どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは菊石まれほさんの「ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒」です!
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ストーリー B
内容は、ユア・フォルマという脳に埋め込んで使用するデバイスが普及した世界。ユア・フォルマに記録されたデータから事件捜査を行う電索捜査官のエチカは天性の情報処理能力の高さゆえに電索補助官の脳を焼き切っては病院送りにしている孤高の天才だった。そんなある日、エチカに新たなパートナーとしてアミクスという人形ロボットであるハロルドが電索補助官としてあてがわれる。2人は電子ウイルス事件を調べることになるが、その過程で衝突していき…果たして2人は無事に事件を解決することができるのか…とこんな感じです!

〜記憶と記録から追え〜
第27回電撃小説大賞大賞受賞作。近未来を舞台にしたSFですね。個人的に文章が合わなかったこと、キャラに魅力を感じなかったことを除けばそれなりに楽しめる作品でした。
まず文章。これがどうにも合わなかったです。合わなかったポイントしては二つ。一人称と三人称が入り混じるのと、セリフと地の文を合体させた文章が散見されることです。一人称と三人称の組み合わせ方自体は良いのですが、エチカの感情が挟まる文章はなんかこう「エチカってこんなに内心激しく感情が揺れ動くのか…?」と思ってしまう場面も多々ありました。あとセリフのあとのに改行入れずに地の文がしかも三人称視点でくるとなんかこう脳内で会話から思考に切り替わらずに混乱します。文章が合わなかったこともあり、300ページ以下の作品でしたが3時間くらい読むのに時間かかりましたね…まぁ文字数が多いというのもありますが…
序盤は世界観やユア・フォルマ、そしてエチカのことが語られていきます。序盤からかなりの情報量が前述の合わない文章で語られるので個人的にはちょっとかなりキツかったですね…そしてハロルドとパートナーを組むことになったエチカは電子犯罪の捜査を始めます。天才的な情報処理能力を持ちアミクスをなぜか毛嫌いしているエチカ。見ていないはずなのにまるで見てきたかのように他人の特徴を話すハロルド。2人は当然のようにぶつかり合いながら事件の捜査を進めていきます。この2人の関係性はよかったですね。終盤になるにつれて明らかになる事件の全貌もよかったです。このあたりの見せ方はさすが大賞作という感じで終始ワクワクしながら読み進めることができました。物語の着地点もよかったですし、文章が合わないということはありましたが楽しませていただきました。

キャラ B
個人的にはエチカもハロルドも微妙に魅力を感じなかったんですよね…なんかエチカは人間味が足りなくて、逆にハロルドはロボットみが足りないというか…いやハロルドに関してはロボットみを求めるのは違うかもですが…ビガが1番魅力的でしたかね…

最後に
文章が合わない、キャラに魅力を感じないという個人的な事情を除けば物語は面白かったと思います。ただこの2点は致命的にあわずnot for meでしたので続刊は読まないと思います…

どんな人にオススメか?
SF好きな方は。個人的には合いませんでしたが、文章とかキャラが気にならなければ電子犯罪を追うバディものとして楽しめるかと思います。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒



著者



菊石まれほ



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913689-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より