2020年10月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは作者さんの「アーモンド入りチョコレートのワルツ」です!
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森絵都さんの作品。「DIVE!」「カラフル」など有名な作品も多いですね。個人的には中学二年生の頃に読んだ「カラフル」以来の森絵都さんの作品になります。本作が発売されたのは1996年10月とのこと。24年前の作品ですね。しかし今なお色あせない魅力があり、僕の手元にある文庫もちょど2ヶ月前に重版した39版でした。長く愛されていますね。

この作品は前3編の短編で構成された短編集になります。それぞれのクラシックの楽曲がモチーフになったお話です。それら3編について簡単にご紹介。

子供は眠る
お金もちの章くんの別荘に親戚の子供たち5人が集まり、夏休みの2週間を過ごすのが毎年の恒例な智明。しかし今年の夏はいつも仲良く過ごしている5人に不協和音が生まれて…
夏休み。子供たちだけの別荘(正確には別荘を管理する小野寺さんがいます)。みんなの憧れの章くん。そして彼に従う智明を含めた4人。学校とは違う非日常を過ごす彼らは、最初はすごく楽しそうに語られますが、智明がちょっとしたことから章くんに疑問を持ってしまったことで5人は徐々に分裂していきます。青春ちょっと手前の中学生・小学生たちが抱えるもの、感情、心情、屈託がちょっとした会話の中にギュッと詰め込まれていて読んでいて胸にすっと刺さりました。最後に眠っていた彼らを誰が運んでいたのかわかるシーンにははっとさせられました。

彼女のアリア
不眠症になった少年が旧校舎で出会ったのはピアノを弾く女の子・藤谷りえ子。同じく不眠症だという彼女と話が弾み、少年は週に1回彼女のピアノを聴き話をするために旧校舎を訪れるようになる。しかしりえ子に関するよくない噂を聞き…
本作品の中で唯一学校を舞台にした物語。突然不眠症になった少年。彼が出会ったピアノを弾く女の子。すごく綺麗な出会いの中で、徐々に始まるすれ違い。最初は共有していた不眠症があっさりと治ってしまった少年。そしてどこか話がおかしいりえ子。2人がそれぞれに抱えるもの、そして知ってしまうりえ子の噂。でも卒業式の日にあぁして出会いより素敵なことをして、笑いえるのはとても素敵だなと思いました。すべてがハッピーエンドでした。

アーモンド入りチョコレートのワルツ
変人として有名な絹子先生の元でピアノを習う奈緒と君絵。ある日、ピアノ教室に絹絵先生の知り合いだというフランス人・サティが現れる。絹子先生以上に突拍子もない行動をするサティに戸惑いながらも、徐々に彼を受け入れていく。しかし君絵がサティのことを好きになり駆け落ちしようとしたことで絹子先生とサティの間に不穏な空気が…
表題作。とても優しくて温かいくせにどこか鋭い。そんな作品でした。ピアノを習う奈緒と君絵、2人を指導する絹江先生、突然現れたサティ。4人はとても仲が良くて、木曜日にはいつもワルツを踊って楽しそう。でも君絵がサティに恋をして彼と駆け落ちしようとしたことで、物語は不穏な方向へ。奈緒と君絵。2人の少女がなにもできずに絹子先生とサティのことをおろおろと見るしかないのが、とても子供らしくこちらも悲しい気持ちになってしまいます。しかしクリスマスの演奏会に向けて頑張る2人の姿、2人の成果をワルツで受け入れる絹子先生とサティ。くすっと笑ってしまうようなラストも含めて素敵な作品でした。

3編ともクラシックをモチーフに中学生を瑞々しく描いていた素晴らしい作品でした。今なお愛され続ける理由は読めばわかります。気になった方は


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



アーモンド入りチョコレートのワルツ



著者



森絵都



レーベル



角川文庫



ISBN



978-4-04-379101-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは九曜さんの「放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ」です!
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ストーリー A
内容は、母子家庭の真壁静流は事故で母を失い孤独の身に。そんな静流の元に彼の父親を名乗る人物が現れ一緒に暮らさないかと提案される。だが、父親を名乗る男には娘がいてなんと学園でも有名な蓮見紫苑だった。突然義理の弟ができたことに戸惑い、それを隠していた父親に複雑な感情を抱く紫苑。そんな彼女と一緒に暮らすことになってしまった静流。学校で、家で、姉弟になってしまった2人のラブコメが始まる!とこんな感じです!

