どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは立川浦々さんの「公務員、中田忍の悪徳」です!
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ストーリー AA
内容は、区役所福祉生活課の係長として一目を置かれる中田忍。彼は冷酷で他人に厳しく自分にはさらに厳しいという男だった。そんなある日、彼が自宅に帰るとそこにはエルフの少女が。異世界エルフが保有する常在菌のリスクを警戒した忍は彼女を知床岬からオホーツク海の底に沈めようとする。しかし忍は友人の義光に頼りなんとかエルフを海の底に沈めずに彼女を守る方向に舵を切る。果たして忍はエルフとコミュニケーションをとることができるのか…とこんな感じです!

〜堅物公務員が異世界エルフを拾ったら?〜
第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作!発売前からあらすじやイラストレーターさんの改名?が話題になってましたよね…さて作品はというと…

最高に面白い


いや、なんですか。この言葉の暴力の塊みたいな作品は。ストーリーは大の大人3人がエルフについてあーだこーだいうだけ、劇的な物語もなければド派手なファンタジーもない。ただひたすらに文章で言葉でぶん殴ってくる。それなのに、異常なまでに洗練されて異常なまでに突き刺してくる。鬼才。間違いなく鬼才で奇才です。面白い。ただそれだけに脳内が支配されます。とんでもない化け物クラスの作品に出会いました。最高です!
物語は堅物な中田忍の日常が描かれるところから始まります!区役所の福祉生活課の課長として冷酷に生活保護受給者に関する取り決めを行う。部下を萎縮?させ理論で蹴散らす。あまりにも怖すぎます。中田さんが上司じゃなくて本当によかったです。そんな中田が家に帰るとなんとリビングに異世界エルフが。ここから物語は動き出します。忍の友人である義光はエルフの常在菌を心配して彼女をオホーツク海の底に沈めようとする忍をなんとか止め、彼女を保護する流れを作ります。とさらっと書くんですけど、常在菌の件で30p近く使う狂気ですよ…かつてライトノベルでこれほど常在菌という単語を見たことがあったでしょうか。いやない(断言)そして忍の部下である一ノ瀬由奈も加わりエルフとのコミュニケーションが始まります。これももうほとんど、言葉にしてしまえばエルフが何を食べるかとか排泄するのかとかそういうのを調べるだけなんですけど圧倒的に面白い。天才的なキャラ同士のやりとりが、地の文の言葉の暴力が、鉄アレイの塊になってガンガン脳をぶったたきます。こんなのズルいじゃん。絶対に面白いに決まってるじゃん。なんでいい歳した大人が3人も集まってこんなに大真面目にふざけたこと、ふざげて大真面目なことしてるんですか。なんですか除湿器の水って、なんですかかりんとうって!本当になんなんですか!ストーリーもキャラも文章もこれだけ理路整然としているのにこれだけ意味のわからないの絶対におかしいですよ。もうとにかくやばい。とんでもない化け物みたいな作品読みました。お前が2021年下半期ナンバーワンだ。

キャラ A
中田はとにかく冷酷で合理的で人の心が全くなかたですね…本当にロボットみたいなやつでした。異世界エルフことアリエルはこの作品唯一の癒しでしたね…君が空気清浄機だよ…義光は最初はまともで「この作品唯一の常識人…!」お喜んでいたんですけど、かりんとうで壊れました。疲れますよね…そりゃ…由奈さんはまともに見えて上司からのノーブラ命令にしたがったり、当然のごとく忍が女性関係のトラブルを起こしているのを見破ったりでなかなかの変態でしたね…

最後に
ヤバい。化け物みたいな作品です。えっ、これ続きとか出るんですか?2巻読めるんですか?読ませてください(土下座)

どんな人にオススメか?
とにかく読め。面白いから。いい歳した大人3人がこんなに真面目に、こんだけ馬鹿げた会話で、物語を成立させてしまう化け物みたいな作品です。暴力的でとにかくパワーオブパワーな文章にただぶん殴られてください。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



公務員、中田忍の悪徳



著者



立川浦々



レーベル



ガガガ文庫



ISBN



978-4-09-453029-2