どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは土屋瀧さんの「忘却の楽園I アルセノン覚醒 1 」です!
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ストーリー A
内容は、大地の大半が海に沈んだ世界。残された陸地をめぐり度重なる戦争を繰り返した結果、陸地は汚染され人びとが住めないもしくは汚染による病気と隣り合わせで暮らすようになった。滅びへと向かう人類を導くべく、最高統治府が世界の国々をまとめていた。最高統治府から任務を命令された少年アルムはリタという船に乗り込むことに。そこで出会ったのはその身にアルセノンという猛毒を秘める少女フローライトだった。彼女の管理者として日々血液を採取するアルムは徐々に彼女と世界に関する秘密を知っていく。そして世界を揺るがす事件が発生し…とこんな感じです!

〜少女は毒を持つ〜
第27回電撃小説大賞銀賞受賞作。3月に発売された電撃小説大賞受賞作の中では唯一の390pオーバーと分厚い物語になっています。まだまだ壮大な物語の始まりといった印象でどこか消化不良感は否めません。しかし要所要所でガツンとくる面白さがありました。
物語は主に三人の視点で進んでいきます。リタという船に乗りこみ、わけもわからないまま猛毒であるアルセノンをその身に宿す少女の管理者となったアルム。かつての王国の栄華を追い狂った父親を持つドラル王国の王女オリヴィア。普段はおちゃらけているのにここぞという時に頭が周り頼りになるクリストバル。それぞれが最高統治府からもらった役割を、そして各々の思いや誰かの策略を果たすために海が覆い尽くした大地で奮闘します。文章は読みやすいのですが、時折誰が話しているのかわからなくなるくらいキャラが多いこともありその辺りはちょっと混乱しましたね…400p近い物語とはいえ流石に15人弱主要登場人物がいるのは…序盤は本当に探り探り世界が広がっていく感じでアルセノンとは?なぜリタという船にフローライトは閉じ込められているの?最高統治府とは?ドラル王は何をしようと?と靄がかかった状態で進んでいきます。しかし物語が中盤になってくるとそれらが繋がってきて、また一見離れているように見えたアルム、オリヴィア、クリストバルの3人が導かれるように同じ場所に集まってきて物語が交差していく様子も良かったです。ただやはり壮大な物語のほんの始まりだという感じは否めず、終盤がどうしても盛り上がりにかけたりとページ数の割に物語が進行していないのが…いやもちろんアルムとフローライトについては物語はしっかり動いているんですけどね…面白かったんですけど、あまりにも物語が壮大すぎるが故に消化不不良感が否めないお話でした。

キャラ B
誰かに魅力がないというわけではないんですけど、いかんせん15人弱の主要登場人物が出てくることもあり個人個人の魅力が…アルムとフローライトに関しては見せ場や過去の掘り下げもありましたけど…オリヴィアとクリストバルの関係とかもっと見たいキャラ同士のかけあいがたくさんありすぎます…

最後に
面白かったんですけど、あまりにも物語が大きすぎかつキャラが多すぎて…巻数を重ねれば重ねるだけ面白くなると思うので続刊に期待したいですね…

どんな人にオススメか?
壮大なファンタジーが好きな方は。1巻はまだまだ序章?とも取れる感じで本領発揮は2巻以降になるんですかね…キャラもいいのでここからグングン伸びていくのに期待できる作品です。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



忘却の楽園I アルセノン覚醒 1 



著者



土屋瀧



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913684-5


表紙の画像は「版元ドットコム」様より