2020年05月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは沙川りささんの「鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫」です!
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かつて海沿いにあった小寺という領。そこは優秀な人格者が治める場所として領民は幸せに暮らしていたが、青山という領の者が鬼となり彼らを襲ったことで崩壊する。以降、小寺の人々は散り散りになり鬼から隠れながら暮らしていた。それから30年後、薬師の文梧は小寺の民を助けるため主水という青年と共に各地を巡っていた。一方、遡ること3年前小寺の領主である菊は元信という青年に窮地を助けられる。彼の剣技を見て自らの手で民を守りたいと感じた菊は元信に剣の教えを乞う。そして2人は次第に惹かれていくが、待ち受けていたのは過酷な運命だった。

第5回角川文庫キャラクター小説大賞優秀賞受賞作。帯の和製ロミオとジュリエットという謳い文句に惹かれて手にとった次第ですが、大当たりでしたね。とても面白かったです!

かつて存在した小寺という小さくも良き領主と良き民に恵まれた領。しかし突然青山という領の民が鬼となり小寺を襲ったことで彼らは長期に渡る逃げ隠れる生活を余儀なくされます。鬼となった青山の民は小寺の血を吸うという設定は吸血鬼のようで、文章からその恐ろしさと気味の悪さが伝わってきます。

物語は薬師・文梧の現在を描くお話と元信と菊の決して結ばれない2人という二つの時間軸で進んでいきます。

薬師の文梧は自らに課したある使命を持って小寺の民を助けます。薬師としてだけではなく、時に小寺の民を血を吸わんとする青山の民を倒し、時に自らの命を狙う青山の民を倒す。凛とした彼の戦いぶりは読んでいて背筋がぴんと伸ばされるかのようでした。そして彼らは竜胆という1人の少女を助けます。なぜか青山の領へ行こうとする彼女に同行することになった元信と彼の助手である主水。旅のなかで竜胆のことを知り、そして青山に近づいたところで…

一方、もう一つの時間軸では小寺の領主・菊と謎の青年・元信の悲恋が描かれます。命を元信に救ってもらい、彼の剣技を見て教えを乞うことになった菊。次第に彼の強さと優しさに惹かれ、元信もまた菊の美しさと力強さに惹かれていきます。しかし2人の恋は決して結ばれないもの。菊は小寺の領主であり、元信は…そんな2人ではありますが、共通の目的のため共に歩むことを決め青山の領へ戦いへ向かいます。

終盤では2つの時間軸が合流し、薬師の文梧が、彼の助手である主水が、そして竜胆が小寺と青山に纏わる鬼の歴史を断ち切るために戦うことになります。結末はこれ以上なく素晴らしいもので、竜胆の決断もよかったと思います。

和製ロミオとジュリエット。悲恋だけでは終わらない素晴らしい作品でした。気になる方はぜひ。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫



著者



沙川りさ



レーベル



角川文庫



ISBN



978-4-04-109204-0


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはカルロ・ゼンさん、蝉川夏哉さん、 津田彷徨さん、暁なつめさん、長月達平さん、日向夏さん、柴田勝家さん、理不尽な孫の手さん、円居挽さん、みかみてれんさんの「作家逃亡飯」です!
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コミケで同人誌を発行する作家軽飯の作品の書籍化(と言っていいのか)作品!収録されているのは「作家軽飯」「じゃがトマ警察の生理学」「作家重飯 魚編」「異世界ヒッチハイク・ガイド」「作家重飯 肉編」の5作品です。それぞれが一種アンソロジー的な形式で一つの作品となっており、それをまとめて「作家逃亡飯」としているのでかなりのボリュームですね。ちなみに「作家軽飯」「作家重飯」は同人誌版を買わせていただいています。1作品ずつ紹介しようかと思ったのですが、それだとおそらく4000〜5000字は固い超重たい感想になってしまうので(^_^;)上記5つをそれぞれ簡単に感想書いていきますね。

