2017年03月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
相変わらず花粉が…目が…鼻が…

さて、今回紹介するのは藻野多摩夫さんの「オリンポスの郵便ポスト」です!

ストーリー A
内容は、火星へ人類が入植して二百年。災害と内戦でボロボロになった火星では寸断された都市と都市を繋ぐ郵便配達員が重要な役割ん担っていた。そんなある日、配達員の少女エリスに奇妙な依頼が舞い込む。それは機械の身体を持つ改造人間のクロをオリンポスの郵便ポストまで届けるという仕事だった。オリンポスの郵便ポストまで8000キロを超える長い旅路を2人は行くことになるが…とこんな感じです。
ジャンルはSF。人類が火星に入植したという設定ですね。
第23回電撃小説大賞選考員奨励賞受賞作!まず言わせてください…素晴らしい! あぁ…こういう話ダメなんですよ…本当に、本当に切なくて残酷であまりにも希望がありすぎる…胸を突いて、心に穴を空けてくるそんなお話でした。
まず何より舞台が素晴らしいです!人類が入植し地球に環境を近づけた火星!しかし、重力の関係で年々大気が太陽風によって飛ばされ、災害と内戦で荒廃した都市にもう未来はない。地球からの助けもなく、人々は荒れ果てた火星で静かに消えるのを待つ…そんな寂寥とした世界で紡がれる1人の郵便配達員の少女と身体を機械に変えた男の物語。どこまでも続く赤錆色の荒野をスクーターで行く。8000キロという途方もない旅の中で出会いと別れ、衝突と和解、絶望と希望が描かれていきます。2人に起こる一つ一つの事が読み終わった後で愛おしくなって仕方ないです…そしてたどり着いたラストシーンはあまりにも美しい。幸せとか不幸とか、希望とか絶望とか、そんなことはもうどうでもよくなってただただこの終幕に拍手したくなりました。素晴らしい。それ以外の言葉はないですし、きっといらないです。最高の物語でした!

キャラ A
主人公の郵便配達員エリスはちょっと素直過ぎる女の子。でもそんなエリスにもあんな過去があるのだと知ると…小さな容姿に似合わず強くたくましい女の子でした。レイバーと呼ばれる改造人間のクロはなんだか不器用なくせに頼り甲斐があって、エリスの良きパートナーとして静かに寄り添う姿が…エリス以上に過酷な過去を乗り越えてきた彼が最後に望んだものを知ったときは胸が締め付けられました。

今後の期待度 A
綺麗に終わっているので一巻完結な気もするんですけど、続きがあるのならぜひ読んでみたいです。

どんな人にオススメか?
切ない物語を読みたい方は。火星を舞台にしたSF作品としても存分に楽しめると思います。とにかく素晴らしい作品なのでぜひご一緒を!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-04-892663-8

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
まだまだ肌寒い日が続きますね…花粉もひどいですし…外に出るのがつらいです…

さて、今回紹介するのは周藤蓮さんの「賭博師は祈らない」です!

ストーリー A
内容は、十八世紀のロンドン。負けない、勝たないことを信条とする賭博師のラザルスはある日賭場で失敗し手に余る大金を手にしてしまう。賭場からの復讐を恐れたラザルスは儲けたお金でその賭場から奴隷の少女を購入する。喉を焼かれ声を失い、感情すらも失い性奴隷として調教されたリーラをラザルスは文字を教えながらメイドとして教育していく。何気ない日々の中で徐々に人間らしさを取り戻していくリーラ。しかしそんな2人を切り裂く事件が起こり…とこんな感じです!
ジャンルとしては…一種ヒーローもの?ですかね?やはり賭博が一つメインとなっています。
第23回電撃小説大賞金賞受賞作!全体的に手堅くまとめあげた秀作という印象が強かったですが、最後まで楽しく読めました!
まず舞台がいいですね!十八世紀のロンドンの小汚い感じや、階級が低い市民たちの生活感が話に花を添えていました!賭場の雰囲気も良かったですね…ピリピリとした欲望渦巻く世界…とてもグッドでした!ストーリーの方は奴隷の少女リーラとの何気ない日常が一つのメインで、賭博がサイドメニューという感じでしたね。もちろん最後の最後まで「賭博」というものがストーリーの根幹に深く関わってはくるのですが、どこまでも描かれるのはラザルスとリーラの物語でした。リーラは性奴隷ではあるものの、そういったシーンは一切なくあくまで守られるべき存在として描かれていました。世界を知らないリーラに色んなことを教えながら、彼女を守るために行動するラザルスの姿はとてもかっこ良かったです!少し気になったのが、十八世紀のロンドンを語るために現在ではこう、みたいな文章が地の文でなんどか入ることですね…そこの説明が上手ければ隙のない作品になっていただけに惜しいと感じました。色々言いましたが、十八世紀のロンドンを舞台とした1人の少女を守る男の物語として楽しく読めました!面白かったです!

