どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは三田真央さんの「夢にみるのは、きみの夢」です!
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ストーリー A
内容は、友達なし。恋愛経験なし。ひたすら二次元の乙女ゲー世界に没頭する二橋美琴は誕生日の夜にナオと名乗る青年と出会う。整った容姿を持つナオは実は研究施設から逃げ出したAIだった⁉︎成り行きからナオを家で匿うことになり、同棲生活が始まる。はじめは見知らぬ男性が家にいることが落ち着かなかった美琴だが、だんだんナオのいる日常が当たり前になっていき自分の気持ちを自覚し始めるが…とこんな感じです!

〜この夢は、恋は現実か〜
元NMB48の三田真央さんの小説デビュー作!アイドルには二次元も三次元も疎くガガガ文庫でデビューされるまでは恥ずかしながらお名前も存じ上げていなかったのですが、元アイドルがラノベで小説デビューということで購入。キラキラした小説なのかな?と勝手な偏見から読み進めていたのですが、いい感じにダメダメな社会人女オタクの恋愛模様と衝撃的なラストが印象的な恋愛?ものでした!面白かったです!
まず序盤。友達もいない恋愛経験もない会社でも幽霊社員状態な美琴の日常が描かれます。これはいい意味でほどよくにちゃっとした女オタクが描かれていましたね…推しのボイス目覚ましで起床して会社でも幽霊みたいな存在で、憧れている先輩をただ見つめているだけ。独り言が多くて誰かと話すことが特別で、日々を淡々と過ごしていく…アイドルだった方がこういう女性主人公を描くのか…とちょっと衝撃的でした。アイドルに夢見過ぎですかね?そして美琴の誕生日の日、ナオという青年に出会います。しかしナオはAIで研究室から逃げてきたといい、成り行きから彼を匿うことに。そして同棲生活が始まります。最初はAI?突拍子もないなーと思わなくはなかったですが、いっしょに生活していくうちに作られた存在であるナオが際立ってきましたね。AIのナオ、というのはよく表現されていました。ナオと一緒に暮らすうちに自分の気持ちをなんとなく理解していく美琴。会社でもこれまでただ眺めているだけだった憧れの先輩とお近づきになったり、隣の席の同僚と話すようになったりと変わっていく美琴。季節が春、夏、秋とすぎていく中で答えに辿り着きますが…終盤。衝撃的な展開が。なるほど。こういう展開に持ってきますか。個人的にはかなり好き、むしろ大好きな展開ですが賛否はわかれそうですね…あとがきにある自分にとってのハッピーエンドは誰かにとってのバッドエンドと体現している終わり方だと思いました。タイトルも回収してますしね。最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
美琴は想像していた以上ににちゃっとした社会人女オタクで個人的にめっちゃ好きでした!友達いない、恋愛経験なし、推しキャラのボイス目覚ましで目覚めて洒落っ気のない生活をする。推しに着せる服を妄想してメンズの服を買い漁って自宅のクローゼットに収納して推しと生活している感を演出しているのはなかなかの上級者ですね。考えていることが思わず口にでちゃったり唐突にテンションあがったりするところも含めていい女オタクでした!ナオはAIなのですが、感情らしきものはあり普通に人間と会話できる感じでしたね。ただところどころ違和感があり、この違和感がAIらしさを表していたと思います!子犬系の美青年で見ていて楽しかったです!

最後に
にちゃっとした女オタク主人公とAIの青年のいい恋愛もの?でした!綺麗に終わっているので1巻完結ですかね?三田真央さんの作品は今作ですごく印象に残ったのでまた小説書くならぜひ読んでみたいです!新作待ってます!

どんな人にオススメか?
ちょっと変わった恋愛ものが読みたい方は!いい意味でにちゃっとした女オタクの主人公とAIの青年ナオのやりとりや徐々に縮まっていく距離感は読んでいて楽しいです!終盤の展開はかなり賛否がわかれそうな気がしますが、個人的には結構好きでした。気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



夢にみるのは、きみの夢



著者



三田真央



レーベル



ガガガ文庫



ISBN



978-4-09-453001-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より