2019年12月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは空伏空人さんの「魔女の花嫁 seasons beside a witch」です!
⚠︎ネタバレありです。
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ストーリー A
内容は、不治の病によって死ぬことが定められている桑折冬至は麻峯三丁目にいると言われるどんな願いも叶えてくれるという魔女・ミーズと出会う。そこで自身が病に罹っているわけではなく、呪いにかけられていることを知った冬至はその解呪をミーズに頼む。しかしミーズが呪いを解くためにとった方法は冬至を殺すというものだった。一度死んでなお解けない呪いを解くために冬至は名前をハルと変え、ミーズの弟子として過ごしていくことになるが…とこんな感じです!

〜これは悪意も善意もない物語〜
空伏空人さんの最新作!前作がとても好きだったので読むのを楽しみにしてましたが、今作も面白かったです!
不治の病に罹る冬至は、ある日どんな願いも叶える麻峯三丁目の魔女に出会います。彼女は冬至が病ではなく呪いをかけられていることを知り、その呪いから
解放するために冬至を殺す…というのが序盤の流れ。軽快ながら短い文章で背景がズバッと浮かんでくる文章は魔女の家に迷い込んで(自ら目的を持って)迷い込んだ冬至と近い目線で読者を物語に没入させてくれますね!そして呪いを解くために魔女の弟子となりハルと名前を変えミーズと一緒に過ごすことになります。現代日本ではないどこかでミーズと暮らす毎日は、コミカルでダメなお姉さんであるミーズへのツッコミと年相応の照れの会話を軸にファンタジックに彩られていきます。魔女として依頼を受けたり、ハルの呪いを解くために様々な人々を訪ねたり…ミーズのハルを思う気持ちとハルのなんだかんだでミーズによって「守られる」ハルの関係はいわゆるオネショタとはまた異なるオネショタを感じました(要はオネショタ)しかし、物語が後半に進むにつれてハルとそしてミーズの背景が見え隠れしてきます。死んでしまったハルが思い出せない過去のこと、そしてミーズとミーズを置いていってしまった人のこと…きっとハルにとってミーズは特別で、そこに悪意も善意も介入できなくて、ハルのいう「悪い人ではない」「憎まない」という言葉だけが本物なのだと感じました。魔女と少年のファンタジーを最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
冬至…もといハルはなかなかツッコミができた子ですねw彼はきっと優しいからこそ賢い動物たちを慈しみ、ミーズにキレキレのツッコミを入れ、自身を呪う呪いのために苦い薬を飲めるのでしょう。ミーズはノリがいいので一瞬惑わされるんですけど、寂しくて悲しさを胸に秘めていてハルが離れていってしまうことがきっと何よりも怖い普通の女の子だと感じました。

最後に
空伏空人さんの最新作を思う存分楽しませていただきました。前作同様、作中での死の在り方みたいなものがすごくよかったです。続刊あるなら読みたいので1年以内にお願いします。17年も待てないです。

どんな人にオススメか?
ファンタジー好きな方は!児童文学とか海外翻訳作品とか好きな方は刺さると思います!ハルとミーズの関係もいいですし、スラスラ読めるのに重厚なファンタジーを思う存分楽しんでください!オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



魔女の花嫁 seasons beside a witch



著者



空伏空人



レーベル



LINE文庫エッジ



ISBN



978-4-910040-16-5




どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは有丈ほえるさんの「私に効果音つけてよ、響くん!」です!
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ストーリー A
内容は、鋭敏な聴覚を持つ豊響は近隣の高校の映画部から依頼を受けて映像に効果音をつける「音屋」として活動していた。しかし、音響への情熱はもうすでになく惰性で営んでいた。そんな彼の元に元アイドルの宇津々きさらやってくる。彼女は自ら団長を務める自主制作映画制作集団の「余命三年」の音響効果マンとして響きをスカウトする。余命三年の監督である里崎カンナの映像に魅了された響はきさらを彩るべく最高の効果音を作ろうとするが…とこんな感じです!

