どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはあまさきみりとさんの「星降る夜になったら」です!
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ストーリー B
内容は、高校三年生の花菱准太は進路も卒業も決まらないまま残りわずかな高校生活を怠惰に過ごしていた。そんなある日、補習で訪れた美術室で1人の後輩と出会う。たった1人の美樹部員である渡瀬佳乃は、不登校気味で学校では友達が1人もいない寂しい女の子。そんな彼女の絵に惹かれた准太は補習もないのに彼女の元へ通うようになる。次第に距離を縮めていく2人。しかし佳乃にはある秘密があって…過去と今を願いを叶える不思議な彗星が繋げる青春もの!とこんな感じです!

〜彗星に願って〜
あまさきみりとさんの新作!「キミの忘れかたを教えて」が面白かったので期待していたんですけど…後述の通り、超濃厚カロリー爆弾文章が切ない物語と致命的なまでに分離していましたね…物語が好きなだけにここまでくどいと感じてしまう文章なのが…
物語は卒業を間近に控えた2月になっても進路も卒業も決まっていない准太が佳乃と出会うところから始まります。放課後の美術室で一心不乱に絵を描く女の子と出会うめっちゃいいシチュエーションですね!担任の教師の姪だという後輩はわがままで全然笑わなくて不器用できまぐれで…そんな彼女と放課後の美術室で時間を重ね距離を縮めていきます。しかし佳乃はある日を境に姿を見せなくなり…序盤から願いを叶えて、でも誰にも観測されないお伽話のような彗星について語られるのですが、ここでそいつの残酷な正体が明かされます。そして彗星に願ってしまったことで2人のこの先の人生は絶対に交わらないものとなります。彼女が願ったIF/彼が願ったIFが交差しながら、佳乃の過去も交えて語られるすれ違う切ない恋物語は胸を締め付けますね…ただとにかく文章がクドイ。なんというか素材の味を完璧に殺しているんですよね…このあたりについては冒頭読めばわかってくれるかなと…1人語りが激しいんじゃなくてやたら装飾過多なんですよね…笑ってるなら笑ってるとだけ書いてくれたらいいねん。なんでそこでこいつはこういうやつでこういう状態だからこう!ふっ…まるでなんとかみたいだ…みたいにくどくど書くん…?そういうお話ちゃうやろ…塩だけで十分美味しいお肉に味の素1瓶つかったり、めっちゃ甘くて美味しい苺に砂糖たっぷりの生クリームをこれでもかとかけるようなそんな文章がひたすら続きます。これじゃ切なさにたどり着く終盤にはお腹いっぱいです。文章は佳乃に視点が移る5章からはだいぶよくなるんですけど、よくなってきたときにはもう散々食べさせられた濃厚文章のせいで繊細な味を楽しむ余裕がないんですよ…とにかく文章が濃厚すぎて繊細な物語を見事に打ち消しているなという印象の作品でした。

キャラ B
とにかく准太の印象が悪すぎます。これも全部文章のせいです。卒業も危うい、進路も何も決まっていない高校三年生が地の文でこんなたらたら語るか?あげく佳乃が成功したらダメ人間になってるし…なんかいいところないです。佳乃がめっちゃ魅力的だったのが相対的にプラスでしたね。ただこの魅力をもっとストレートなぶんしょうで書いて欲しくはありましたが…

最後に
とにかく文章がクドすぎました。物語が良かっただけに残念な感じはあります。

どんな人にオススメか?
個人的にはオススメできません。物語に対して文章のカロリーが高すぎます。気になった方は僕の感想は気にせずお手に取ってみたらよいかと・

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



星降る夜になったら



著者



あまさきみりと



レーベル



MF文庫J



ISBN



978-4-04-064723-4


表紙の画像は「版元ドットコム」様より