2014年08月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は漢検を受けに行ったんですけど、受かったかどうか…(。-(ェ)-。 )
まあ、気にせず本の紹介行きましょう!

今回はライトノベルを紹介したいと思います! ライトノベルは循環が早く、また新刊は結構様々なサイトで紹介されているので、僕のブログでは主にゼロ年代のライトノベルを紹介していこうと思います! まあ初っ端からゼロ年代ではないのですが(苦笑)
と、とにかく今回はこちら松山剛さんの「雨の日のアイリス」です!
松山剛さんは2006年に新風舎文庫大賞のほうで準大賞を獲得しデビュー、その後一迅社やガンガンノベルズでの活躍を得て、今作「雨の日のアイリス」で第17回電撃大賞4次選考までいき改稿後、再デビューという形で今作を発表されました。現在は電撃文庫の方で「白銀のソードブレイカー」シリーズを執筆中です。

あらすじは普通のライトノベルとは違いかなり異質です。
有名なロボット研究者アンブレラ博士の元に仕える家政婦ロボットのアイリス・レイン・アンブレラ。彼女はアンブレラ博士から、家族同様に愛され、信頼され、良好な関係を築いてきました。
そんなある日、突然アンブレラ博士が不慮の事故で亡くなり、アイリスはお役御免となりスクラップになってしまいす。
本来なら、もう二度と蘇らないはずのアイリスでしたが、適当なパーツを組み合わされ、ボロボロなロボットとして生まれ変わり、廃品回収場で強制労働させられることになります。そこでアイリスはリリスとボルコフの2人に出会い、自らの運命を変えるために動き出します。

まず、最初に注目したい点は主人公がロボットであることです。しかも、女性です。この時点で、普段ライトノベルを読み慣れている人は、他とは違う物語だということに気がつくと思います。
ヒロインがロボット、もしくは人外というものは珍しくないのかもしれません。しかし、主人公がロボットかつ女性というのは、ライトノベルではなかなか見られない奇抜な設定なのです。要するにある程度受け入れやすいように、あえて男主人公ではなくして、万人向けに作られている物語です。ライトノベルを読んだことがない人にも、ぜひ読んでもらいたいです。

中心となる登場人物はアイリス、リリス、ボルコフの三人です。アイリスの主人アンブレラ博士は割と序盤で退場してしまいす(泣)

三人は廃品回収場で働きながら、夜な夜な読書会を開き、それを小さな楽しみにします。この何気ない描写にもロボットの葛藤が見え隠れしています。この日常が続けばいいと思う三人ですが、現実は残酷です。廃品回収場で働くロボットが、少しずつスクラップにされてしまいます。いつスクラップの魔の手が伸びるかわからない三人は、廃品回収場を脱出することを決意します。

ここから物語は急加速していきますが、ネタバレになるので割愛。しかし、ロボットが人間のように満足とは言えない身体で、精一杯頑張る姿には胸が打たれます。
このお話なテーマは「破壊と再生」です。特にラストシーンにはそれが如実に現れて、胸が締め付けられます。

ロボットの少し切ない物語、興味がある人はぜひ一度読んでみてください。あと、タイトルにある「雨の日」の意味も最後まで読むと本当の意味がわかるので、そちらにも中心して見てください。
それではまた(≧(エ)≦。) 

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は少し時間があるので、もう一冊本を紹介したいと思います!
今回紹介するのは誉田哲也さんの「疾風ガール」です!

誉田哲也さんは代表作「ストロベリーナイト」が過去にドラマ化され、その後映画化。「ジウ」、「武士道シックスティーン」もドラマ化、映画化されており、警察小説を中心として活躍されている作家さんです。

誉田哲也さんは女性の描き方に定評があり上記三作品、そして今作も女性が中心に描かれています。

ざっくりとしたあらすじです。
柏木夏美19歳は、ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。メジャーデビューも間近という矢先に、ボーカルの城戸薫が謎の自殺をとげてしまう。
夏美は薫の死の謎を解くべく行動を開始する。と、こんな感じのお話です。

