どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは人間六度さんの

「烙印の名はヒト」

です!
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☆感想☆

介護施設で働くケアロボットのヒト型アンドロイドのラブ。彼女は施設入居者であるカーラ・ローデリック博士に依頼され彼女を絞殺してしまう。人を殺すことができないはずのロボットが人を殺す。その汚名を返上するためにラブは追手から逃げることに。ロボットを人間と同様に扱うことを求める人々やロボット排斥論者との戦いの果てにラブは何を思うのか…

人間六度さんの新作!いまだにデビュー作の「スター・シェイカー」積んでます!すみません!今作はハイスピードが逃走劇&バトルとロボット三原則的な側面からのロボットへのアプローチが魅力のSFでした。面白かったです!

物語は介護施設でケアロボットとして働くラブが人を殺してしまうところから始まります。介護施設でケアロボットとして働くラブ。そんな彼女はロボットは人を殺せないという制約を破って入居者のカーラを殺してしまいます。SFは入りが硬い作品が多いですが、流石の人間六度さん。すっと物語に入っていける序盤は見事の一言です。ケアロボットの設定もよかったですね!

人を殺してしまったことで無期懲役の判決を下されるラブ。しかし人権を持たないウエイツというロボットであること、人を殺すようにデザインされていないはずのロボットが人間を殺してしまったこと。そのことに疑問をもち汚名を返上するためにラブは逃亡します。

ここからはスピード感あふれる逃亡劇とバトルが続いていきます!自分がなぜ人を殺したのか。様々な人と出会い己に問うラブ。介護施設にいる頃からラブのことを特別に想っていた同じくロボットのマーシー。傭兵のアイザック・コナー、人間とロボットの絡みが大好きなスラッシャー…個性的で魅力的なキャラが繰り広げる会話劇も魅力的でした。

ロボットであるラブが自覚する自我<メタ>やロボットたちが持つ心象風景、何をすればロボットは人間になり、何を保てば人間に近づくのか。ページが進むごとに明らかになっていく過程もよかったですね。ロボットに対する作者の解釈を存分に楽しめるのがSFの魅力だと改めて気付かされました。

終盤に差し掛かったあたりの超ド級なバトルシーンとラストはとても印象的でした。500pとかなり分厚いですがその厚みを感じさせないテンポが良いSF作品でした!値段もそれなりですが、それに見合う面白さです!気になった方は!


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

烙印の名はヒト



著者

人間六度



レーベル

早川書房


ISBN

978-4-15-210413-7

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