もうタイトルまんま。最高すぎる。
月曜日に杉井光さんの最新作である「世界でいちばん透きとおった物語」を読んだらめちゃくちゃやられてしまった。本当に最高の読書体験だった。小説を読むことの楽しさの半分くらいはあの作品にあるし、あの作品に出会えたことの素晴らしさと、僕がもう10年もファンな杉井光さんがあの作品を書いている嬉しさは言葉にできない。最高だ。

ということで2019年に書いた雑談の続きを書いていく。続きということで2019年12月以降に発売された杉井光さんの作品について語る。3年半も前のブログを読み返すのは恥ずかしさしかなかったが、杉井光さんは今でも定期的に素晴らしい作品を出してくれる。杉井光作品の時間をどこかで止めている方はぜひともこの記事を読んで杉井光作品を読むことを再開して欲しい。

2019年の記事↓



「生徒会探偵キリカS1」講談社ラノベ文庫
生徒会探偵キリカシリーズが再開⁉となって狂喜乱舞したのが2019年の11月。そして12月に意気揚々と久しぶりのキリカを読んで「最高~!」と叫んでからしばらく時が止まってしまった。キリカ、また再始動ないですか…?マジでテン年代最後の正統派生徒会ものだと思うんですよ。個性の馬鹿強い女たち(いつもの杉井光ヒロイン)といつもの杉井光主人公がマンモス校で巻き起こる謎を解く。最高のシリーズじゃないですか。マジで再開しましょうよ。甲羅創刊当時を知る貴重な作品ですよ。キリカの続きは死ぬほど待ってます。頼む講談社。頼んだよ。
あっ、ちなみに続刊だから無印のキリカシリーズ6巻まで読んでから読んでね。




「天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方 生徒会探偵キリカ 番外」講談社ラノベ文庫
キリカの番外編。といってもうさんくさい新書をエンタメ感覚で読んでくれって感じの作品。タイトルの通り生徒会探偵キリカシリーズの生徒会長である天王寺狐徹が憲法や民主主義について語るイカれた作品である。僕は番外編でここまで攻めた作品を知らないし、この作品のせいでキリカシリーズの続刊が出ていないんじゃないかとすら思っている。それくらいぶっ飛んでいる。僕は好き。キリカシリーズ読んでるなら必読。読んでない方は少なくとも1巻は読んでからどうぞ





「楽園ノイズ」電撃文庫
杉井光さんの音楽ものが電撃文庫で!と狂喜乱舞したのは僕だけではないはず。杉井光さんと言えばホワイダニットなミステリと音楽ものが代名詞(だと僕は思っている)ですけど、やっぱり音楽ものは特別だ。文章で音が聴こえる文章が書ける作家さんは杉井光さん以外いない。いやいるかもしれないけど、ここまで音色は響かない。そんな待望の音楽ものは女装男子⁉の主人公(もちろんいつもの杉井光主人公)が音楽やっていてなにかしら面倒な事情を抱えているヒロイン(もちろんいつもの杉井光ヒロイン)が出てくる。もうそれだけで面白いのに、やっぱり音楽描写は格別だ。この作品でしか味わえない。知らない音が聴こえる。比喩でもなんでもないのだから本当にすごい。
そしてさらにすごいのは過去作とのリンクがあるところだ。杉井光さんの作品は過去作とリンクがあることもあるのだが、そのリンク先が僕が大好きな「神曲プロデューサー」と繋がっているのだから最高だ。3巻で窪井拓斗が出てきたときは震えた。8年越しに彼らに出会えるなんて思ってもないじゃないですか。最高すぎる。
昨日最新6巻が発売された。僕はまだ読めてない。すぐに読む。そして「さよならピアノソナタ」が好きなら黙って読め。女装男子が主人公は嫌い?うるせぇ!いつもの杉井光主人公だ!読め!ブックウォーカーなら5/12まで1~3巻が半額セール中!




「この恋が壊れるまで夏が終わらない」新潮文庫nex
杉井光さんの一般文芸よりの作品。まぁnexなのでどちらかというとキャラ文芸だけど気にしない。いつもの杉井光主人公がちょっとビターテイストなひと夏のタイムリープに巻き込まれるミステリ。杉井光作品でタイムリープというと「放課後…アポカリプス…3巻…どこ?」となるファンも多いと思う。僕もなった。定期的に放課後アポカリプスの3巻を求めてしまう症状を患っている方は仲間です。ミステリなので多くは語りませんが苦い酸っぱい青春とタイムリープの組み合わせがいい。黙って読め。1巻完結だし青春ミステリ×タイムリープものとしてすごく面白いので杉井光作品初挑戦の方にもオススメ。




「世界でいちばん透きとおった物語」新潮文庫nex
新潮文庫nexから1年ぶりに発売された杉井光作品。というかこの作品を作るのに1年で足りたのかというのが正直な感想。再三言ってるし、この作品だけは僕の言葉とか気にせず黙って読んで欲しい。僕も黙って感想置いておく。紙書籍しかないのだけ注意。




以上です。聡明なる杉井光ファンの皆さん。「世界でいちばん透きとおった物語」の衝撃を分かち合いましょう。