2019年09月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは手代木正太郎さんの「むしめづる姫宮さん」です!
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ストーリー A
内容は、宮城県宮城郡浦上町。そこは虫の魂を送り出す珍しい祭りが行われる町。そんな浦上町で様子がおかしくなってしまったチビで卑屈な有吉羽太。祖母にそのことを話すと、虫の魂に憑かれているのではないかと言われる。そんな虫の魂に憑かれた人の悩みを解決できるという姫宮さんの家へ行くが、そこにいたのはおなじくらすよ引っ込み思案の女の子・姫宮凪だった。大の虫好きの彼女と羽太は虫にまつわる問題を解決していくことになるが…とこんな感じです!

〜卑屈で小さな男の子と虫好きの女の子の話〜
初挑戦の手代木正太郎さんの作品!かねがねすごい作品を書くとは聞いていたんですけど、なかなか機会がなく今回新作が出るということで手にとって見ました。タイトルとあらすじもすごく良かったですしね。虫の魂をめぐる素晴らしい青春ものでした!面白かったです!
ある日を境に突然他人にいらぬお節介を焼くようになってしまった羽太。チビで卑屈で器も小さいくせに、その変異のせいで学級委員にまで立候補してしまいます。羽太の卑屈っぷりはすごく良かったですね!こういうアッパー気味のダウナーすごく好きです!祖母にそのことを相談すると、姫宮さんの家に行けと言われそして出会ったのが虫好きの女の子。しかも彼女は同じクラスで…姫宮さんも後述しますがギャップがあって面白い子でしたねw そして始まる虫と青春の物語。5日に一度しか外に出られなくなった幼馴染の女の子のこと、豹変してしまったストリートダンス部の女子たち…思春期の屈託と虫の魂により現れる「虫らしい行動」。さらには姫宮さんの虫知識と、宮城県宮城郡の美しい自然を背景とした青春ものは胸に静かにでも確かに響く強度を持った素晴らしい物語でした!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
姫宮さんなんか面白くて可愛いですねw 引っ込み思案かと思いきや、虫のこととなると熱く語り出して冷静になると超テンションダウン…でもひたむきに虫を愛する姿はとても可愛らしかったです!羽太は卑屈でチビな男の子なんですけど、その卑屈さがどこか吹っ切れているからこその魅力がありましたね。いつか真っ直ぐなるための助走をしている感じでした。

最後に
虫と青春という不思議な魅力を持った作品でした!姫宮さんと羽太のコンビも見ていて楽しかったです!ぜひ続刊を…!

どんな人にオススメか?
青春ものが好きな方は!虫と聞いてちょっと苦手だな、と思う方もいるかもしれませんがそれが気にならないくらい思春期の屈託を乗り越えようとする少年少女の物語がとにかく素晴らしいです!また、僕は虫苦手じゃないのでわからないですが(^_^;)気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



むしめづる姫宮さん



著者



手代木正太郎



レーベル



ガガガ文庫



ISBN



978-4-09-451806-1


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


その日はバイト先の先輩後輩とタラタラオールしていた。

都内某繁華街の某午前5時までやってる居酒屋のチェーン。僕たちの他に何グループかいる客はみんな酔客で、半分は寝ていて半分は酔ってわけのわからないことを喚いていた。

隣には夢の国の住人になった後輩の男の子。目の前には先輩の女子と後輩の女子と同学年の男子。寝てる後輩はほったらかしてバイト先にくるクソ客の悪口とバイト先の人間関係について話していた。先輩は美しい指先にマルボロを挟んで、時々ハイボールの入ったジョッキを傾けている。後輩の女の子は無垢な笑顔で甘い甘いカシオレを飲んでいた。同学年の男は梅酒をロックを右手に。僕の手にあったのは確かグレープフルーツサワーだったと思う。その日10杯目近いグラスだったけれど、酔いはそれほど回ってはいなかった。

同学年の男子が後輩の女の子に時々本能をギラつかせる視線を投げるたびに、僕は意味のない焦燥感に襲われて目の前にいるタバコを吸う先輩を見た。なぜこんなにかわいい女の子がマルボロなんて吸うのだろう。