死の謎を解くと書きましたが、いわゆるミステリとして読むとちょっと拍子抜けするかもしれません。どちらというと、これは先に書いたあらすじの通り薫の死を追う夏美の物語です。
僕は音楽小説+ミステリだと思って読み始めましたが、最後の方で予想とは違い、いい意味で別の物語となりました。なんとなく過去に読んだ初野晴さんの「水の時計」を思い出しました。案外ミステリだと思ったら違うというのは多いのかもしれません(苦笑)

さてこの作品は夏美が薫の死を追うお話なんですが、夏美の視点の他にも宮原裕司という男性の視点でも物語が描かれます。この宮原は芸能事務所社員なんですけど、おそらくこの宮原が作者の誉田さん自身を投影しているのではないかと思います。誉田さんも過去にロックバンドをやっていたそうで、ある歌手の才能を見せつけられプロを目指すのを諦めてしまっています。宮原も大体同じような過去を持っており、このお話はかなり誉田さんの経験が生かされていると思います。

さて作品のほうですが冒頭の100pは音楽小説よろしく「ペルソナ・パラノイア」のライブシーンや、メンバーの日常的なことが描かれています。この辺りはほんの少し音楽知識がないとよくわからないかもしれません。僕もギターを少しかじっているのですが、わからない部分がありましたw まあそれは自分の無知故ですけど、音楽知識が全くない人は調べながら読むのもいいかもしれません。でも、音楽知識があろうがなかろうが文章が頭の中で音楽として流れていく。そんな感覚に浸れると思います。それくらい魅力があります!

そして物語は薫の死を境に急展開を迎えます。なんと、薫の名が偽名だと発覚!しかも、誰も彼の素性を知らない? 夏美はショックを受けながらも立ち上がり、彼がどのような人間だったか、宮原とともに追っていきます!
薫の死を超えてさらに上を目指す夏美は、破天荒で型破りで天才肌で若干共感しにくいかもしれませんが、19歳が生み出すパワーは凄まじいものがあります! 僕はまだ19歳になっていないので、わかったつもりになっただけかもしれませんが(ーー;)

薫の死はある種読者に委ねられる形となりますが、生きることに真っ直ぐな夏美はまだまだ上を目指します。
少し昔の小説ですが、今読んでも全く色褪せていません。ぜひご一読を!
そしてこの小説には「ガール・ミーツ・ガール」という続編もあります!これを読んで気に入ったらそちらもどうぞ!

それではまた…ってよく思い出したら明日漢検だ(汗)頑張らないと(。-(ェ)-。 )



どうもこんにちは夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日も暑いですね(苦笑)
さて、今日は昨日紹介した純文学からガラッと変えて漫画、それもラブコメを紹介したいと思います!
今回紹介するのは、原作 竹岡葉月さん、漫画Tivさんの「政宗くんのリベンジ」です!

原作者の竹岡葉月さんはファミ通文庫や富士見ファンタジア文庫で活躍されている小説家、作画のTivさんは韓国出身の漫画家で、現在「政宗くんのリベンジ」と電撃大王で「こもりクインテット」という音楽漫画を連載しています。
この漫画は女性2人が作っているということもあり、女の子の表情や服装はとても手がこんでいます。男性作家より、女性作家のほうがこういう点ではやはり優れています。

この漫画を連載している月刊comicREXは本屋にもなかなか置いていなかったりするので知らない人も多いのではないかと思います。

あらすじはいたってシンプル。
昔好きだった女の子、安達垣愛姫にフラれた真壁政宗は彼女に復讐するために、過去の醜い自分を捨て、イケメンとなり安達垣を惚れさせ、今度は自分をフった安達垣を最高の形でフるというお話です。

あらすじはシンプルですけど自分のことをフった相手を惚れさせるって現実じゃあり得ないですよねw しかもそのために政宗くんは血の滲むような努力をしています。

基本的には上記三人が中心となり物語は進行します。
政宗くんは意気揚々と安達垣愛姫を惚れさせるべく奔走しますが、彼の計画はそんなに簡単には進みません。なんと彼の過去を知る人物が現れます! 果たしてその人物は敵か味方か?そして政宗くんのリベンジは成功するのか?

