どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは中西鼎さんの

「さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、山に囲まれた田舎町阿加田町。そこで暮らす中川栞は不眠症と学校でのイジメに悩みながら生活していた。そんなある日、冥という不思議な少女と同居することに。彼女は三年前に姉の明里をイジメの末に自殺に追い込んだ人々に復讐するために阿加田町に帰ってきたという。栞と冥はオカカシサマという神様の力を借りて超常の力で明里を死に追いやった人々を殺すことになるが…とこんな感じです!

〜残酷なラブロマンス〜

中西鼎さんの新作!実は初挑戦の作家さん。色々著作を積んでしまているのでそろそろ読みたいですね…
まず言わせてください…この作品すごいです。一言で言ってしまえば怪作です。姉を殺された少女の復讐に付き合う主人公。復讐には田舎に伝わる儀式を用いて神様という超常の存在を用いる。とてつもなく凄惨でグロテスクで、でもどうしようもなくラブロマンス。そんな不思議な作品でした。めちゃくちゃ面白かったです!
まず冥が栞の家にやってくるところから物語は始まります。四方を山に囲まれ閉塞感漂う田舎町の阿加田町。そんな町に似合わない儚げな少女の冥。彼女が姉を自殺に追い込んだ人々に復讐しようとしていることを知った栞は彼女に協力していくことになります。序盤はどこか不思議というかなんか嫌な感じが漂う雰囲気がありましたね…ホラー映像を見たくないけど見てしまう。そんな引力のある始まりでした。そして始まる冥の復讐譚。この地に伝わるヘビの神様であるオカカシサマの呼び出す儀式・オカカシツツミを行い神様の力を借りて冥の姉である明里を死に追いやった人々を超常の力を使ってただ殺していきます。ここからは非常にグロテスクでしたね…とにかく人の命や人権が軽いです。冥が超常の力を使って人を殺すのも、まるでおもちゃを壊すような感覚でただ淡々と行われます。それはそれで怖いのですが、何より怖いのが人を簡単に壊してしまう明里を死に追いやった田茂井翔真という人物。ここまで人を壊すことに特化した人物もいないですよ…途中で挟まれる明里が自殺に至ったまでの回想が怖いのなんの…恐ろしいという感情はこう言う時のためにあるんですね…そして復讐の先にある栞と冥の物語。今までの物語はなんだったのだろうと少し考えてしまうような不思議な気持ちになるお話でしたね。残酷だったグロテスクだった物語の先にある2人の物語がまた格別でした。ラストまで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
栞は不眠症を患う男の子。冥と一緒に淡々と復讐していく様子が不思議と魅力的です。冥は儚げな印象を持つ女の子。でもやることは凄惨で姉を自殺に追い込んだ人々を超常の力を持って殺していきます。血に濡れた冥も、年相応の笑顔や女の子らしいところを見せる冥も魅力的でしたね。

最後に
怪作。その一言が相応しい作品でした。一つの作品で相反する二つの感情を味わえるのも珍しいと思います。1巻完結ですかね?中西さんの他の作品も読んでいきたいと思いました。

どんな人にオススメか?
青春ものが好きな方は!かなり残酷かつグロテスクでさらにはイジメ描写もあるのでその辺り苦手な方は注意です。とはいえ、これほどの作品を手に取れる機会はそう多くないと思います。気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々



著者

中西鼎



レーベル

ガガガ文庫


ISBN

978-4-09-453144-2