〜義姉は学園で人気の先輩で〜
九曜さんの新作!「佐伯さんと、ひとつ屋根の下」「廻る学園と、先輩と僕」は既読。久しぶりの九曜さんの新作ということで楽しみにしていました!九曜さんらしいどこか懐かしさのある、物静かな男の子と年上ガールのラブコメでした!面白かったです!
母子家庭で育つも母親を事故で亡くし途方に暮れていた静流。そんな彼の元に父親を名乗る男が現れるところから物語は始まります。いきなりなかなかハードな展開ですが、静流くんが感情希薄な少年なおかげか結構淡々と物語は進んでいきますね。そして父親を名乗る男の家に住むことになり、そこで出会ったのが学校で注目を集める美少女・蓮水紫苑。父親に隠し子がいたことすでになくなっている紫苑の母親以外の女性の子供である異母弟の静流に紫苑は複雑な感情を抱き…まぁ普通にどう接していいかわからないですからね…18歳になる年にできた17歳の弟なんて。しかも母親は違うわけですし…そんな2人は家族になった?ことは明かさずに学校生活を送ることに。かたや学校の人気者の紫苑、かたや目立たない静流ですが図書室を中心にラブコメ攻防戦が繰り広げられます。図書委員なので放課後はいつも図書室にいる静流、静流のことを気に入って自分と付き合わないかと迫る瀧浪泪華先輩。そして紫苑に、そんな図書室攻防戦の静観者である奏多先輩…泪華先輩の誘惑を無感情に交わす静流、静流にいろんなちょっかいをかける泪華先輩、そんな2人につい色々言ってしまう紫苑…3人のやりとりは見ていて楽しいですね!家では紫苑と仲が悪い?ながらも異母姉弟として、学校では泪華先輩の攻撃をあしらいながら紫苑と先輩後輩として?繰り広げる日常は読んでいて楽しかったですね!番外編には佐伯さんファンには嬉しいおまけエピソードもあり、最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
静流は感情が希薄な男の子。共感するタイプの男の子ではないですが、見ていて楽しい少年でしたね。紫苑は色々素直になれないところがかわいい先輩!普段は高圧的?というか上からな態度が多いですけど、静流から攻められると思わず赤面したりかわいい表情も見せてくれましたね!泪華先輩は静流が好きな綺麗系の先輩。なかなか激しいアタックに見ていて思わずハラハラしたり…まぁ静流に軽くあしらわれてしまうんですけど…

最後に
面白かったので2巻も期待してます!これから静流と紫苑の関係がどんな風に変化していくのか楽しみです!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
年上の女の子とのラブコメが読みたい方は!九曜さんの作品を読んだことがある方はもちろん、初挑戦の方も楽しめると思います!ただちょっとノリが合わない方もいるかと思うので個人的には試し読みからオススメしたいですね…ノリさえあれば楽しいラブコメだと思うので気になったかたは!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ



著者



九曜



レーベル



ファミ通文庫



ISBN



978-4-04-735868-6


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは七条剛さんの「僕の軍師は、スカートが短すぎる~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下」です!
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ストーリー A
内容は、頼みごとを断れないが故に色んな仕事を引き受けてしまい毎日終電まで残業している史樹。そんな彼の前に現れたのはお腹を空かせたJKの穂春。彼女を助けた史樹はお礼として史樹が会社で抱えるトラブルをあっさり解決してしまう。穂春の正体はなんと有名アイドルグループの影のプロデューサー?軍師?どうしても定時帰りしたい史樹とある事情から元いた場所に帰れない穂春。2人は利害の一致から一緒に暮らすことに!果たして史樹は軍師のアドバイスで変わることはできるのか…とこんな感じです!