〜音で君を輝かせる〜
有丈ほえるさんの新作!前作「救世主だった僕が三千年後の世界で土を掘る理由」が面白かったので新作楽しみにしてました!気になる部分もありましたが、今作も面白かったです。
効果音を作る「音屋」として有名な響は、ある日、超絶美少女のきさらに自主制作映画に効果音をつけて欲しいと頼まれます。序盤、いきなり不法侵入してくるヒロインにはかなり驚(^_^;)そこを除けばボーイ・ミーツ・ガール的な要素が散りばめられていていい感じでしたね!しかし音響への情熱がすでに失われていた響はあまり乗り気になれず…ですがきさらたちが撮った映像に魅了され徐々に輝きを取り戻していきます!いいですね!こういう創作への情熱を取り戻していくストーリー!「余命三年」の監督である里崎カンナも加わり、中盤以降はきさらの出演する映像にぴったりな効果音をつけていく地味ながら驚きと意外性に溢れた展開!例えばパンチの音をとるのに服を着せた肉を殴ったり、靴下を履く音を取るために大量の靴下を用意したり…いや〜奥が深いです…終盤の展開もよかったですし、総合的には面白いと思うのですが…個人的な意見としてあまりにも急激に主人公とヒロインたちの関係が変化するのがかなり違和感ありました…特にあれだけ響のことを嫌っていたカンナが彼の実力を認めたとはいえ、すぐに響にあんな態度とりますか?なんか二章の前半と後半で好感度がいきなり10から100に変化して、二章の後半から三章の後半で100が200になったような感覚でした…きさらもここまで露骨じゃないとはいえ、その好感度のあがりっぷりはなんなんだと…響のきさらに対する好感度もそうですよね…だって最初はストーカーどころか家に勝手にあがってきた女の子ですよ…?と気になる部分はありましたがストーリー自体はよかったです。

キャラ B
響の効果音に対する情熱が戻ってくる様子はよかったです。きさらもカンナも可愛かったですけど、前述の通り好感度のあがり方には違和感満載でした…

最後に
色々言いましたが、ストーリーは面白いこと間違いないです。2巻以降はキャラの関係も違和感なく読めるとは思いますが、どうしても違和感として残ってしまったので続刊は多分買わないです…

どんな人にオススメか?
青春ものが好きな方は。一風変わったクリエイターものとしても面白いです。僕はどうしてもヒロインたちの主人公に対する態度の急変があると感じてしまいましたが、僕に合わなかっただけだと思うので気になったかたは…

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



私だけ効果音つけてよ、響くん!



著者



有丈ほえる



レーベル



講談社ラノベ文庫



ISBN



978-4-06-518152-2


表紙の画像は「版元ドットコム」様より

タイトルまま。
本当はきちんと感想書こうと思ったんですけど、きっとこれは雑談っていう枠でノリとリズムとパッションで書いた方が絶対に面白いと思ったのでここで書きます。

まずは長い前置きから
『川柳少女』はタイトル自体は知っていて(アニメ化もされてるしそりゃ当たり前)いつか読もうと思っていたらBOOK WALKERで1~3巻が無料で、読んでみたら面白かったので買いました。全巻買ったよツイートしたら五十嵐正邦さんがリツイートしてくださって、ここ数か月でトップ5に入るくらいいいねついたのも驚きでした。



僕にとって五十嵐正邦さんは圧倒的にギャグの人でした。高校時代、僕はマガジン本誌を愛読していたのですがとにかく笑ったのがこの2作品です






前者はアダムとイブパロディのギャグマンガで後者は本気でアニメに挑むアニメーターの話を描いたものです。コーポ失楽園はマジで笑いましたよw誰も見ない微妙なラーメンブログ更新し続ける誰かさんの話とかマジで好きです。好き好き大好き超愛してる。後者は原作付きということで「これが五十嵐正邦さんのギャグじゃい!」というようなギャグこそ多くはなかったですけど、とにかく絵で魅せる笑いのセンスがずば抜けてます。巨乳の件は本当名作。ちなみに宮島雅憲さんといえば「阿部のいる町」も大好きでした。当時「君のいる町」の連載が終わった直後だったからこそ3倍面白かったですね。



次に五十嵐正邦さんの作品を読んだのは『まったく最近の探偵ときたら』でこちらはまだ1巻しか読めていないのですが(大学時代お金がなかったのです…)もうめっちゃ面白くて、それになにより女の子がめっちゃ可愛くて(もと名探偵・名雲の元に転がり込んでくる真白ちゃん)そのくせ、『コーポ失楽園』で見せたギャグが主に顔面方面で生かされていて最&高でした。これもボーナス入ったら既刊全部買いますね…



んで本題の『川柳少女』
『川柳少女』がとにかく面白い。ここからはパッション全開でいく。ついてこい。そして全巻買え。僕は全巻買ってなんなら好きすぎて4周した。マリカーなら順位確定してコンピューターが操作してる。

