2021年09月

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは遠宮にけさんの「あなたを愛しているつもりで、私は――。 娘は発達障害でした」です!
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深町夕子には七緒という他の子に比べて賢い娘がいた。しかし七緒は奇妙なこだわりを持ち一方的に他人に話し続けたり、同世代の子たちとは一才会話をせずに大人と話したがるなどコミュニケーションに問題を抱えていた。夕子は保育園からの勧めもあり七緒に検診を受けさせる。そこで七緒に発達障害の可能性があることを告げられる。普通とは異なる七緒に向き合いながら夕子は自分の進む道を探して行く…

第8回ネット小説大賞受賞作。担当が岡田さんというところから興味を持って手に取ってみました。普通とは何か、発達障害の七緒のために夕子は何をしてあげられるのか。読んでいる中でいろんなことを考えさせられ、そして彼女達の一つのゴールを見届けることができた作品でした。面白かったです。

普通とはちょっと違うこだわりがある七緒。七緒と同い年くらいの子が興味を示すものには無関心で数字や魚、機械に興味津々。そんな七緒のことをどこかおかしいと思いながらも母親として彼女に接する夕子の姿が序盤は描かれます。

そして夕子が教職に復帰するために七緒を保育園に預け始めてから問題が徐々に表面化してきます。他の子と遊ぼうとせずに自分の世界に閉じこもる七緒。そんな彼女の様子を見た保育園から検診を勧められます。そして発達障害(ADHDとASD)の傾向にあると診断されます。

ここから物語は本格的に動き始めます。どうしても七緒に普通になってほしい夕子。自分の親に縛りつけられた過去と夕子を縛り付けている現状。誰かに頼ることができない夕子は夫である誠司にも、同じ母親である妹の朝子にも、根っこの部分で相談することができずに七緒と2人の世界に閉じこもっていきます。

そんな彼女を誠司が、そして朝子がサポートしていく中で夕子は七緒に対して本当の意味で向き合っていきます。七緒もこれまではずっと自分の世界に閉じこもっているように見えましたが、夕子が変わったことでそうではないことに少しずつ気づかされました。

発達障害という昨今話題になる要素を物語の中に取り入れて、向き合って進むべき道を見つける。発達障害という言葉だけではわからない、根っこの部分を少しでも知ることができる作品でした。もちろん物語としても素晴らしく、七緒のこれからの人生が輝かしいものであることを願わずにはいられませんでした。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



あなたを愛しているつもりで、私は――。 娘は発達障害でした



著者



遠宮にけ



レーベル



宝島社



ISBN



978-4-299-01986-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは立川浦々さんの「公務員、中田忍の悪徳」です!
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ストーリー AA
内容は、区役所福祉生活課の係長として一目を置かれる中田忍。彼は冷酷で他人に厳しく自分にはさらに厳しいという男だった。そんなある日、彼が自宅に帰るとそこにはエルフの少女が。異世界エルフが保有する常在菌のリスクを警戒した忍は彼女を知床岬からオホーツク海の底に沈めようとする。しかし忍は友人の義光に頼りなんとかエルフを海の底に沈めずに彼女を守る方向に舵を切る。果たして忍はエルフとコミュニケーションをとることができるのか…とこんな感じです!

〜堅物公務員が異世界エルフを拾ったら?〜
第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作!発売前からあらすじやイラストレーターさんの改名?が話題になってましたよね…さて作品はというと…

