どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは新馬場新さんの

サマータイム・アイスバーグ

です!
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ストーリー B
内容は、三浦半島沖に突如として現れた巨大な氷山。それと同時期に高校生の進は海岸で身元不明の少女・日暈と出会う。成り行きから彼女を保護することになった進は楽しい夏休みを過ごしたいという日暈の願いを叶えるべく友人の羽、一輝と共に一度しかない高校2年生の夏休みを過ごす。しかし日暈が突如現れた氷山と関係があることがわかり、進たちは今と未来をつなぐ事件に巻き込まれていく…とこんな感じです!

〜突如現れた氷山は〜

第16回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。個人的には微妙でした。以下面白いとは言わないので見たくない方はブラウザバックで。
気になった点は以下

・いくらなんでも400p超えは分厚すぎる
・視点が多い割にラストで収束しない
・SFと青春要素の中途半端さ

まず厚さについて…400p超えは素直に多いです。別にページ数が多いこと自体は必然性があればいいんですけど後述するようにそうではない気がします。新人賞受賞作なので応募時点で300pくらいになる規定のページ数に収まっていたと思うんですけどね…読むのに体力いる割にそれに見合った面白さが得られず徒労感が半端じゃないです
次にページ数の多さと関係するのですが視点が多すぎます。進の視点、羽の視点、一輝の視点、進の叔父の視点、進の教師の視点、一輝の母親の視点…これだけ視点があると物語は一本道でもめちゃくちゃイベント増えますし、そのイベントが日暈をめぐる物語に直接関係なかったり結局曖昧なまま回収されなかったり、終盤で収束せずに「この視点この物語でいるんだっけ?」となってしまい微妙でした。特に一輝のLGBTQ的なお話がこの物語を描く上で必要だったのか僕にはわかりませんでした。これ出したいならキャラづけみたいにするのではなくてもっと描き方があると思います。少なくともセンシティブな設定だと思います。男の娘キャラ出してるわけじゃないんですよ?たくさんの視点で物語を進めているのでテンポも悪いですし読みづらいです。さらに文章が読みやすいわけでもないのでそれに拍車をかけています。
最後にSFをやりたいのか青春をやりたいのかわかりませんでした。SFやりたいなら起こるイベントの数々に必然性が足りないですし、イベントそのものも物足りないです。青春やりたいなら天音の話はもっと深く掘り下げるべきだと思います。結局どっちつかずで描きたいラストのために道中を曖昧に積み重ねているようにしか思えません。
と色々書きましたが個人的には合わなかったです。

キャラ B
微妙でした、特に一輝。前述しましたがLGBTQ的な要素を出す必然性が見当たりません。別にデリケートだとかバイアスかけるわけじゃないですけど、センシティブな設定なんですからこんな風に扱うのは腑に落ちません。

最後に
個人的に微妙でした。厚いだけ。読後の徒労感が半端じゃないです。

どんな人にオススメか?
個人的にはオススメできないです。試し読みした上で気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

サマータイム・アイスバーグ



著者

新馬場新


レーベル

ガガガ文庫


ISBN

978-4-09-453080-3

表紙の画像は「版元ドットコム」様より