きっとこの時間は大学生三年生の夏を浪費するものなのに、僕はアルコールで乾いた喉にアルコールを注いだ。タバコの煙と同学年の男子と後輩の女の子の楽しげな会話。そして後輩の男の子のかすかないびきに身を任せていた。

電車が動き出す頃までそうして飲んで、僕たちは立ち上がった。駅に先輩と後輩の女の子を見送りに行き、同学年の男子と一緒に後輩の男の子を引きずりながらチェーンのラーメン屋に入った。オールをするとなぜか朝方にラーメンが食べたくなるのだ。日本語の怪しい外国人のアルバイトが作る美味しくも不味くもないラーメンを啜る。後輩はまだ寝ている。ラーメンを口に運ぶたびに一言ずつ交わす会話はなんだったのか覚えていない。でもきっと大したことではない。

同学年の男子と別れて後輩を肩に担いで始発から3本目の電車に乗る。乗っているのは同じく夜明けまで飲んでいた大学生くらいの金髪が何人かと、顔を見せずに身を寄せ合うカップル。僕はラーメン屋を出た近くの自動販売機で買ったポカリを飲んで電車の窓から朝焼けを見た。

後輩が降りる駅より先に僕の降りる駅がきて、後輩を起こしてからホームた降りた。この後知ったことだが、後輩はこの後二度寝して始発駅と終点を3往復したらしい。本当にバカだ。

最寄駅近くのラブホの前にしゃがみこみスキニージーンズの隙間から尻を覗かせる女の子がいて、スマホをひたすらいじっていた。何をしているのだろうか。こんな朝に。

サラリーマンとすれ違う。コンドームが並ぶ自動販売機は蛍光灯が切れてチカチカする。そんな景色を太陽の光が支配していく中で、僕は家に帰った。アルコールとラーメンとポカリが混ざった胃を重たく感じながら、今日はきっと昼頃まで寝るのだろうと他人事のように思っていた。

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)

さて、今回は毎月月末恒例の来月発売の注目ライトノベルの記事です!今月もちょっと遅くなってすみません…毎度のことながらこれは僕が注目しているラノベを紹介しているだけで、来月発売するすべてのライトノベルを網羅しているわけではないのであしからずm(__)m それではいってみましょう!

8/30発売 講談社ラノベ文庫
「世界は愛を救わない」著/海老名龍人 イラスト/ももいろね
「夢に現れる君は、理想と幻想と僕の過去」著/園生凪 イラスト/黒田ヱリ

8/31発売 HJ文庫
「魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士」著/子子子子子子子 イラスト/伊吹つの

9月1日発売 角川スニーカー文庫
「いつか仮面を脱ぐ為に ~嗤う鬼神と夢見る奴隷~」著/榊一郎 イラスト/茨乃
「妹がブラコンであることを兄だけは知っている。2」著/ミヤ イラスト/葉乃はるか

9月5日発売 LINE文庫エッジ
「サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム」著/アサウラ イラスト/赤井てら
「勇者の君ともう一度ここから。」著/みかみてれん イラスト/えいひ

9月10日日発売 電撃文庫
「妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル」著/渡瀬草一郎 イラスト/こぞう
「魔法科高校の劣等生(30) 奪還編」著/佐島勤 イラスト/石田可奈
「86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト―」著/安里アサト イラスト/しらび
「スイレン・グラフティ(2) もすこしつづく、ナイショの同居」著/世津路章 イラスト/堀泉インコ

9月13日発売 GA文庫
「処刑少女の生きる道2 ―ホワイト・アウト―」著/佐藤真澄 イラスト/ニリツ
「29とJK 7 ~さらば、憧憬~」著/裕時悠示 イラスト/Yan-Yam

9月17日発売 電撃の新文芸
「Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て」著/古宮九時 イラスト/chibi
「EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の惑星クラフト〈下〉」著/川上稔 イラスト/さとやす(TENKY)
「異修羅I 新魔王戦争」著/珪素 イラスト/クレタ