最高に面白い


いや、なんですか。この言葉の暴力の塊みたいな作品は。ストーリーは大の大人3人がエルフについてあーだこーだいうだけ、劇的な物語もなければド派手なファンタジーもない。ただひたすらに文章で言葉でぶん殴ってくる。それなのに、異常なまでに洗練されて異常なまでに突き刺してくる。鬼才。間違いなく鬼才で奇才です。面白い。ただそれだけに脳内が支配されます。とんでもない化け物クラスの作品に出会いました。最高です!
物語は堅物な中田忍の日常が描かれるところから始まります!区役所の福祉生活課の課長として冷酷に生活保護受給者に関する取り決めを行う。部下を萎縮?させ理論で蹴散らす。あまりにも怖すぎます。中田さんが上司じゃなくて本当によかったです。そんな中田が家に帰るとなんとリビングに異世界エルフが。ここから物語は動き出します。忍の友人である義光はエルフの常在菌を心配して彼女をオホーツク海の底に沈めようとする忍をなんとか止め、彼女を保護する流れを作ります。とさらっと書くんですけど、常在菌の件で30p近く使う狂気ですよ…かつてライトノベルでこれほど常在菌という単語を見たことがあったでしょうか。いやない(断言)そして忍の部下である一ノ瀬由奈も加わりエルフとのコミュニケーションが始まります。これももうほとんど、言葉にしてしまえばエルフが何を食べるかとか排泄するのかとかそういうのを調べるだけなんですけど圧倒的に面白い。天才的なキャラ同士のやりとりが、地の文の言葉の暴力が、鉄アレイの塊になってガンガン脳をぶったたきます。こんなのズルいじゃん。絶対に面白いに決まってるじゃん。なんでいい歳した大人が3人も集まってこんなに大真面目にふざけたこと、ふざげて大真面目なことしてるんですか。なんですか除湿器の水って、なんですかかりんとうって!本当になんなんですか!ストーリーもキャラも文章もこれだけ理路整然としているのにこれだけ意味のわからないの絶対におかしいですよ。もうとにかくやばい。とんでもない化け物みたいな作品読みました。お前が2021年下半期ナンバーワンだ。

キャラ A
中田はとにかく冷酷で合理的で人の心が全くなかたですね…本当にロボットみたいなやつでした。異世界エルフことアリエルはこの作品唯一の癒しでしたね…君が空気清浄機だよ…義光は最初はまともで「この作品唯一の常識人…!」お喜んでいたんですけど、かりんとうで壊れました。疲れますよね…そりゃ…由奈さんはまともに見えて上司からのノーブラ命令にしたがったり、当然のごとく忍が女性関係のトラブルを起こしているのを見破ったりでなかなかの変態でしたね…

最後に
ヤバい。化け物みたいな作品です。えっ、これ続きとか出るんですか?2巻読めるんですか?読ませてください(土下座)

どんな人にオススメか?
とにかく読め。面白いから。いい歳した大人3人がこんなに真面目に、こんだけ馬鹿げた会話で、物語を成立させてしまう化け物みたいな作品です。暴力的でとにかくパワーオブパワーな文章にただぶん殴られてください。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



公務員、中田忍の悪徳



著者



立川浦々



レーベル



ガガガ文庫



ISBN



978-4-09-453029-2



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは岩柄イズカさんの「『ずっと友達でいてね』と言っていた女友達が友達じゃなくなるまで」です!
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ストーリー A
内容は、ネトゲ廃人な杉崎優真は相棒として戦ってきたシュヴァルツと高校入学を前にオフ会をすることに。するとやってきてのは白髪のとんでもない美少女・上城ゆいだった!生まれつきの白髪がコンプレックスで友達ができたことがないというゆいのために友達になることに!しかしかわいくて距離感が近いゆいのことにドキドキしっぱなしで…果たして2人は友達として仲良くなれるのか…とこんな感じです!

〜ネトゲ友達がかわいい〜
岩柄イズカさんの新作!前作「最果ての魔法使い」が好きだったので続刊楽しみにしてました!とんでもなくかわいいゆいとの関係性に悩みながらイチャイチャしまくる激甘なラブコメでした!面白かったです!
とあるオンラインゲームで相棒として戦ってきたユーマこと杉崎優真とシュヴァルツこと上城ゆい。そんな2人はある日、お互いが近所に住んでいることと同じ高校に入学することを知りオフ会をすることに。そして現れたのはとんでもないコミュ障のゆいで…序盤の流れは完璧でしたね。ネトゲで知り合った優真とゆいがオフ会することになってあってみたらゆいはとんでもない美少女…外でシュヴァルツ!と大声で叫ぶのはちょっと笑いましたw 小中学校にあまりいっていないこともあり友達がおらず、また白髪がコンプレックスなゆいのために練習をかねて優真が友達づくりの練習をすることに!優真と徐々に打ち解けていくゆいの日に日にかわいくなっていく姿が最高でしたね…最初は優真の顔すら見れなかったゆいが優真の腕に抱きついて外を歩くようになったりおしゃれしたりして…そんなゆいのことを親友と思いつつも、やっぱり異性としてみてしまい恋愛的な好きが抑えられない優真。しかしまだ恋がよくわからないゆいのためにその気持ちを押し殺しながら接します。そうした中で生まれるすれ違いを乗り越えて、甘々しつつ隣にいるのが当たり前の関係になっていくのはグッドでした!ラストもこの2人らしくて最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
優真はめっちゃ紳士な主人公でしたね…ゆいのことを誰よりも考えてゆいファーストで動ける…まっすぐでいい男の子でした!ゆいはもうとにかくかわいい!最初は目も合わせられないくらいオドオドしていたのに、優真の優しさによってどんどんかわいい女の子に変身していく…スキンシップが激しいのも小動物的でかわいかったです!