作家軽飯
サークル作家軽飯の初同人誌にあたる作品。この時は僕もコミケに出展側として参加していて「あっ、津田さんの同人誌読みたい!」と思って午前中には買いに行くつもりでした。それがまさかの発行部数100部。100部って…嘘やろ…?と思っていたら光の速さで完売していてとにかくすげーしか言葉がなかったです…はい。ちなみに後日メロンブックスで買いました。
閑話休題。
カルロさん。蝉川さん、津田さんの3人がそれぞれ神保町界隈のお店を紹介するレポ的側面が強い作品が収録されています。締め切りから逃げ、編集から逃げる御三方のそれぞれが食べるご飯はどれも美味しそうでしたね。個人的にはカルロさんの1000円コース、津田さんのトリコロールカラーを胃にがお気に入りでした!

じゃがトマ警察の生理学
小説家になろうをはじめとしたネット小説界隈で「中世ヨーロッパにじゃがいもはない!」というようなツッコミをしてくる人々たちのことをネタにした論文集?形式の作品。個人的には蝉川さんの作品が1番好きでしたね。ストレートに刺さりました。カルロさんのはなんだか脳内ジャックされた感じになって楽しかったですw 津田さんはさすが本業が本業とあって(?)かっちりとしているようで、その実書いていることはじゃがトマ警察という奇妙な感覚に陥りましたね。

作家重飯 魚編
これは暁なつめさんが強すぎる!なんなんだこの人!魚食べに来たのにめんどくさがって帰ろうとするし、魚じゃないもの食べようとするし…暁さんの編集さんのやりとりで5分アニメワンクールいけるんじゃないですか?津田さんの首折れ鯖のお話からのあの謎SF作品の爆誕には笑いましたw あと165pの津田さんのセリフに「むぅ」が出てくるんですけど、これがこの作品1番の萌えポイントでしたね。むぅ。

異世界ヒッチハイク・ガイド
柴田勝家さんの前書きが面白くて面白くて…まるで落語のような語りから語られるPNの由来がめっちゃ面白かったです!もちろん柴田さんの作品も面白かったですね!名前を生かしたこういう召喚もの好きです!カルロさんのはまた奇妙に脳を侵食してきますね…長月さん、蝉川さんの作品は短いながらもすごく面白かったですね!日向さんの作品は癒しでした…積本20冊ですか…僕なんて300冊はありますよ(張り合う部分ではない)最後は津田さんが綺麗に締めて満足度は1番高かったです!

作家軽飯 肉編
魚ときたら肉ということで今度はお肉を食べにいくお話。ここでも暁さんが優勝してましたね…マジで暁さんの編集さんとのやりとりを書籍化した作品とか出ませんか?みかみてれんさんの作品は楽しかったですね!佐伯沙弥香についてはマジで強いので全人類読んでほしいですね。長月さんの作品は異様に羊肉が食べたくなりました…個人的に牛豚鶏よりも羊鴨が好きなように獣臭い肉のほうがいいんですけど、それはそれとして美味しい羊は食べたい…理不尽な孫の手さんの味噌カツも美味しそうでしたね…

以上になります!同人誌版のデザインを踏襲しながら5作品それぞれ魅力のある作品になってましたね!豪華な執筆陣もさることながら、作家さんの素を感じる文章が読んでいて心地よかったです!同人版5冊買うより断然おトクなので気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



作家逃亡飯



著者



カルロ・ゼン 蝉川夏哉 津田彷徨 暁なつめ 長月達平 日向夏 柴田勝家 理不尽な孫の手 円居挽 みかみてれん



レーベル



星海社



ISBN



978-4-06-519944-2


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは堂本裕貴さんの「ネクロマンス(3)」です!
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前巻の記事↓
ストーリー A
魔剣を求めて旅をするシブキたち。彼らは次の目的地であるプラチナ王都に向かう途中、謎の結界に囲まれたエルフの森に行手を阻まれる。エルフたちには長年子どもたちがおらずシブキはエルフたちに子どもを作るように迫られるが…そして王都に到着したシブキたちは教会へと向かうが、サフィの代わりに聖女を務めるエリーゼが現れ…