9月18日発売 ガガガ文庫
「妹さえいればいい。13」著/平坂読 イラスト/カントク
「物理的に孤立している俺の高校生活7」著/森田季節 イラスト/Mika Pikazo
「プロペラオペラ」著/犬村小六 イラスト/零崎一生

9月20日発売 富士見ファンタジア文庫
「監獄勇者のやり直し 貶められた最強の英雄は500年後の世界を自由に生きる」著/瀬尾つかさ イラスト/平井ゆづき
「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」著/師走トオル イラスト/有坂あこ

9月25日発売 MF文庫J
「異世界拷問姫8」著/綾里けいし イラスト/鵜飼沙樹

以上になります!
注目の新作は「夢に現れる君は、理想と幻想と僕の過去」と「妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル」と「プロペラオペラ」。園生凪さんの新作はすでに読んで感想記事も書きましたけど



とにかく最高だから読んでください。電撃文庫の「妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル」は大正伝奇ロマン。ガガガ文庫の「プロペラオペラ」は旧日本軍をモチーフにした作品ということでどちらも楽しみですね!
シリーズ続刊は「魔術破りのリベンジ・マギア 7」と妹さえいればいい。13」。前者はついに最終巻ということで…寂しくなりますね…いもさえは14巻が最終巻と予告されていて、前巻で一つ大きな山を越えたのでどうなるのか楽しみですね…

それではこの辺で(≧(エ)≦。)
今月もよろしくお願いします!

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは園生凪さんの「夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去」です!
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ストーリー AA
内容は、大学卒業後、仕事を半年で辞めてニートになった天木颯。彼は友人の佐藤克則ことカッツンの家に居候していた。毎日海外ドラマを見て過ごす日々のなかで、颯は夢をコントロールする方法を記載したブログを見つける。颯は小学校の頃のクラスメイト霧崎紗耶香に会うために夢を見る。紗耶香は颯の初恋の人で、そして交通事故ですでに死んでしまっていた。夢の中での紗耶香とのやりとりの中で颯の止まっていた時間は動きだすが…

〜鬼才・園生凪の新たな青春小説〜
「友達いらない同盟」で衝撃のデビューを飾り「公園で高校生達が遊ぶだけ」でその才能を世に知らしめた(と思っている)園生凪さんの3シリーズ目。今回はピリッと辛い青春ものでしたね。
まず言わせてください…

最高

マジでこの作家さんほど《鬼才》という言葉が似合う人は今後出てこないと思います。綴られる物語が、描かれる登場人物が、情景描写が、感情が、文章が、単語ひとつひとつが、これほどまでに完璧で読者の感情を震わせて、心を内側から掻きむしってくる。最高の読書体験でした…!超面白かったです!
勤めていた仕事を半年で辞めニートになるも、家に居づらくなり友人のカッツンの家に転がり込んだ颯。毎日海外ドラマを見て過ごす日々を送っています。いや、本当にすごいです。なんで23の男が海外ドラマ見てるだけのシーンをこんな風に書けるんですか?才能でぶん殴られるとはこのことです。文章ひとつひとつがあまりにも素晴らしすぎます。と、園生凪さんの文章に惚れ惚れしてるうちに物語は静かに動き出します。自分の望んだ夢を見られるという怪しいことが書かれたブログを見つけて、その方法を試す颯。すると本当に望んだ夢を見られて…かつて交通事故で亡くなってしまった紗耶香という少女。小学六年生の頃の景色、彼女と交わした言葉、愛について、日々のたわいのない会話…もう二度と戻ってこない思春期手前の全てが夢にはあって、もう二度と会えない小学六年生のまま時間が止まった紗耶香と会話して、夢から醒めたら、ニートであるという現実を見て、それに対してあまり絶望できなくて…なんでこんなに苦しくて輝かしくて透き通っているんですか…この物語は…じわじわと胸の奥底から沸き立つ感情はこの物語に完璧に支配されていました。少しずつ変わっていく現実、ゆっくりと居場所を失って薬に頼って夢を見て、その果てで颯が選んだことが本当に響きました。217p、1時間の読書でこれほど感動することは今年はもうないでしょう。最後まで最高に楽しませていただきました!超超面白かったです!