最後に
めっちゃ甘々なラブコメでした!これはぜひ2巻も読みたいですね!まだ付き合ってもいないのにこれだけ甘々なら2巻ではどうなってしまうのか…続刊楽しみにしてます!

どんな人にオススメか?
甘々なラブコメが読みたい方は!優真がとにかく優しくてそれに応えるようにかわいくて素敵な女の子になっていくゆいの姿がグッド!ゆいちゃんは本当にかわいいんですよ…気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



『ずっと友達でいてね』と言っていた女友達が友達じゃなくなるまで



著者



岩柄イズカ



レーベル



GA文庫



ISBN



978-4-8156-1052-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは杉井光さんの「楽園ノイズ3」です!
⚠︎ネタバレありです
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前巻の記事↓

ストーリー A

内容は、解散の危機を乗り越えたパラダイスノイズオーケストラのメンバー。しかしそこに新たな問題が。柿崎さんの会社の社長から芸能人夫妻の娘でモデルに俳優とマルチな活躍を見せる志賀崎伽耶が紹介される。なんと社長は彼女を新メンバー候補として真琴に紹介したのだ。しかもベースの腕は真琴以上。悩む真琴にメンバーたちの反応は…そしてクリスマスイブ。なんとメンバー全員とデートをする約束」を取り付けてしまった真琴は果たしてどうなってしまうのか…とこんな感じです!

〜新メンバー加入〜
シリーズ第3弾!コミカライズも決まり久しぶりに杉井光さんの音楽作品が3巻以上読めるというだけでめっちゃ嬉しいですね!今回も真琴たちらしい音楽とそしてまさか8年も前の作品を伏線にして物語を作ってくる杉井光さんにやられました…面白かったです!
前回なんとかバンド解散の危機を脱出したPMOのメンバー。しかし今度は柿崎さんの会社の社長が新メンバーといって芸能人夫婦を親に持つ才能の塊のような少女・滋賀崎伽耶を連れてきます。しかも伽耶にはPMOに加入することを前提に話を進めていて…いや…こういう人25年も生きているとみたことあるんですけどマジで迷惑ですよね…でも伽耶の気持ちも無駄にできなければ伽耶のベースの腕も無駄にできない。そんなわけで真琴はPMOを一時脱退して、伽耶にベースを任せてソロ活動をすることに。こういう優柔不断な選択は真琴らしいですよね(苦笑)そしてここからがすごい。杉井光さんが8年前に集英社から単行本として発表した「神曲プロデューサー」に出てくる蒔田シュンと窪井拓斗の話を回収してきます。読んだ時マジで驚きましたね…えっだってあれ僕が高校一年生とかで発表された作品ですよ?それを今になって…そしてそれがまた言葉にならないくらい素晴らしい。この女性だらけのバンドの話にしては珍しく男がメインのお話で、窪井拓斗と語り合ってセッションしてそして8年越しに作中の音楽を本当の意味で完成させちゃうんでうもん。本当にずるい。反則です。そしてクリスマスイブはPMOのメンバー全員に加えて伽耶とそれぞれデートをすることに…マジで真琴は何をかんがえているんですかね…そしてそれを成功させちゃいますし…最後のクリスマスライブ、そしてお正月のエピローグも含めて本当に最高でした!面白かったです!