現在コミックスは3巻まで出ているので、気になった人はまとめて買ってしまいましょう。きっと楽しめるはずです。
それではこのへんで、失礼いたします(≧(エ)≦。) 

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
紹介する本の第一弾は舞城王太郎さんの「熊の場所」です。

舞城王太郎さんは「土か煙か食い物か」で第17回メフィスト賞を受賞し、その後は「阿修羅ガール」で三島由紀夫賞を獲得した、ミステリから純文学への越境作家です。

この作品は群像に掲載された「熊の場所」「バット男」に書き下ろしの「ピコーン!」を加えた三つの短編からなる短編集です。内「ピコーン!」は日本推理作家協会賞候補、表題作「熊の場所」 は三島由紀夫賞候補となり、舞城王太郎さんはこの「熊の場所」から純文学方面へ活動をシフトしたようです。

僕は舞城作品は初めて読んだんですけど、それまでのイメージを一新させるような素晴らしい作品でした。
舞城王太郎さんと言うと覆面作家で、男か女かもわからない。芥川賞候補になった「好き好き大好き超愛してる」は石原元都知事に散々に批判されるなど、僕の中では癖の強い作家なんだろうなー、という非常にもやっとした作家さんだったんですけど、この作品はそんな靄を振り払ってくれました。とにかくすごく面白い作品です。

まず表題作の「熊の場所」ですが、これは田舎の少年の話というある種、純文学の王道とも言える作品です。
熊と戦った経緯を持つ父を持つ主人公の少年は「恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない」と言う父の教訓を胸に生きている。それ以外は特に際立った所のない普通の少年ですが、ある日学校で同じクラスの少年まー君が猫の死体を持ってきているのを偶然見つけてしまう。主人公の少年は怖くなり、一度は逃げてしまうのだが、父の教訓の元まー君に会いに行くことを決意します。その後、紆余曲折あり二人はサッカーを通して仲良くなりますが、まー君は本当に猫を殺したのか、そのことを疑いながら不思議な友情を築き上げていきます。この過程が少年らしいというか、怖いものみたさにお化け屋敷に入るような、そんな危うさをはらみながら軽快な一人称で描かれます。
仲良くなり、まー君の家に泊まるようにもなってきた主人公の少年は、猫を殺したまー君の危うい欲望の一端を垣間見るようになり……とこんな感じで物語は進んでいきます。そしてその後、ある一つの事件が起きここからはミステリよろしく、その事件の真相を追い求めていきます。この事件はネタバレを含むので割愛しますが、ラストがなかなか衝撃です。その前の事件の真相が発覚する場面もかなり猟奇的ですが、最後の一ページには叶わないでしょう。

さて、熊の場所について紹介してきましたが、これを遥かにか超えていくのが「バット男」です。

バット男では、弱者に対する社会的仕打ちに対して徐々に大人になっていく少年の視点で物語が描かれます。これがまたどうしようもないお話で、夫ではない子の出産、行き違う男女、そして破綻が丁寧に描かれます。「熊の場所」のようにストーリーに大きな起伏があるわけではなく、予定調和的に物語は進行しますが、バット男になってはいけないというメッセージが非常に伝わってきます。バット男とは一体なんなのか? それは読んで確かめてみてください。

そして最後の短編「ピコーン!」ですが、こちらは他の純文学でも類を見ない奇妙な作品です。女性、それも不良少女の視点からお話は描かれるのですが、まあすごい。ちょっと書けないくらいものすごい描写が続くところがあります(苦笑)ですが、さすがは推理作家協会賞候補ということでミステリ部分はしっかりしています。主人公の行動力には感服します。

いかがだったでしょうか? 初めての紹介だったので、色々拙い部分があったと思いますが、これを読んでこの作品を読みたくなっていただければ幸いです。
それではまた(≧(エ)≦。) 

どうもこんにちは夏鎖芽羽です!名前はなつさめう、と読みますどうぞよろしく(≧∇≦)
このブログでは主に僕が読んで面白いと思った純文学からライトノベルまでの小説と、少年・青年向けの漫画を紹介していきたいと思います。一日一回は何かしら書こうと思うので、暇がある人は覗いてみてください(≧(エ)≦。) 

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