『川柳少女』はタイトルの通り川柳(五、七、五)で会話をする七々子と、西中の悪魔と呼ばれた不良だが突然川柳に目覚めて高校では七々子と一緒に文芸部に入ったらエイジことエイちゃんのラブコメ。七々子とエイちゃんのラブに全力で振り切ったかと思いきや、部長が圧倒的センスですぐさまギャグに引き戻してくる。そんなノリが永遠に続けと願う作品です買え読め周回しろ。基本4コマだしサクサク読めるのに最後までラブコメたっぷりとかズルいじゃん。ブックオフなのにマツタケから核ミサイルまで置いてある強さじゃん。意味わかんないじゃん。

『川柳少女』の魅力はなんだろう。七々子のかわいさ?エイちゃんの見た目の怖さと中身の面白さとのギャップ?それとも部長の純粋な面白さ?タオちゃんの意外に子どもっぽいとこ?キノちゃんのミステリアスさ?琴姉のエロかわいさ?五町ちゃんの勘違い暴走恋愛っぷり?

もちろんキャラはみんな魅力的だしかわいいし面白い。でもやっぱりセンテンスの強さがそこにあるんです。

ギャグなら圧倒的なツッコミの鋭さ。もう本当に天才的な鋭いツッコミは誰にも勝てねぇよ。無理だよあんなん。電車の中で読んで吹いて周りから不審の目で見られた部長の球技大会でのフルフェイスヘルメットとかもう本当にヤバイ。

ラブコメ方面なら七々子の伝える言葉の強さ。だって最初はちょっとしたことで顔真っ赤にしてた七々子が修学旅行編にきてエイちゃんへの想いを五七五。たった22文字であんなに強く確かに表現するんですよ!ヤバないですか!

ということで、個人的にはラブもコメも最高でその上で「言葉」を感じて欲しい作品でもあります。
川柳で 伝える魅力 面白い。

あと個人的に大好きなのが9巻。既読の方は「それか~!」ってなっているであろう9巻。9巻は本当にヤバイので幼なじみ好きはすぐさま1巻から9巻まで買って読んで震えろ。そして僕と握手しましょう。

『川柳少女』が面白い。五十嵐正邦さんの作品が大好き。だからやめられない。また寝る前に1句(『川柳少女』では1話を1句と表現する)と気づいたら2、3巻読んでしまい仕事中めっちゃ眠い思いをしてしまう。でも大好き。七々子もエイちゃんも部長もタオもキノも五町も琴姉も倉さんもみんな幸せになってほしい。だから12巻で誰も傷つかないようになんて祈ってしまうのです。



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは杉井光さんの「生徒会探偵キリカS1」です!
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前巻の記事↓

ストーリー A
内容は、生徒会選挙を終えて晴れて副会長となったひかげ。キリカも探偵の料金改正を行いすべてが新しくなってスタート!しかしそう順調にいくはずもなかった。中央議会では議長の朱鷺子さんが正体不明の裏切り者になやまされ、クリスマスを目前にしたコンサートを妨害する人の姿が…生徒会探偵キリカ新章開幕!とこんな感じです!

〜令和にキリカ復活!〜
シリーズ第7弾!信じられますか!親愛なる杉井光ファンの面々よ!キリカが!令和に復活しましたよ!なによりも平成の終わりと令和の始まりを感じます!読んだ方向けですけど、208pの終わりから209pの最初の数行マジで杉井光!って感じじゃないですか!最高にして至高ですよ!もうとにかく最高に面白かったです!
生徒会選挙を終え新体制でスタートした白樹台生徒会、もとい天王寺狐徹王国!というか独裁国家。序盤のやりとりは完全にキリカシリーズのそれです。ありがとうございます。まさか令和になって美園先輩のハレンチノリツッコミが聞けるとは…狐徹先輩も流石の強者っぷりです。物語の軸は中央議会編とクリスマス第九コンサート編の二つですね。中央議会編では、中央議会をなくすために奮闘してきた朱鷺子さんが謎の裏切り者のせいでなかなか議決が進まずにいて、しかも協力者を作ったと思ったらまた新たな裏切り者が出て…と正体不明の裏切り者に苦しめられます。解決法も犯人の動機もまぁ杉井光さんミステリっぽくて僕は大好きです!そうですよ!こういう謎をこういう風にキリカに解決して欲しかったんですよ!第九コンサート編もよかったですね…なんとここでシリーズ1巻の伏線を回収してくるのもすごいですよね…思いだすと確かにそんなことありましたね…事件も本当にどうしようもない個人の感情に何百人を巻き込むのが本当に杉井光さんらしくて好きです。てかこの事件こそまさに杉井光さんの真骨頂じゃないですか?そして最後のキリカの言葉に気づかないひかげもマジで杉井光主人公でした。すこ。とにかく読めて嬉しい!ありがとう杉井光!ここから俺たちの令和が始まる!っていう感情しかないですけど、とにかく最高の作品で、求めに求めていた生徒会探偵キリカの続刊でした!面白かったです!

