2020年08月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはクボタロウさんの「魔女に育てられた少年、魔女殺しの英雄となる 1」です!
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ストーリー A
内容は、異世界に転生するも忌子として森に捨てられたアル。彼を拾ったのは魔女のメーテと狼のウルフだった。2人の愛情を受けて育ったアルは幸せに暮らしていたが、ゴブリンの襲撃を機にメーテから外の世界を見て知見を広めることを勧められる。そこでアルが知った【禍事を歌う魔女】とはは…とこんな感じです!

〜メーテを守れるように〜
第4回カクヨムWEB小説コンテスト特別賞受賞作!王道の異世界転生ものとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!
転生するも忌子として森に捨てられてしまうアル。彼は魔女のメーテと狼のウルフに拾われ育てられることに…序盤は転生したての本当に赤ちゃんという感じのアルのことが丁寧に描かれていて好印象でしたね!メーテとウルフの(過剰な)愛情を受けて育つアルくんは幸せそうでした!そしてもう少し大きくなり、魔法や体術といった知識を得るアル。こうやって幼少期に強い人から知識や技を教わって強くなるの、転生ものの醍醐味感あります。そしてアルたちの森に侵入してくるゴブリンとオーク…この襲撃を機にメーテはアルに外の世界を知ってもらおうと旅に出ます。中盤以降はこの旅が中心となり、旅先で出会うソフィアをはじめとしたキャラや旅先の城塞都市のお話に。ソフィアをあんなにツンデレにしちゃうアルくんは罪深い男です…終盤ではピンチを乗り越えて一つ成長するアルの姿が印象的でした!派手さはないものの、堅実に面白く異世界転生ものとしえ最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
アルは優しい男の子でしたね。転生したという事実をメーテたちに悪していることを騙していると思ったり、魔物や人を傷つけることを恐れたり…このまままっすぐ育ってほしいですね…メーテはアルの良き師であり良き母であり良き姉でしたね。魔法の才能に優れ、圧倒的な力で敵を屠ったかと思いきやアルのこととなるとゲキ甘に…見ていて楽しい女の子でした!その他のキャラも魅力的でした!

最後に
王道かつ堅実な異世界転生ファンタジーとして楽しく読ませていただきました!これからどんどん面白くなるタイプの作品だと思うので2巻も楽しみです!

どんな人にオススメか?
異世界転生ものが読みたい方は!手堅く王道なストーリーが魅力です!優しいアルとメーテ、ウルフの3人が中心の物語は読んでいて楽しいです!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



魔女に育てられた少年、魔女殺しの英雄となる 1



著者



クボタロウ



レーベル



角川スニーカー文庫



ISBN



978-4-04-109400-6


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはミナミさんの「嘘月-ウソツキ-3」です!
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ストーリー A
宮村に誘惑の力を使ってしまった蒼。誘惑から宮村を解放するために月を見るように伝えるが、その日は雨…それでも誘惑の能力に囚われている宮村は雨の中自転車を走らせ月が見える場所を探すが…一方、椎名は雨夜の言葉で本当に自分がしたいことに気づきある決断をするが…

〜この好きは呪い〜
シリーズ第3弾!2巻まではわりとダークな方に持っていくのかなと思っていましたが、割と爽やか青春エンドが見えてきましたかね…?今回も面白かったです!
宮村に誘惑を使ってしまった蒼。そして誘惑に逆らえない宮村は雨の中月を見に行ってしまい…改めて誘惑の力はすごいと思うと同時になんかその弱点?みたいなものも見えてきましたね。そして雨の中自転車を漕いだことで風邪をひいてしまった宮村を看病することになった蒼。普段は意識していなかった宮村の女の子っぽいところにたじたじなのは見ていて思わずニヤニヤしちゃいましたね。そして告げられる宮村の気持ち。それは誘惑の力かと思っていたが…この後の蒼の宮村に対する対応はすごく誠実でグッドでしたね!そして雨夜の言葉で自分と向き合い始めた椎名先輩。椎名先輩も色々悩んだとは思うんですけど、今まで自分を自分で苦しめていた過去からこうして抜け出したので応援したくなっちゃいますね…そして終盤は柏木さんのターン。初めての経験もたくさんあったとは思いますが、こうして悩んで悩んで悩んだ末にきちんと決着をつけられてよかったですね!椎名先輩のお話からダークさは無くなっていきましたが、今回も最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
宮村ちゃんかわいいですね…普段ぶっきらぼうでボーイッシュな女の子が雨の中で弱っていたり、風邪をひいて甘えてきたりするとぐっとくるものがありますね!椎名先輩は自分に向き合えたようで何より。柏木さんは色々初めてのことに直面しながらもそれをしっかり乗り越えていきましたね!これからもヒロインとしいてさらに魅力を増していきそうです!

