どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは六つ花えいこさんの

「聖女の、遺産」

です!
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☆感想☆

幼いころに両親に先立たれ、祖父母の家で育てられた女子大生の片峰奈枝。しかし奈枝が16歳の頃に祖父が、20歳の頃に祖母が亡くなってしまう。生きる力を失いかけていた奈枝は祖母の形見のタンスから異世界に足を踏み入れてしまう。そこで出会ったのはセイことセイクリッドという名の少年。彼は私生児ということもあり兄から虐げられていたが、奈枝と出会ったことで生きる意味を見つけていく。そんなセイのことを放っておけない奈枝は度々異世界に訪れてはセイのお世話を焼いていくが、現実世界と異世界は時間の流れが異なりセイはどんどん大人になっていく。生きる場所も時間も違う二人の恋路は…

六つ花えいこさんの新作。個人的に六つ花えいこさんの作品を読むのは「かくして魔法使いノイ・ガレネーは100年後、花嫁となった」以来ですね。今作は現実世界と異世界を行き来できる女子大生が異世界のセイに恋する恋愛小説として楽しく読ませていただきました。面白かったです。

物語は奈枝が異世界に足を踏み入れるところから始まります。両親を幼いころに亡くし、奈枝のことを本当の娘のように愛してくれた祖母まで失い天涯孤独の身になった奈枝。もういっそ…と思っていた時に祖母の形見のタンスから異世界へ。そこでセイと出会い二人はなんともない交流をします。この出会いがセイにとっては救いで、奈枝にとっては生涯忘れられない出会いになるのがすごく素敵でしたね。

私生児ということもあり兄からイジめられてボロボロだったセイのお世話を焼くことにした奈枝は現実世界と異世界を行き来することに。しかし現実世界と異世界は時の流れが異なり、奈枝が異世界に行くたびにセイは大人になっていきます。無料だった少年は剣を身に着け、部下を増やして着実に大人になっていきます。そんなセイのことを弟扱いしたい奈枝でしたが、セイは幼いころの救いと憧れから奈枝のことを自分を助けてくれた聖女とは思えなくなっていく。最初はセイの方が幼かったのに徐々に奈枝の方が幼くなっていく関係性が非常に良きです。

しかしそんな二人の関係は些細なすれ違いで変わってしまいます。普通の人ならちょっとした喧嘩という出来事。しかし現実世界と異世界という世界を隔てて、さらには時間の流れも違う二人にとっては決定的な変化で…時間の違いが二人を容赦なく残酷にすれ違いさせます。

ですがセイへの想いを止められない奈枝の願いは叶って奈枝よりも大人になったセイと再会して…ここからがまた面倒だったのですが、長い時間と世界の壁を乗り越えて想いが通じ合った二人には感動しましたね…あまりにも一途で素敵な恋愛小説でした。恋愛ものを読みたい方はぜひ。


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

聖女の、遺産



著者

六つ花えいこ



レーベル

新潮文庫nex


ISBN

978-4-10-180326-5