どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回感想を書いていくのは岩倉文也さんの

大学生にして詩人としてデビューしたミズキ。彼はSNSの繋がりで無職かクリエイターばかりが暮らすシェアハウス通称<ファクトリー>に入り浸っていた。そんなある日、年上のイラストレーターの風花と出会う。ミズキの詩に惹かれたという風花のエキセントリックな部分にミズキは徐々に惹かれていく。そして2人は一緒に本を作ることになる。風花の危うい才能に惹かれたミズキだが、未曾有のパンデミックが世界を襲う中で2人の距離感は不安定さを増していく…
詩人・岩倉文也さんの小説第三弾。前作「透明だった最後の日々へ」が面白かったので今作も楽しみにしていました。純粋に忙しかったり、この作品は読むと絶対に<くらう>ので精神的に落ち着いてからにしようとちょっと発売から時間が経ってしまいました。満を持して本日読了しましたが、案の定やられてしまいました…少しでも創作というものに触れたことがある人なら確実に刺さる究極の青春×恋愛×クリエイターものでした。面白かったです!
物語は詩人としてデビューしたばかりのミズキがクリエイター…というか無職が集うシェアハウス<ファクトリー>に出入りするシーンから始まります。最初は変人たちが集まっているなーくらいの解像度なのですが、徐々に彼らが輪郭を帯びていく過程や風花というイラストレーターが特別な存在であることが読やすくかつ印象的な文章で描かれていきます。前作でも思いましたが、この文章は岩倉さんだからこその文章ですよね。
そんなシェアハウスに暮らす人々やSNSでの薄い繋がりで生きるミズキに風花が「一緒に本を作らないか?」と持ちかけたことでお話は動き始めます。すでにイラストレーターとしての人気を確立している風花とデビューしたばかりのミズキ。そんな2人は数ヶ月の間、お互いの魂を削るように天使というテーマを書き続けます。
そして2人が作った本は発売されるのですが、ミズキが風花に向ける感情は次第に変化していきます。パンデミックの中、人と人との繋がりが希薄になっていく世界。クリエイターという名の無職が集まったシェアハウスは解体され、みなそれぞれの道を歩んでいく。大学生活に終われながらも創作を続け、創作を需要するミズキに対して、絵が描けないという状態がどんどん酷くなっていく風花。
そうした2人が迎える結末は、この物語らしく、そして鮮烈に印象に読者に印象を残すものでした。ラストシーンはどれだけ拙くても創作というものに少しでも手を触れたことがある人ならこの先一生忘れないようなものでした。こんな読書体験は久しぶりです。
少しずつ変わっていくものが、刹那的にかつ一瞬を捉えて離さないように描かれ、読み手を魅了していく。何気ないように見える文章の一文一文に岩倉さんの力を感じる作品でした。もうとにかく読んでください。そしてくらってください。この作品のパワーを。超オススメです!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
さて、今回感想を書いていくのは岩倉文也さんの
「魂に指ひとつふれるな」
です!
☆感想☆
大学生にして詩人としてデビューしたミズキ。彼はSNSの繋がりで無職かクリエイターばかりが暮らすシェアハウス通称<ファクトリー>に入り浸っていた。そんなある日、年上のイラストレーターの風花と出会う。ミズキの詩に惹かれたという風花のエキセントリックな部分にミズキは徐々に惹かれていく。そして2人は一緒に本を作ることになる。風花の危うい才能に惹かれたミズキだが、未曾有のパンデミックが世界を襲う中で2人の距離感は不安定さを増していく…詩人・岩倉文也さんの小説第三弾。前作「透明だった最後の日々へ」が面白かったので今作も楽しみにしていました。純粋に忙しかったり、この作品は読むと絶対に<くらう>ので精神的に落ち着いてからにしようとちょっと発売から時間が経ってしまいました。満を持して本日読了しましたが、案の定やられてしまいました…少しでも創作というものに触れたことがある人なら確実に刺さる究極の青春×恋愛×クリエイターものでした。面白かったです!
物語は詩人としてデビューしたばかりのミズキがクリエイター…というか無職が集うシェアハウス<ファクトリー>に出入りするシーンから始まります。最初は変人たちが集まっているなーくらいの解像度なのですが、徐々に彼らが輪郭を帯びていく過程や風花というイラストレーターが特別な存在であることが読やすくかつ印象的な文章で描かれていきます。前作でも思いましたが、この文章は岩倉さんだからこその文章ですよね。
そんなシェアハウスに暮らす人々やSNSでの薄い繋がりで生きるミズキに風花が「一緒に本を作らないか?」と持ちかけたことでお話は動き始めます。すでにイラストレーターとしての人気を確立している風花とデビューしたばかりのミズキ。そんな2人は数ヶ月の間、お互いの魂を削るように天使というテーマを書き続けます。
そして2人が作った本は発売されるのですが、ミズキが風花に向ける感情は次第に変化していきます。パンデミックの中、人と人との繋がりが希薄になっていく世界。クリエイターという名の無職が集まったシェアハウスは解体され、みなそれぞれの道を歩んでいく。大学生活に終われながらも創作を続け、創作を需要するミズキに対して、絵が描けないという状態がどんどん酷くなっていく風花。
そうした2人が迎える結末は、この物語らしく、そして鮮烈に印象に読者に印象を残すものでした。ラストシーンはどれだけ拙くても創作というものに少しでも手を触れたことがある人ならこの先一生忘れないようなものでした。こんな読書体験は久しぶりです。
少しずつ変わっていくものが、刹那的にかつ一瞬を捉えて離さないように描かれ、読み手を魅了していく。何気ないように見える文章の一文一文に岩倉さんの力を感じる作品でした。もうとにかく読んでください。そしてくらってください。この作品のパワーを。超オススメです!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)