どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
相変わらず花粉が…目が…鼻が…
さて、今回紹介するのは藻野多摩夫さんの「オリンポスの郵便ポスト」です!
ストーリー A
内容は、火星へ人類が入植して二百年。災害と内戦でボロボロになった火星では寸断された都市と都市を繋ぐ郵便配達員が重要な役割ん担っていた。そんなある日、配達員の少女エリスに奇妙な依頼が舞い込む。それは機械の身体を持つ改造人間のクロをオリンポスの郵便ポストまで届けるという仕事だった。オリンポスの郵便ポストまで8000キロを超える長い旅路を2人は行くことになるが…とこんな感じです。
ジャンルはSF。人類が火星に入植したという設定ですね。
第23回電撃小説大賞選考員奨励賞受賞作!まず言わせてください…素晴らしい! あぁ…こういう話ダメなんですよ…本当に、本当に切なくて残酷であまりにも希望がありすぎる…胸を突いて、心に穴を空けてくるそんなお話でした。
まず何より舞台が素晴らしいです!人類が入植し地球に環境を近づけた火星!しかし、重力の関係で年々大気が太陽風によって飛ばされ、災害と内戦で荒廃した都市にもう未来はない。地球からの助けもなく、人々は荒れ果てた火星で静かに消えるのを待つ…そんな寂寥とした世界で紡がれる1人の郵便配達員の少女と身体を機械に変えた男の物語。どこまでも続く赤錆色の荒野をスクーターで行く。8000キロという途方もない旅の中で出会いと別れ、衝突と和解、絶望と希望が描かれていきます。2人に起こる一つ一つの事が読み終わった後で愛おしくなって仕方ないです…そしてたどり着いたラストシーンはあまりにも美しい。幸せとか不幸とか、希望とか絶望とか、そんなことはもうどうでもよくなってただただこの終幕に拍手したくなりました。素晴らしい。それ以外の言葉はないですし、きっといらないです。最高の物語でした!
キャラ A
主人公の郵便配達員エリスはちょっと素直過ぎる女の子。でもそんなエリスにもあんな過去があるのだと知ると…小さな容姿に似合わず強くたくましい女の子でした。レイバーと呼ばれる改造人間のクロはなんだか不器用なくせに頼り甲斐があって、エリスの良きパートナーとして静かに寄り添う姿が…エリス以上に過酷な過去を乗り越えてきた彼が最後に望んだものを知ったときは胸が締め付けられました。
今後の期待度 A
綺麗に終わっているので一巻完結な気もするんですけど、続きがあるのならぜひ読んでみたいです。
どんな人にオススメか?
切ない物語を読みたい方は。火星を舞台にしたSF作品としても存分に楽しめると思います。とにかく素晴らしい作品なのでぜひご一緒を!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
ISBN 978-4-04-892663-8