キャラ A
ラザルスはどうでもいいが口癖で賭場から目をつけられることを恐れて派手に勝たないことを信条とする賭博師でした。しかし、リーラのこととなるとなんだかんだいって世話を焼く姿に思わずニヤリとしました。リーラは一切喋れないうえ、自分の意思を持たない少女なのですが、ラザルスと過ごす内に少しずつ年相応の少女らしさを取り戻して可愛げがある姿になるのはグッドでした!その他にもラザルスの友人としてジョンとキースという男が出てくるのですが、この2人がそれぞれ物語にいい感じにスパイスを効かせていて作品を盛り上げていました!

今後の期待度 A
続いて欲しいですね…不器用な2人のやりとりはまだまだ見てみたいです!2巻以降も期待してます!

どんな人にオススメか?
1人の少女を守る男の物語が読みたい方はぜひ!賭博要素はそこまで強くはないと思いますし驚くような使われ方もしませんが、賭けをするラザルスの姿にワクワクできます。十八世紀のロンドンの空気を感じられるいい作品なので気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-04-892665-2

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は一段と花粉が酷かったような…くしゃみが…

さて、今回紹介するのは河野裕さんの「機械仕掛けの選択 サクラダリセット3」です!
前巻の記事↓

ストーリー A
2年前初夏。中学二年生だったケイは未来視の能力を持つ少女相麻菫によって春埼と出会うことになる。リセットをもつ彼女を欲しいと考えたケイは一人の少女にまつわる事件を解決していくことになるが…
サクラダリセットシリーズ第3弾!そろそろアニメが始まるので読むのを再開。今回はこれまで名前と存在は提示されていた相麻菫という一人の少女が深く関わってくる過去のお話となっていました。
読み終わってなんとなく感じたのが、静かに残酷な物語ということです。あまり深く内容に突っ込むとネタバレになるので表面をなぞるだけになりますが、ケイが春埼、相麻菫、そして事件の渦中にいるクラカワマリに要求したり暗に要求していることはきっと悲しいことなんじゃないかなと感じました。なんかもっといい方法かある。でもそれをやってくれない、読み手が気づかない。そんな感覚に陥りました。ストーリーとしては長いシリーズの心臓に触れるお話でもあり、欠かすことのできないピースでしたが文句なしに面白かったです!

キャラ A
春埼は2年前はこんな感じの女の子だったんですね…外側は現在とほとんど変わりませんけど、中身は本質はまるで別人でした…そして変わった春埼に深く関わっているのはやはりケイでしたね…相麻菫は不思議な魅力を持つ女の子でした。未来視という能力ゆえによくも悪くも全然中学二年生らしくないです。智樹はこの頃から変わらずでなんだか安心しました。

今後の期待度 A
この過去編を受けて、次にどんなストーリーが展開されるか楽しみです!ケイと春埼はどんな未来に出会うのか。なるべく早く続きを読みたいです…

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-04-104206-9

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
最近コーヒーが美味しいです…寒いので何杯でも飲んでしまいます…