最後に
3巻も楽しく読ませていただきました!ここから恋愛方面はわりと爽やかな感じになっていくんですかね?蒼くんはちょっと心配ですが…なにはともあれ4巻も楽しみです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



嘘月-ウソツキ-3



著者



ミナミ



レーベル



少年サンデーコミックス



ISBN



978-4-09-850162-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは坂石遊作さんの「最弱無能が玉座へ至る 1 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる~」です!
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ストーリー A
内容は、様々な種類の異能と様々な種類の種族が共存する世界。15歳になっても能力が発動せずに落ちこぼれ扱いされるケイル。彼はある日、敵に追われる吸血鬼の少女・クレナに出会う。彼女の眷属となったことでケイルはどんな亜人の特性にも適応し眷属ながら最強の力を得るという能力に目覚める!落ちこぼれだったケイルが最強へ上り詰める学園ファンタジーの開幕!とこんな感じです!

〜無能力の落ちこぼれが眷属なら最強?〜
坂石遊作さんの新作!参加させていただいているHJ文庫公式レビュアープログラムの作品となります。シンプルかつ王道な最弱が最強になる!という学園ファンタジーでした!面白かったです!
15歳になっても異能が発現せず落ちこぼれ扱いされるケイル。学校では半ばいじめられ、剣姫と呼ばれるほどの異能の持ち主である妹のミュアとも比較され…ケイルの境遇はなかなか厳しいですね…そんなある日、敵に襲われている吸血鬼の少女・クレナに出会うことで運命が変わります!ピンチの彼女を救うために眷属になった(させられた)ことで能力に目覚めます!それは眷属ながら主をも超える能力を手にする力…その力で敵を追い払ったケイルは、転校生として学園にやってきたクレナと再会し彼女の護衛になることに!学園内で繰り広げられるクレナとの賑やかなやりとりは見ていてすごく楽しかったですね!吸血鬼ならではの吸血シーンもグッド!妹のミュアや虎獣人の先輩・アイナ、クレナの護衛のファナといった魅力的なヒロインたちとのやりとりもグッドでした!そして中盤以降はクレナを取り巻く問題へ…クレナは高貴な血筋なのになぜ吸血鬼領から出て学園に通い始めたのか。彼女の故郷で始まる陰謀…ピンチがケイルとクレナに襲いかかりますが、主と眷属、雇い主と護衛、吸血鬼と人間…そんな関係を超えた先にある信頼感でピンチを乗り越えていきます!終盤のバトルシーンも読みやすくいい塩梅で中二心をくすぐるギミックもあったりしてすごく盛り上がりました!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
ケイルはクレナのために一生懸命行動している姿がグッドでした!最初は好き好んで眷属になったわけではなかった彼が、クレナの話を聞き彼女を知っていくうちに護衛としてそれ以上の存在として隣で戦うことを決め敵に立ち向かっていく姿は魅力的でした!クレナは女の子らしい可愛さと脆さが魅力的でしたね。ケイルの前では強がって見せたり照れたりしますが、目に見えないところでいっぱい悩んだりしていて…ヒロインとしての魅力抜群でした!その他にも妹のミュア、アイナ、ファナ、クレナを狙う敵など魅力的なキャラがストーリーを盛り上げていました!

最後に
ストレートで面白い最弱から最強を目指す学園ファンタジーでした!巻を重ねるごとに面白くなっていくと思うので続刊楽しみです!

どんな人にオススメか?
学園ファンタジーが読みたい方は!シンプルかつ王道で最弱だった主人公が最強のちからを手に入れてヒロインを一途に守ろうとする姿がグッドです!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



最弱無能が玉座へ至る 1 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる~



著者



坂石遊作



レーベル



HJ文庫



ISBN



978-4-7986-2265-1


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはなみあとさんの「うちの作家は推理ができない」です!
⚠︎若干のネタバレありです。
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「宝石吐きのおんなのこ」で有名ななみあとさんの作品。優しい雰囲気が印象的な日常ミステリでした。

現役大学生推理小説家の二宮花壇。売れっ子な彼の担当をすることになった左京真琴だが、書いている物語の推理パートを忘れてしまうとい悪癖を持っていてた。締め切りになっても原稿を上げられない彼のために真琴は一緒に推理パートを考えるのだが…

物語は連作短編形式で描かれます。一話一話のお話は花壇が推理パートを忘れ、真琴が推理パートを思い出させる/考える手助けをするという部分が中心となります。推理小説の推理パートを考えるというミステリはなかななか斬新で、真琴の気持ちになって物語を読み進められるのはミステリならではの面白さがありました。