キャラ A
キリカー!!!久しぶりすぎてマジで朝の通勤電車で読んでて涙出そうになりました…キリカ…生きてたんですね…狐徹も美園先輩も朱鷺子さんも薫くんもマジでなんもかわってなくてもう物語のなかに存在しているだけで尊いです…やっぱりキリカは容姿も含めて好きの要素しかないですね…キリカかわいいよキリカ…

最後に
復活!令和スタート!平成終了!本当に本当に生徒会探偵キリカが復活してくれて僕は嬉しいです!かなり続刊が空いてしまったので、ここからまた巻数重ねていくのはちょっと難しいかもですが、めっちゃ応援してます!まずはS2巻お願いします…!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



生徒会探偵キリカS1



著者



杉井光



レーベル



講談社ラノベ文庫



ISBN



978-4-06-517170-7/


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)

さて、今回は毎月月末恒例の来月発売の注目ライトノベルの記事です!もう12月になってしまいましたが…毎度のことながらこれは僕が注目しているラノベを紹介しているだけで、来月発売するすべてのライトノベルを網羅しているわけではないのであしからずm(__)m それではいってみましょう!

12月1日発売 角川スニーカー文庫
「カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています」著/御宮ゆう イラスト/えーる
「スーパーカブ6」著/トネ・コーケン イラスト/博
「継母の連れ子が元カノだった3 幼馴染みはやめておけ」著/紙城境介 イラスト/たかやki

12月1日発売 HJ文庫
「精霊幻想記 15.勇者の狂想曲」著/北山結莉 イラスト/Riv

12/2発売 講談社ラノベ文庫
「生徒会探偵キリカS1」著/杉井光 イラスト/ぽんかん⑧
「天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方 生徒会探偵キリカ 番外」著/天王寺狐徹 イラスト/ぽんかん⑧
「101メートル離れた恋」著/こまつれい イラスト/しぐれうい
「私に効果音をつけてよ、響くん!」著/有丈ほえる イラスト/遠坂あさぎ

12月5日発売 LINE文庫エッジ
「魔女の花嫁 seasons beside a witch」著/空伏空人 イラスト/秋月アキラ
「性春デイズ ~男子高校生の性の心理戦~」著/望公太 イラスト/煮たか
「妹はサイコパス」著/瀬尾順 イラスト/sune

12月10日発売 電撃文庫
「錆喰いビスコ5 大海獣北海道、食陸す」著/瘤久保慎司 イラスト/赤岸K
「吸血鬼に天国はない(2)」著/周藤蓮 イラスト/ニリツ
「娘じゃなくて私が好きなの!?」著/望公太 イラスト/ぎうにう

12月18日発売 ガガガ文庫
「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」著/猿渡かざみ イラスト/Aちき

12月25日発売 MF文庫J
「ゲーマーズ・ハイ 影の王者の後継者」著/五月什一 イラスト/ミユキルリア
「西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 7」著/ぶんころり イラスト/またのんき▼
「教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目」著/さがら総 イラスト/ももこ

12月25日発売 オーバーラップ文庫
「サイコパスガール イン ヤクザランド 1」著/木質 イラスト/南十字星

12月30日発売
「天才少女Aと告白するノベルゲーム」著/三田千恵 イラスト/しぐれうい

以上になります!
注目の新作は「魔女の花嫁 seasons beside a witch」「サイコパスガール イン ヤクザランド 1」の2作品。前者は個人的に応援している空伏空人さんの新作。後者はオーバーラップ文庫の新人賞受賞作なんですけど、タイトルがものすごいので気になってます…
シリーズ続刊は「生徒会探偵キリカS1」「教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目」に注目!キリカは約4年ぶりのシリーズ続刊!再始動!ということでめっちゃ楽しみです!教え子は毎回安定して面白いので今回も楽しみです!前回ちょっと動きもありましたしね!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)
今月もよろしくお願いします!

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