どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは風見鶏さんの「さよなら異世界、またきて明日 旅する絵筆とバックパック30」です!
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ストーリー A
内容は、人が結晶になって消えてしまう滅びかけの世界。異世界からやってきた迷い人であるケースケは、蒸気自動車で1人旅をしていた。孤独に押しつぶされそうな時、絵を描くハーフエルフの少女・ニトに出会う。成り行きから彼女の探し物を手伝うことになった2人は共に終わりゆく世界を旅することになる。旅先で出会いと別れをくりかえし2人がたどり着く果ては…とこんな感じです!

〜終わりの世界でふたり旅〜
風見鶏さんの最新作!前作は未読で今回が初挑戦の作家さんになります!静かで綺麗で寂しくて優しい。そんな旅ものファンタジーでした!面白かったです!
異世界(現代日本?)からやってきたケースケ。彼が迷い込んだのは終わりゆく世界。そこでは魔力が溢れかえり人々が結晶になって消えていた。そんな世界でケースケはニトという絵を描く女の子に出会います。お互いの移動手段が壊れ、修理には2台のパーツをつなぎ合わせなければならない…こうして互恵関係から2人の旅は始まります。最初から最後まで決して派手さはないんですけど、丁寧にキャラを描いたり話す言葉一つとっても無駄がないのが好印象でしたね!旅先の出会いも別れも決して劇的ではなくあくまで日常の中で…こういうロードノベルいいですね…ケースケがご飯を作ってお腹を空かせたニトが食べる。ニトが絵を描いて、ケースケは野宿の準備をする。移動の際はあまり言葉を交わさずに、恋仲でも友達でもない2人の知り合い以上それ以下の関係で荒野を駆ける。文章の中にある見えない何かがキラキラと輝いていて、悲しくも広大な世界を美しく彩っていました。魔女が登場してからぐいっと方向性が定まって、伏線も回収してからのラストはじわっと温かさを感じました。静かで悲しくて優しい物語でした!面白かったです!

キャラ A
ケースケは本当に普通の男の子という感じでしたね。1人ぼっちに絶望したり、ニトに出会えて人寂しさは消えたけどそれでもちょっと空っぽで、野宿が得意でまっすぐで…等身大の主人公という感じがしました!ニトはハーフエルフの女の子。食いしん坊?で絵が上手でどこかパワフルさを感じました。過去の悲しいことを全部ちっちゃい体に抱えてある場所にいきたいと願う姿がとても印象的でした!

最後に
とても面白かったので2巻もぜひ読みたいです!こういう作品は貴重なので長く続いてくれると嬉しんですけど…ケースケとニトの旅もまだまだ始まったばかりですし続刊楽しみにしてます!

どんな人にオススメか?
旅ものファンタジーが読みたい方は!派手さはないですが、切なさを感じる世界観と登場人物たちの等身大に生きる姿がぐっと胸を穿ちます!気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



さよなら異世界、またきて明日 旅する絵筆とバックパック30



著者



風見鶏



レーベル



富士見ファンタジア文庫



ISBN



978-4-04-073541-2


表紙の画像は「版元ドットコム」様より