〜触れられなくても気持ちは側に〜
シリーズ第3弾!今回はサフィちゃんがめっちゃ可愛かったですね!いやいつも可愛いんですけど、恋する女の子の恥じらいが最高に可愛くてもう悶えまくりでした!面白かったです!
相変わらず触れることができないままのシブキとサフィ。ときにバニラにからかわれながらも、2人のペースで距離を縮めていく姿は見ていてニヤニヤできたり微笑ましかったりと読んでいるだけで幸せになれますね!王都に向かう途中、結果が張られたエルフの森で一悶着…うーん、この世界の人間以外の生き物性欲強すぎでは?エルフさんたちは最初は結構強引な感じでしたけど、最後はあんな風にお見送りして爽やかでよかったですね。そして王都へやってきたシブキたち。サフィの人気は凄まじいですね…1巻冒頭でわかっていたことではあるんですけど、それでもこうして描写されると改めて彼女が聖女なんだと認識させられますね。そしてシブキとサフィが…もうなんなんすかこの展開…最高かよ…エロいというよりサフィの恥じらう恋する乙女の表情が本当に最高にかわいくてこんなサフィを抱きしめることもできないシブキは…最後まで
最高のラブコメでした!

キャラ A
シブキはバニラとかエルフとかに迫られた鼻の下伸ばすくせに最後はきちんとかっこいい男の子になるんだからずるいですよね。サフィは本当に可愛すぎてどうにかなるんじゃないかってくらいでした…守りたいこの子の笑顔…リコも要所でしっかりと笑いを届けてくれますね!いやツッコミ要員ではないんですけど…

最後に
今回もすごく面白かったです!サフィちゃんがかわいくて本当に最高でした!次は長旅になるようなので?教会絡みのお話はもうしばらく先ですかね?なにはともあれ4巻も楽しみです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



ネクロマンス(3)



著者



堂本裕貴



レーベル



マガジンコミックス



ISBN



978-4-06-519129-3


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは年中麦茶太郎さんの「終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか?」です!
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ストーリー A
内容は、神々が気まぐれに世界を崩壊させかねないレリックキャリアーという化物を地上に送り込む世界。若干15歳にしてブルーフォレスト公爵として世界を救ったリヤンはかつて兵器として生み出された少女・レイと共に世界の危機と隣り合わせの日常を過ごしていた。そんなある日、2人が討伐したレリックキャリアーから1人の少女が…彼女は自らをアマデウスと名乗りリヤンとレイをパパ・ママと呼び始める。とびっきりかわいいアマデウスを溺愛しながら2人は新たに増えた家族と共に日常を過ごすが、ある日アマデウスの正体が明らかとなり…とこんな感じです!

〜パパとママが大好きで〜
年中麦茶太郎さんの新作!個人的には初挑戦の作家さんですね。まず言わせてください…表4!背表紙!「神竜」じゃなくて「新竜」になってる!誤字王の僕が言うのもアレですけど最近こういうの多くないですか…?てか表4はまだしも背表紙はまずいですよ…棚差しだったら正式なタイトルわからないじゃないですか…表紙と奥付だけは「神竜」になってますし…色稿で気づかなかったんですか…?と物語に関係ない部分ばかりお話してしまいましたが…とびっきりかわいいアマデウスを十五歳夫婦のリヤンとレイが愛でて悶える日常シーンと戦闘シーンのバランスがいい賑やかなファンタジーでした!面白かったです!
まず序盤は作品の世界観が語られていきます!魔族や人間が暮らす賑やかな街で、神々の気まぐれによって世界がギリギリ滅ばずに保たれているという感じでしたね。あとがきに意識した作品?の名前が出てきてますけどこういった作品が好きなかたはまず間違いなく世界観でハマりますね!そして物語は15歳夫婦のリヤンとレイのお話へ。この2人…もしやバカップル?※バカップルでしたというようなやりとりは思わずニヤニヤさせられますね!戦闘でも2人の呼吸はぴったりでまさに比翼連理!敵であるレリックキャリアーの泣き声がなんだか悲痛でしたね…うん…てかちょっとメタっぽい?ですね…そしてレリックキャリアーからアマデウスちゃん登場!アマデウスちゃんはマジで天使でしたね…かわいい…かわいい…リヤンとレイが溺愛するのもわかりますw アマデウスのかわいい姿を見て悶えるバカップル夫婦。そしてそれを喧嘩やなんかヤバいとアマデウスに思われてなでなでされてまた
悶えるバカップル夫婦…尊いか?尊いなのか?そして物語は終盤へ。アマデウスの正体が明かされリヤンとレイは巨大な竜と戦うことになります。終盤の展開は盛り上がりましたね!ラストは家族もの的な温かさを感じるエンドで非常によかったです!最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
アマデウスちゃん尊すぎでは?ちっこくて銀髪でなんか体がふにふに柔らかそうで絶対ミルクみたいな香りしていて…かわええ…てぇてぇ…リヤンはレイのことアマデウスのことを1番に考えて行動できる優しい男でしたね。レイはアマデウスが引いちゃうくらいアマデウスのことを愛でる元兵器の人造エルフ。リヤンのことをものすごく大事にしていて、2人の絆を感じました。

