どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは東崎惟子さんの

竜殺しのブリュンヒルド

です!
img_9784049142167_1

ストーリー A
内容は、幼い頃に竜に拾われエデンと呼ばれる楽園で16歳まで過ごしたブリュンヒルド。しかし最愛の竜は実の父親である竜殺しのシキベルトによって殺された。愛する竜を殺されたことを憎んだブリュンヒルドは他人を憎んではならないという教えを破り復讐を試みるが…とこんな感じです。

〜竜殺しの娘は人を憎む〜

第28回電撃小説大賞銀賞受賞作。表紙がはちゃめちゃに素敵で発売前から読むのすごく楽しみにしてました。

そしてやられました。

読み終わってからしばらく呆然としました。とてつもない作品でした。御伽噺のような、それこそ作中で語られる狼に育てられた人間の話かと思ってました。全然違いました。ふざけんなという感情と圧倒という感情がぐちゃぐちゃになってます。なんなんだこの作品。めっちゃ面白い。これは間違いないです。でもこんなに気持ちをかき乱してくる作品は久しぶりです。
まず序盤。竜に拾われるブリュンヒルドが描かれます。竜の血を浴びても死なない人間の幼児。そんな彼女を竜は育てることに決めます。読み終わってから思うとこの序盤が1番この作品で幸せだったのかもしれませんね…竜の愛を受け美しい少女へと成長していくブリュンヒルド。エデンと呼ばれる楽園で生きるものは皆家族で愛に溢れている。しかし平穏な日々はエデンにある資源を狙う人間によって破壊されようとしています。かつては人間に対抗できた竜も進歩する科学力を前に劣勢になり…なんというか終わりに近づいていく楽園の姿は悲しさが溢れてますね…そんな終わりを予見してブリュンヒルドに外の世界を見せる竜の優しさが、作品を読み終わってから痛いほど伝わってきます。そして愛し愛された竜が殺されたことでブリュンヒルドの復讐の物語が始まります。竜を殺したのは実の父親でしかも竜殺し。竜が混じったブリュンヒルドが望む絶対に敵わない相手への復讐譚は読んでいる最中は何も思わなかったのに、後になって振り返ると全部計算されていたんですよね…そしてラスト。心のどこかで絶対に大丈夫だと思っていた感情が…もうただ圧倒されました。あぁそっかって。すごい作品でした。もうそれ以外の言葉はないです。

キャラ A
ブリュンヒルドはすごく魅力的なんですけど好きになれない女の子ですね。この作品においては絶対的正義であり絶対的な悪である。すごい女の子でした。取り上げたいキャラはたくさんいるのですが、個人的にはやっぱりザックス。彼だけはやっぱりどうにかしてとてつもなく幸せになってほしいです。

最後に
とんでもない作品でした。すごい。ただそれだけです。流石に1巻完結だと思いますが東崎さんの作品はまた読みたいです。新作待ってます。

どんな人にオススメか?
ファンタジーが読みたい方は!とんでもない作品です。読み終わってからしばらく呆然とさせるくらいのパワーがあります。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

竜殺しのブリュンヒルド



著者

東崎惟子



レーベル

電撃文庫


ISBN

978-4-04-914216-7

表紙の画像は「版元ドットコム」様より