さて、今回紹介するのは羊太郎さんの「ロクでなし魔術講師と禁忌教典4」です!
前巻の記事↓

ストーリー A
内容は、天の智慧研究会により敵側へと寝返ってしまったリィエル。グレンに傷を負わせ、システィーナの説得を無視してルミアを誘拐する。傷を負いながらもルミアを取り戻るため、リィエルを改心させるために元同僚のアルベルトと共に反撃へ向かうが…とこんな感じです!
シリーズ第4弾!上下巻の構成になっているのにすっかり読むのが遅くなりました…ストーリーは盛り上がりも最高潮を迎えて面白かったです!
後半戦の見所の一つはルミアを連れ去ろうとするリィエルを前に何もできないシスティーナでしたね…自分に力なんてない。何もできないと気づく場面は見ていてハッとしました…いい訳なんてできない。自分が無力だから…ただ膝をつくことしかできない弱さにシスティーナが気づくことで、今後の成長に繋がっていくんだなと感じました。そしてグレンはルミアを取り戻すため、リィエルを説得すふためにアルベルトと共に敵の本拠地へ!バトルは熱かったですね〜過去を知るグレンがそれでもなおリィエルを救おうとする姿には心が打たれました!アルベルトの戦いもスタイリッシュでカッコよかったです!前巻から続く一つの大きな話の〆として楽しく読めました!面白かったです!

キャラ A
アルベルトがいい味だしてましたね!かつての相棒グレンと再びタッグを組んでヒロインを取り戻しにいく!息もぴったりで、なんだかんだ言いながらグレンの良きパートナーであることがわかるシーンには思わずニヤリ。リィエルも壮絶な過去を乗り越えて、再び生きることを決心する姿は感動的でした!システィーナも自分の弱さと向き合ったかと思いきや、ラストで可愛いところ見せてくれて大満足です!

今後の期待度 A
アニメ始まる前にもう一冊くらい読みたいんですけど…はい…4巻も面白かったので5巻もなるべく早く読みたいです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-04-07516-3

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は雨に少し降られてしまいました…運がないですね…

さて、今回紹介するのは石川湊さんの「スカイフォール 機械人形と流浪者」です!

ストーリー A
内容は、天地を貫く巨大な建造物ターミナルが浮かぶ世界。そんな世界にはターミナルとターミナルを鋼線で繋ぎ、それにぶら下がるゴンドラに乗り移動する流浪者と呼ばれる人々がいた。記憶喪失で倒れていたクウガはスズという流浪者の少女とエアというオートマタに拾われる。2人と旅をする中でクウガは世界について知っていくことになるが…とこんな感じです!
ジャンルはSF+旅もの。魅力的な世界観・設定が印象的でした!
石川湊さんのデビュー作!石川湊さんの作品はこれまで「くもりのちナイン」「ポンコツ勇者のシロとクロ」を読みましたが、デビュー作は未読でしたが、いやーすごく面白かったです!
まず何より世界観がすごくいいです!空に浮かぶターミナル!それを繋ぐ鋼線をゴンドラで移動する流浪者たち!空には海が浮かび、古代の遺跡がある!ロマンが詰め込まれていました!ストーリーは記憶喪失の青年クウガとスズという流浪者の少女、そしてオートマタのエアとともに旅をするというもの。旅ものではあるんですけど、鋼線によって進路はある程度決まっているので放浪の旅というより鉄道で旅をしているイメージですかね?空の旅の中で出会いがあったり、危険に見舞われたりと決して楽な旅ではない中で協力して旅をしていく3人の姿は見ていて楽しかったです!終盤は怒涛の展開で世界の秘密やクウガの秘密、そして衝撃的な事実がわかったりとページをめくる手が止まりませんでした…タイトルに隠された意味に気づいたときはっとしましたね…ワクワクする要素をふんだんに散りばめた読んでいて楽しい作品でした!面白かったです!

キャラ A
クウガは決して好青年という感じではないんですけど、スズやエアを気にかけてきちんと周りを見て行動しているのが好印象でした。スズは元気いっぱいのいい子かと思いきやその裏に隠された意外な一面も…ギャップにびっくりしました。エアは可愛いオートマタでしたね〜人間と同じようにちゃんと心や感情を持ち合わせているかと思いきや、冷たいまでに機械人形だったり…魅力的なキャラでした!

今後の期待度 A
実はこの作品と同じ世界観の作品が2作目の「くもりのちナイン」なんで実質続きは出ているんですけど、またこの世界観を共有する作品が見てみたいです…望み薄かもしれませんが期待してます…

どんな人にオススメか?
SFや旅ものを読みたい方は!一面に空が広がる世界での旅は読んでいてワクワクします!次々と謎が明かされていくラストの怒涛の展開にも注目です!少し前の作品になりますがオススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

ISBN 978-4-04-865198-1

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