最後に
面白かったですけどマジで表4と背表紙…タイトルはせめて間違えてほしくなかったですね…せっかくいいお話なのに物語以外ででマイナスポイントあってもしょうがないですよ…15歳バカップル夫婦のラブコメとアマデウスちゃんのてぇてぇはすごく良かったので続刊楽しみにしてます。

どんな人にオススメか?
15歳夫婦のバカップル親バカな関係性にびびっときた方は!とにかく読んでいて尊いが止まらなくなる作品です!ラブコメとバトルのバランスもよかったですし、リヤンとレイそしてアマデウスの絆を感じる作品でした。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか?



著者



年中麦茶太郎



レーベル



GA文庫



ISBN



978-4-8156-0562-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは赤坂アカさんの「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜18」です!
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前巻の記事↓
ストーリー A
ついに三学期を迎えたかぐやと御行。2人は生徒会室でイチャイチャするくらいには恋人として成長?していた。そんなある日、石上がついに子安先輩とデートすることに!豊富な経験?に基づきデートの相談を受けるかぐやだが案の定石上のプランは絶妙に気持ち悪く…一方の早坂はある命令が下り…とこんな感じです!

〜このラブラブは不滅〜
シリーズ第18弾!累計1000万部突破!すごいですね…てかもう4年もやってるんですか…僕が20歳の頃に始まった作品ですよ…すごいです…今回も安定してラブコメは楽しくギャグは面白くそして後半顔を覗かせるシリアスは面白くと存分に楽しませていただきました!面白かったです!
まず初手。かぐや様の友達判定怖すぎません…?どこのスパイを軽快する独裁国家の王様か?ってくらいの怖さ…こぇえ…とおもていたら次は安定のギャグ。さくらんぼの茎を口の中で結べるかという勝負をすることに。うん。バカだ。でもそれが面白い。好き好きモードなかぐや様も激かわでしたね。この女の子、マジで乙女してます…石上デート話は今回が前半戦という感じでしたけど、石上の思考からただようこの絶妙な臭さが最高でしたね…そしてかぐやや早坂が考えたプランを裏で握り潰す子安先輩ぱねぇっす(語弊)。そしてお話は修学旅行編へ。ある命令が下った早坂とそれを修学旅行直前に知るかぐや…四宮家は本当に…今回も最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
かぐや様の好き好きモードが可愛すぎますね。修学旅行行ってからの早坂にぎゅっとしてるのも非常にグッドでした!そして伊井野!マジでチョロすぎますね…お前石上にこんな態度取らないだろうって態度をあっさり取ってくる!いいですねこのチョロさ…御行は今回あまり出番はありませんでしたが、ギャグにラブコメにと要所でビシっと魅せてくるのはさすがです。

最後に
今回も安定して面白かったです!次回はクリスマス回以来のシリアス&恋愛方面が一気に動く感じですかね?四宮家のことも気になります…続刊待ってます!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜18



著者



赤坂アカ



レーベル



ヤングジャンプ



ISBN



978-4-08-891527-2




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