どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは藻野多摩夫さんの「さいはての終末ガールズパッカー 1」です!
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ストーリー A
内容は、何世紀も前に起こった戦争と寒冷化により滅びかけの人類。そんな数少ない人類の生き残りであるレミはある日、雪の下で眠っていたリーナというオートマタに出会う。姉妹のように育った2人は面倒を見てくれていたトニー爺の死をきっかけにエリシウムと呼ばれる楽園を目指すことに。ルート66という国道を旅する2人は果たしてエリシウムに辿り着けるのか。そしてリーナに迫るカウントダウンは…とこんな感じです!

〜世界の果てまでふたりで〜
藻野多摩夫さんの新作!「オリンポスの郵便ポスト」「できそこないのフェアリーテイル」とデビュー作から大好きな作家さんなので新作読むのすごく楽しみにしてました!
まず言わせてください…この作品めっちゃ面白いです!終末!雪の世界!人間の女の子!オートマタの女の子!楽園へと続くルート66!別れと出会い!そして悲しくも美しくて優しい結末!全てが最高の一言!久しぶりにラノベ読んでこんなにワクワクしました!めっちゃ面白かったです!
まず序盤。氷ついた世界観とレミの悲しい描写から物語は始まります。なにもかもが氷、雪に閉ざされ、太陽も人類も滅びかけの世界。そんな絶望的な世界でレミはオートマタのリーナに出会います。色々なものを失っていくレミがこうしてリーナと出会うシーンは、この物語の終盤を知ってから読かえすとじーんとくるものがありますね…そしてレミとリーナの面倒を見ていたトニー爺の死をきっかけに2人は楽園<エリシウム>を目指す旅を始めます!トラブルメーカーなレミと真面目だけど片方の腕が動かないというこの世界ではあまりにも深刻なハンデを負うリーナ。2人は時にぶつかり合いながらもルート66をまっすぐ歩きエリシウムを目指します。そして道中で出会う生き残りの人類やオートマタたち。客のこないホテルで客を待ち続ける喋るスロットマシン、街から街へとあるものを運ぶ運送屋のオリヴィア、蒸気の街で出会うトーマス・アルバと呼ばれる技術者集団…出会いから別れまでのわずかな時間を共に過ごすシーンは人間の生きる力強さと優しさを感じられますね!そしてリーナに起こる異変。思い出される過去の記憶。レミではないご主人様のこと、かつてこの世界で起こった戦争、それにともなう悲惨な出来事…そうした記憶を夢として見始めたリーナは…切ないですね…終盤は怒涛の展開。旅の終わりで迎えるピンチを乗り越えて2人は…最後の最後まで一緒にいたいと願ったからこそのこの終わり方なんですよね…終末世界で人間の女の子とオートマタの女の子が旅をする切なく優しいロードSFでした。最後まですごく楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
リーナは優しくて強いオートマタでしたね。レミのことが本当に大好きで大切で、だからこそ自分自身に起こる異変のことも素直に話すことができない。迷惑をかけてしまっている自分のことが嫌い。すごく優しいからこそ危うくて、そうした部分が元気一杯でちょっと暴走気味なレミと相性がすごく良かったです!レミはとにかく元気いっぱいな女の子!トラブルメーカーで時々やらかしますが、そこは真面目なリーナがフォロー。リーナが困っていれば手を差し伸べて、リーナ対して本気で怒って泣いてあげられる。素敵な女の子でした!

最後に
めっちゃ面白かったです!ナンバリングもされてますし、終わり方的には続刊あってもいい感じですね!2巻も楽しみです!

どんな人にオススメか?
ポストアポカリプス、旅ものが読みたい方は!女の子2人の表紙が目を引きますが、百合という感じではないのでそういうの求めている方は注意です。切なくて優しい氷の世界を旅する物語は好きな人ならハマること間違いなし!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



さいはての終末ガールズパッカー 1



著者



藻野多摩夫



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913199-4


表紙の画像は「版元ドットコム」様より