キャラ A
真琴はなんかもう本当にすごい。優柔不断で伽耶をバンドメンバーとして受け入れるかどうかうじうじ悩むくせにクリスマスイブは躊躇なく4人の女の子ときっちりスケジュール管理をした上でデートをする。もう本当にさ…やっぱりベーシストはダメですよ。伽耶は後輩系の女の子!というこれまでにいなかったキャラで盛り上げてくれましたね!MUSA男時代からのファンというのはなかなかにコアですね…PMOのメンバーたちももちろん魅力的だったんですけど、やっぱり窪井拓斗。もう本当に最高でした。

最後に
個人的にとんでもないサプライズもありでここ数年読んだ杉井光さんの作品の中で最高の1冊でした!4巻も早く読みたいです!2巻、3巻とちょっとバタバタ感は否めなかったのでしっかり腰を落ち着けて音楽してほしいですね…4巻待ってます!


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



楽園ノイズ3



著者



杉井光



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913682-1


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
さて、今回9月後半発売の注目ライトノベルを紹介していきます!後半は16日から30日発売のライトノベルです!この記事では僕が注目しているラノベを紹介しているだけで、9月後半に発売するすべてのライトノベルを網羅しているわけではないのであしからずm(__)m それではいってみましょう!

9月17日発売 星海社FICTIONS
「九龍後宮の探偵妃」蛙田アメコ(著) Nardack(イラスト)
「僕が答える君の謎解き2 その肩を抱く覚悟」紙城境介(著) 羽織イオ(イラスト)





9月17日発売 電撃の新文芸
「勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録」ロケット商会(著者) めふぃすと(イラスト)




9月18日発売 ガガガ文庫
「嘘つき少女と硝煙の死霊術師」岸馬鹿縁(著) ノキト(イラスト)
「公務員、中田忍の悪徳」立川浦々(著) 楝蛙(イラスト)
「ロストマンの弾丸」水田陽(著) LOWRISE(イラスト)
「現実でラブコメできないとだれが決めた?4」初鹿野創(著) 椎名 くろ(イラスト)
「楽園殺し2 最後の弾丸」呂暇郁夫(著) ろるあ(イラスト)











9月18日発売 富士見ファンタジア文庫
「俺の『運命の赤い糸』に繋がってたのは、天敵のような女子だった件」赤金武蔵(著者) ゆきうなぎ(イラスト)
「人気声優とイチャイチャして結婚するラブコメ」浅岡 旭(著者) ベコ太郎(イラスト)
「王様のプロポーズ 極彩の魔女」橘公司(著者) つなこ(イラスト)
「実は同じ職場にあなたを好きな人がいます 転勤先は美女だけの営業所!?」波瀾 紡(著者) jonsun(イラスト)
「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた2」七斗 七(著者) 塩かずのこ(イラスト)
「【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。3」氷高悠(著者) たん旦(イラスト)
「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。 その3」長岡マキ子(著者) magako(イラスト)
「スパイ教室06 《百鬼》のジビア」竹町(著者) トマリ(イラスト)














9月25日発売 MF文庫J
「僕たちはまだ恋を知らない ~初恋実験モジュールでの共同生活365日~」鶏卵 うどん(著者) SuperPig(イラスト)
「君の足のためなら死ねる」刈野ミカタ(著者) BLADE(イラスト)




 

9月25日発売 オーバーラップ文庫
「ブレイドスキル・オンライン3 ~ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!~」馬路まんじ(著者) 霜降(Laplacian)(イラスト)
「駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2」書店ゾンビ(著者) ユズハ(イラスト)






9月30日発売 ファミ通文庫
「友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう」としぞう(著者) 雪子(イラスト)



以上になります!
注目の新作は「公務員、中田忍の悪徳」「友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう」の2作品!前者はガガガ文庫の新人賞を受賞した時点でそのあらすじが話題になっていた作品!最近も絵師さんのTwitter名変更で話題になっていましたよね…作品ももちろん面白そうなので楽しみです!後者はファミ通文庫さんを信じて…押しかけ女房的な同居ものラブコメらしいので楽しみです!

続刊は「現実でラブコメできないとだれが決めた?4」「【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。3」に注目!前回衝撃のラストで終わった「現実でラブコメできないとだれが決めた?4」はもう表紙が不穏すぎて…楽しみと不安半々です…「【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。3」は毎回安定して楽しいラブコメを展開してくれるので今回も楽しみです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)
9月も引き続きよろしくお願いします!

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