どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは夢見里龍さんの

死者殺しのメメント・モリア

です!
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かつては術師の血を引く王家の娘だったが数奇な運命の果てに死神と契約を交わし、永遠の命を得たモリア=メメント。彼女は刻を渡る力を持つ死神・シヤン=ラウエレウムと共にあるものを探すために死者を弔いながら様々な時代や場所を旅をする。果たしてモリアたちは旅先で出会う死ねない死者に死を届けることができるのか…

第26回電撃小説大賞最終候補作。発売当時は気になっていたもののタイミングもあり手に取れていなかたのですが、数ヶ月前にTwitterで本作の感想を見かけて気になって購入。死が強く香る儚くい物語を悲しくも美しい文章で楽しませてくれる作品でした。面白かったです。

本作は全4話で構成されています。時代も場所も様々な場所に現れる青い喪服を着た美しい少女モリアとその従者である時を司る死神シヤン。2人は街中で起こる不可思議な事件を解決することになります。どこか神秘的な雰囲気を醸し出すモリアと軽薄なシヤンのやりとりは見ていて楽しいです。

各話は基本的に死者にまつわる事件が起きモリアたちがそれを解決するという形式で進んでいきます。凄惨な事件が描かれますが、文章が丁寧で綺麗なのでそれほど嫌悪感はなくむしろ事件の背景にある死者の悲しい真実に目が奪われます。人を襲い、狂わせる死者たちの事情。それをモリアが優しく紐解き、平等に死を運ぶ。その過程に心を奪われます。

また各時代の雰囲気が文章からすごくよく伝わってきます。2000年代のニューヨークや1700年代のフランス。その時代の都市の風景やそこで生きる人々。本当にその時代の光景を見ているかのような文章はとても魅力的です。

個人的にお気に入りなのは第2話にあたる「ヴェルサイユ宮殿の魔女は歌う」。こういうお話に弱いんですよね…腐敗したフランスで成り上がった女性の過酷な運命と呪いの歌。時代や環境に翻弄され、さらには人にも翻弄されてなお強くあろうとする彼女の姿はとても印象的です。

どのお話も美しい文章で読ませてくれる素晴らしい作品でした。決して明るいお話ではないのですが、死を題材にしながらも暗くなりすぎないという不思議な魅力を兼ね備えた作品です。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

死者殺しのメメント・モリア



著者

夢見里龍



レーベル

メディアワークス文庫

ISBN

978-4-04-914058-3

表紙の画像は「版元ドットコム」様より