どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは暁佳奈さんの「春夏秋冬代行者 春の舞 上」です!
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ストーリー AA
内容は、季節の巡りかわりを人が担うようになった世界。季節を顕現させる能力を持つものは代行者と呼ばれ大和という国に四季をもたらしていた。春の代行者である雛菊という少女はは賊によって攫われ10年もの間、春を顕現させることができずにいた。苦難を乗り越え代行者として復活した雛菊は従者のさくらと共に春を顕現させるために各地を訪れていた。そんな彼女は10年前に離れ離れになってしまった冬の代行者・狼星への恋心が残っていて…季節を巡る代行者たちの物語が始まる…とこんな感じです!

〜四季を巡る物語の始まり〜
暁佳奈さんの新作!個人的に初挑戦の作家さんですね。美しすぎる表紙を見た時から発売楽しみにしてました!
まず言わせください…
一生忘れられない物語に出会いました


すごいです…すごすぎます…小説を読んでこんなに感情が揺さぶられるのは何年ぶりでしょうか…物語を彩る文章全てが透明で瑞々しくてただただ素晴らしいです…作中で描かれる雛菊の感情の全てが、狼星の感情の全てが胸を打ちます。美しくて、微笑ましくて、悲しくて、そして切ない…間違いなく2021年No1の作品です。最高に面白かったです!
季節の巡りを人々が担うようになった世界。四季ごとに代行者と呼ばれる現人神がいて、彼らが季節を顕現させることで世界に四季が訪れる…最初はちょっとピンとこなかったこの設定は雛菊が春を顕現させた瞬間にすっと体の中に入り込むように理解しました。こんなに美しい物語の設定はこれから先の人生でもう出会えないかもしれない。それくらい綺麗でした。物語は10年ぶりに春の代行者として復帰した雛菊と従者の桜が春を顕現させるところから始まります。この春の顕現のシーンは前述した通りとにかく美しいんですけど、ここにあんな人間ドラマを絡めてくるのは反則です…僕はまだこんなにも物語で感動できたんですね…雛菊とさくらが春を顕現させる旅が描かれる中で各季節の代行者たちのお話も描かれていきます。10年前、雛菊が誘拐された際にその場に居合わせた初恋の人・冬の代行者である狼星。従者のあやめと双子の夏の代行者である瑠璃。そしてまだ幼い秋の代行者である撫子。4人は人間でありながらも代行者としての運命を背負いながら生きていて、その生き様が歩んできた人生が悲しくも美しい。その代行者たちを支える従者たちも良かったですね…主従の愛を超えたまさに彼らの人生そのものである代行者と向き合う姿に感動しました…物語は中盤から動き始めます。四季を顕現させる能力を持つ代行者をよく思わない賊によって事件が発生し…蘇る雛菊の10年前の誘拐事件の記憶、そして迫り来る恐怖と敵意。どうにもできない過去を背負った雛菊、さくら、狼星、狼星の従者である凍蝶が危機に立ち向かっていきますが…上下巻の上巻ですがこんなに素晴らしい物語にはこの先の人生でもなかなか出会えない。そう思わせてくれる最高の作品でした!最高に面白かったです!

キャラ A
雛菊は儚さを纏いながらも強い意志を持った芯のある女の子でしたね。春の代行者として過酷な過去や運命を背負いながらも代行者としての責任を果たしていく…幼くて可憐で、でもそれだけじゃない彼女の強さと弱さに心を打たれました。さくらは雛菊を守る従者。基本雛菊には超過保護でそれゆえに周囲とうまくいかないこともありますが、彼女の人生そのものが雛菊なんだと物語の中でなんども実感させられましたね…気丈に振る舞っていても普通の女の子で彼女もすごく幸せになってほしいなと願ってしまいます。狼星は普段は強気な少年ですが、雛菊と彼女が誘拐された事件のことはずっと気にしていてただ生意気なだけじゃないかっこいいやつでしたね。凍蝶もそんな狼星のことをよく考えて、一緒に過去を背負って、今に立ち向かっていく強さのある青年でした。その他の四季の代行者や従者ももちろん魅力的でした!

最後に
本当に素晴らしすぎる物語に出会ってしまいました…こんなに心を動かされる物語に文章に登場人物たちに出会うことはそうそうないですよ…今から下巻読んできます…

どんな人にオススメか?
とにかく読んでください…!後悔は…!後悔はさせません…!美しくて悲しい物語にどっぷりと浸ってください…!本当に読めばわかります!この作品がいかに素晴らしいか読めば…!読めばわかるのです…!お願いします!僕を信じてください…!絶対に後悔させないので…!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



春夏秋冬代行者 春の舞 上



著者



暁佳奈



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913584-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より