〜社畜がJK軍師で大活躍⁉︎〜
七条剛さんの新作!GA文庫で活躍されるベテラン作家さんの1人ですね。個人的には初挑戦!まず言わせてください…この作品めっちゃ面白いです!いい!めっちゃいい!こういう社会人と女子高生のラブコメ待ってました!仕事はできるけどお人好しでなんでも仕事を引き受けてしまう史樹と、アイドルグループの軍師として所属グループを一躍有名にした穂春!2人の日常がとにかく楽しい!最高に面白かったです!
まず序盤。史樹の社畜生活が描かれます。知ってますか史樹くん。テレワークだと夜の2時まで仕事ができるんですよ(暗黒微笑)。という現実はさておき、そんな史樹が出会ったのはお腹を空かせた女子高生穂春。彼女を助けた史樹はお返しとして穂春から仕事をうまくこなすアドバイスをもらいます。すると驚くことに仕事がうまくいき定時退社成功!そしてある事情から定時で帰りたい史樹と元いた場所に戻りたくない穂春の思惑が一致し2人は一緒に暮らすことになります。ここからの穂春の軍師っぷりは凄かったですね…心理学などに基づいた理論や行動で史樹をどんどん変えていきます。見た目から始まり交渉術に話術…無名のアイドルグループをトップアイドルにまで押し上げた穂春の力でどんどん史樹は変わっていきます!中盤以降の史樹は本当にかっこよくて読んでいて何度も「めっちゃイケメンやん…」と思わずいってしまうほど…物語は中盤から終盤にかけて穂春が軍師をするアイドルグループと穂春の過去をきっかけにピンチに…でも穂春と史樹が目の前の問題を冷静に対処して策を練って乗り越えて、そして最後はきちんと元の場所に帰ってきて、本当に最高のコンビで最高のパートナーという感じでしたね!最後まですごく楽しませていただきました!面白かったです!

キャラ A
史樹は最初は冴えない社畜という感じでしたが、穂春のおかげでどんどん変わっていきましたね!特に最後の穂春ちゃんをしっかり守るところは本当にかっこよかったです!穂春ちゃんはかわいい大軍師!父親の影響で心理学とかに詳しくて人の心や行動を読むのが得意…そんな彼女が自分の持つテクニックや技術を史樹に教えてどんどん変えていく姿は本当に軍師のようでした!そして一人称がボクでちっちゃい感じが最高にツボ!こういう女の子大好きです!

最後に
めっちゃ面白い社会人×女子高生のラブコメでした!続きがとにかく読みたい!穂春ちゃんがかわいくて軍師な姿をもっと見たい!続刊!続刊!待ってます!

どんな人にオススメか?
社会人と女子高生のラブコメが読みたい方は!ラブコメ要素というよりも社会人要素が強めですが…穂春のアドバイスでどんどん変わっていく史樹、どんどんかっこよくなっていく史樹が本当に魅力的で2人の関係もグッド!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



僕の軍師は、スカートが短すぎる~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下



著者



七条剛



レーベル



GA文庫



ISBN



978-4-8156-0747-0


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)

さて、今回10月後半発売の注目ライトノベルを紹介していきます!後半は16日から30日発売のライトノベルです!この記事では僕が注目しているラノベを紹介しているだけで、10月後半に発売するすべてのライトノベルを網羅しているわけではないのであしからずm(__)m それではいってみましょう!

10月20日発売 星海社FICTIONS
「ゴミ箱診療科のミステリー・カルテ」津田彷徨(著者) 
「髭と猫耳」周藤蓮(著) 鍋島テツヒロ(イラスト)


10月21日発売 ガガガ文庫
「魔女と猟犬」カミツキレイニー(著) LAM(イラスト)



10月17日発売 富士見ファンタジア文庫
「人生∞周目の精霊使い 無限の歴史で修行した元・凡人は世界を覆す」師走トオル(著者) ミユキルリア(イラスト)



10月24日発売 MF文庫J
「探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」玩具堂(著者) 悠理なゆた(イラスト)
「今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3 3年分の「ありがとう」だよ、先輩」涼暮皐(著者) あやみ(イラスト)






