年相応の照れの会話を軸にファンタジックに彩られていきます。魔女として依頼を受けたり、ハルの呪いを解くために様々な人々を訪ねたり…ミーズのハルを思う気持ちとハルのなんだかんだでミーズによって「守られる」ハルの関係はいわゆるオネショタとはまた異なるオネショタを感じました(要はオネショタ)しかし、物語が後半に進むにつれてハルとそしてミーズの背景が見え隠れしてきます。死んでしまったハルが思い出せない過去のこと、そしてミーズとミーズを置いていってしまった人のこと…きっとハルにとってミーズは特別で、そこに悪意も善意も介入できなくて、ハルのいう「悪い人ではない」「憎まない」という言葉だけが本物なのだと感じました。魔女と少年のファンタジーを最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
冬至…もといハルはなかなかツッコミができた子ですねw彼はきっと優しいからこそ賢い動物たちを慈しみ、ミーズにキレキレのツッコミを入れ、自身を呪う呪いのために苦い薬を飲めるのでしょう。ミーズはノリがいいので一瞬惑わされるんですけど、寂しくて悲しさを胸に秘めていてハルが離れていってしまうことがきっと何よりも怖い普通の女の子だと感じました。

最後に
空伏空人さんの最新作を思う存分楽しませていただきました。前作同様、作中での死の在り方みたいなものがすごくよかったです。続刊あるなら読みたいので1年以内にお願いします。17年も待てないです。

どんな人にオススメか?
ファンタジー好きな方は!児童文学とか海外翻訳作品とか好きな方は刺さると思います!ハルとミーズの関係もいいですし、スラスラ読めるのに重厚なファンタジーを思う存分楽しんでください!オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



魔女の花嫁 seasons beside a witch



著者



空伏空人



レーベル



LINE文庫エッジ



ISBN



978-4-910040-16-5