キャラ AA
颯は基本的にクズみたいな奴なんですけど、周りに迷惑をなるべくかけないようにしているニートなりの気遣いと過去のおかげで妙に読み手に近づいてくる感じがしましたね。なんだかんだで彼もいい奴なんでしょうね…カッツンは神。マジで最高の友人。マキちゃんは可愛いのにこんなダメな颯に惹かれてしまう女の子…なんでこんな奴に…とか思っていたんですかど、颯はイケメンなんですね…つまりはマキちゃんは面食いと(嘘です)そして紗耶香。頭が良くてで静かな印象で、でも感情がしっかりしていて読書家で…彼女については説明しづらいですがこの作品を読み終わればきっと好きになるはずです。

最後に
今年最高の読書体験でした。園生凪さんの作品をまた読めたことは本当に嬉しいですし、やっぱりこんな面白い作品を書いてくれるんだと安心しました。この作品は一巻完結だと思いますが、また別の作品を出してくれることを願っています。

どんな人にオススメか?
ちょっと不思議な青春ものが読みたい方は!とにかく文章にハマれば最高の物語を楽しめること間違いなしです!とにかく読んでください!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去



著者



園生凪



レーベル



講談社ラノベ文庫



ISBN



979-4-06-516969-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはなみあとさんの「宝石吐きのおんなのこ9〜少女への祈り〜」です!
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前巻の記事↓

ストーリー A
内容は、ヴィーアルトン市で誘拐されてしまったクリュー。そのことを知ったスプートニクは彼女を取り戻すために、ユキたちと共に行動を始める!そして明かされる魔法使いファンションにまつわる真実。過去が明らかになっていくなかでスプートニクはクリューを助けることはできるのか…とこんな感じです!

〜クリューのために走る〜
シリーズ第9弾!今回は「宝石吐きのおんなのこ」シリーズに出てくる主要な登場人物たちの過去や関係が明らかにされてフィナーレ一歩手前感があるな…と思ったらあとがきで次回が最終巻とのこと…ちょっとさみしいですね…それはともかく今回も面白かったです!
まずは序盤、ユキの口から魔法少女ファンションについて語られます。前巻からなんとなく察しはついていたとはいえ…まさかの…世間は狭いというか、クリューを中心に不思議な関係で繋がっていますよね…そして知らされるクリュー誘拐の報。彼女を取り戻すために走るスプートニクは本当にクリューのことが大切なんだということが伝わってきましたね!クリューを取り戻すための戦いも、彼女を取り戻してからのスプートニクの行動も本当に2人の絆が温かくてやっぱりいいコンビだなと感じました!最後の2人のやりとりには思わず笑顔になりました…特別短編もすごく素敵でしたし、最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
スプートニクはやっぱりかっこいいですね。不真面目で決して素直ではないんですけど、それでも自分の大切な人のために走れる強さはいいなと思いました。クリューはやっぱり可愛くて癒されますね…辛い目にもあったかもしれないですけど、スプートニクにいっぱい甘やかされてほしいですね。そしてユキ。やっぱり女の人は怖いですねw というのはさておき、彼女がいたからみんなのつながりがあったんだなと思いました。すごく強くて優しい女性でした。

最後に
次巻で最終巻とのことでちょっとさみしいですね…なんだかんだで長い付き合いの作品で、初めて布教用に2セット分も買ったり、特典集めるために発売日に秋葉原を歩き回ったり…終わって欲しくない気持ちもありますけど、最後までクリューが幸せでいられることを祈りながらこの物語の最終巻を楽しみに待ちたいと思います!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



宝石吐きのおんなのこ9〜少女への祈り〜



著者



なみあと



レーベル




ぽにきゃんBOOKS

ISBN



978-4-86529-302-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


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