10月25日発売 オーバーラップノベルス
「Doggy House Hound 1 猟犬継承」ポチ吉(著者) みことあけみ(イラスト)



10月30日 ファミ通文庫(B6)
「ボクは再生数、ボクは死」石川博品(著者) クレタ(イラスト)



以上になります!
注目の新作は「髭と猫耳」「ボクは再生数、ボクは死」です!「髭と猫耳」は昨日感想書いたのですが、めっちゃ面白い旅ものファンタジーなのでオススメです!「ボクは再生数、ボクは死」は石川博品さん久しぶりのファミ通文庫(B6)作品!VRでエロスとバイオレンスな作品らしいのですが、果たしてどんな物語を見せてくれるのか…
続刊は「「探偵くんと鋭い山田さん2」に注目!1巻では学園を舞台にしたいい感じの探偵ものを楽しませていただいたので2巻も楽しみです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

雑談。毎回のことですが、いつも通りエビデンスらしいエビデンスはないので反論とかあったらついったで理知的かつ理論的にお願いしますー。引用リツイートはNG。

今回はちょっと前に話題になったラノベの評論いるの?いらないの?についてある程度熱も落ち着いてきたので僕の意見。なんのことかわからない人はわかんなくていいですけど、とりあえずいちせさんのこの記事だけ見ておけばいいと思います。




今回もとっちらかるので結論から。
個人的に読み物としてラノベ評論読みたいけど別にいらない。そんなことより新作ラノベ売るのに力を入れろ。インフルエンサー増やせです。
それじゃはじめますか。

そもそもな話、ライトノベル評論やるっていってもここ1年のラノベまで含めて話せる人ってほとんどいなくないですか?いやいるかもしれないですけど、絶対に有名作だけになりますし、じゃあライト文芸(って言葉が僕は嫌いなのでソフトカバーのライトノベルレーベルとかって言います)とかキャラ文芸(ここではオレンジ文庫とか富士見L文庫を想像)をどう扱うかとか、きちんと読んでいるかとかそういうの絶対ないじゃないですか。ここ2年くらいのラブコメブームとか語れる人いないですよね?そもそもTwitterでラノベの評論がーとか言っている人、ラブコメブームとか知ってるんですか?未だに異世界ブーム!とか言ってるんじゃないんですか?毎年2000冊以上ラノベ出てるんですよ?知ってます?

あとラノベの評論が必要!とか言う人、いまだにラノベの定義論ですら化石じゃないっすか。そりゃラノベの評論がーっていう人、Twitterで見ているとおっさんが多いから当たり前なんですけど。じゃあ、そのおっさんが楽しい、おっさんのステレオタイプな定義や歴史観で行われる評論って結局おっさんしか楽しめなくないですか?で結局ここ1年くらいのラノベは知らないか、知ってても有名作だけになるんじゃないですか?

あとぶっちゃけラノベの評論ってどこ載せるんですか?知ってます?電撃文庫マガジンも休刊したんですよ?ラノベの雑誌ってもうドラマガしかないんですよ?文芸より雑誌が少なく(そもそも全編書下ろしなのがラノベ)新人賞以外に権威のある賞はこのラノだけって状況でラノベの評論書く人ってそもそも需要あるんですか?書下ろしでラノベの評論本でも出します?でもラノベの評論本ってここ数年のどれだけ売れたんですか?3、4万部くらい行きました?

そんなことに力を入れるよりも、とにかくラノベを売ることに力を入れてほしいんですよね。毎月50~100冊の新作が出るのに大半が打ち切り。最近では重版しても3巻までとか、コミカライズしても3巻でないとかそんなんばっかりですよ。そこに力入れないで、今あるラノベ売ろうとしないでなんで評論とか話になるんすか?絶対にラノベの状況知らないおっさんが懐古主義で適当なこと言ってるだけじゃないですか。

個人的にエンタメとしてラノベの評論は読みたいですけど、まず何よりもラノベ売ることですよね。じゃないと本当に評論とか言ってる間にラノベが本当に危うくなりますよ。

最後に最近のオススメ

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