花壇と真琴の関係も素敵でした。作家と編集というビジネスライクな関係以上に、お互いがお互いを(文句を言ったりしながらも)信頼しているのが何気ない日常の会話から伝わってきます。

上記の2人の関係性は花壇が書く小説からも伝わってきます。花壇は「自分自身と真琴が日常の謎を推理する」という小説を書いているのですが、彼の書く小説からも花壇がいかに真琴のことを信頼しているのか、どういう風に思っているのか読み取ることができます。

各話で謎として提示されるのはいわゆる日常の謎。誰かが死ぬような劇的な事件は起きませんが、ミステリとしての読み応えはばっちり。推理パートを考察するシーンは自分の考えと比べてなるほどとなる部分も多かったです。

ラストのお話も良かったですね。花壇は真琴からクソガキと思われているそうですが…こんなことしているようじゃその評価はまだまだ変わりそうにないですね(苦笑)花壇くんには頑張って欲しいです。

日常の謎を楽しめる優しさを感じるミステリでした。花壇くんと真琴さんの関係もグッド。気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



うちの作家は推理ができない



著者



なみあと



レーベル



二見サラ文庫



ISBN



978-4-576-20102-3


表紙の画像は「版元ドットコム」様より

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは綾里けいしさんの「魔女の愛し仔」です!
⚠︎ネタバレありです。
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ストーリー A
内容は、魔女集会の夜。生贄として魔女に捧げられた少女・サラはエルこと古き魔女・エンゲル・ヘクセンナハトに拾われる。サラはエルの愛し仔として彼女の身の回りの世話をすることに。幸福になれなかった物語の管理を行うエル。そんな幸せになれない物語を終わりに導くためにサラは禁忌を破って物語の中へ飛び込むが…とこんな感じです!

〜幸福になれなかった物語は救えますか?〜
綾里けいしさんの新作!物語のメインは幸福になれなかった物語を在るべき結末へ導く、というのがメインなのですが魔女のエルと人間のサラの関係もグッドな作品でした!面白かったです!
物語は魔女集会に招かざれる生贄少女・サラがやってくるところから始まります。エルという魔女に気に入られて?彼女と愛し仔として彼女は成長していくことになります。幸福になれなかった物語を管理するエルが書架に管理する物語に興味を持ち、それらの物語を幸せな結末に導くべくサラは物語に飛び込みます。お話は短編連作形式で構成されていて、サラが飛び込む物語ひとつに対して一話という形式ですね。幸福になれなかった物語はどれも有名な童話で白雪姫や人魚姫、ちょっとマイナーなところでいばら姫なんかもあったり…みんなが知っている通りの幸せな結末ではない物語を正しく導くべく奮闘するサラとエル、そして物語の登場人物たちのやりとりは見ていて楽しかったですね!しかし物語の終わらせ方は驚くべきものもあり…こういうダークテイストは綾里さんらしさがありましたね…物語の世界を終わらせる一方で展開されていくエルとサラのお話は…これもまたハッピーエンドかバッドエンドか解釈が分かれそうですね…最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

以下僕の解釈とネタバレです(文字の色を白くしてます)。
個人的な解釈として、この物語自体、エルとサラのお話自体が「幸福になれなかった物語」だと思うんですよね。そうだとすると、247pまでの物語で「幸福になれなかった物語」が成立して、最後がうまく繋がるのかなと。最後にエル視点で「幸福になれなかった物語」にダイブしているからこそ、もう一度、物語を始めようという言葉が成立する…そうだとするとこの物語の終わり方としてはバッドエンドですね。多分。幸福になれなかった物語なので。

キャラ A
サラは好奇心旺盛で物語を幸せな結末に導くために奮闘している姿が印象的でしたね。エルのことをお師様と呼ぶ姿はめっちゃ可愛かったです!エルは魔女っぽいというか、物語に対しては合理的だったりするくせにサラのことになると涙を流したり人間らしい感情を見せてその二面性が印象的でした。

最後に
ダークテイストなファンタジーとして楽しく読ませていただきました!1巻完結ですかね?また綾里さんが星海社から作品を出すなら読みたいです!

どんな人にオススメか?
ダークなファンタジーが読みたい方は!魔女と人間の少女の関係性、幸せになれなかった童話を幸せに導くお話は読んでファンタジーの醍醐味であるワクワク感を味わえる上に、物語の結末には考えさせられます。気になった方は!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



魔女の愛し仔



著者



綾里けいし



レーベル



星海社FICTIONS



ISBN



978-4-06-520439-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


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