2022年09月

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは枯野瑛さんの

砂の上の1DK

です!
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ストーリー A
内容は、産業スパイの青年・江間宗史は任務で訪れた研究施設でかつて家庭教師のバイトをしていた頃の生とだった真倉沙希未と再会する。しかし突然研究施設を襲った破壊工作に巻き込まれてしまう。瀕死の沙希未を連れてなんとかセーフハウスに逃げ込むも、なんと沙希未の体には秘密裏に研究されていた未知の寄生細胞が宿っていた。アルジャーノンと呼ばれていたそれは沙希未の体に宿ったことで自我を獲得していた。沙希未の体を守るため宗史とアルジャーノンの不思議な同居生活が始まるが、アルジャーノンを取り戻そうとする奴らが…とこんな感じです!

〜奇跡のような五日間〜

枯野瑛さんの新作!個人的に初挑戦の作家さんですね。もう5年も前から枯野さんの作品は複数積んでいるんですけどね…それはともかく、1巻完結の作品としてこれ以上にないほど綺麗に終わっていてかつアルジャーノンという未知の生命体との奇跡のような同居生活が印象的なお話でした!面白かったです!
まず序盤。産業スパイとして忍び込んだ研究施設でかつての教え子沙希未と出会うところから物語は始まります。産業スパイというちょっと現実味のない職業を現実味がある形で描かれているのはすごいの一言ですね…そして研究施設を襲った破壊工作。宗史は研究施設から離れていたため難を逃れるも沙希未は破壊工作に巻き込まれえ瀕死の重傷を負います。沙希未を抱えてセーフハウスに逃げ込む宗史。そこで彼女が負った傷が癒えていることに気づきます。そしてアルジャーノンという未知の細胞が沙希未の傷を癒やし、彼女の体に宿り自我を獲得したことを知ります。このとんでもない展開をすらすらと読ませてくれるのは流石ですね…そして始まるアルジャーノンとの不思議な同居生活。見るもの全て、聞くもの全てどころか、人間という生物そのもの、感情、自我に至るまで何も知らないアルジャーノンが宗史とのやりとりの中で<人間らしいなにか>をちょっとずつ獲得していく過程は素晴らしいの一言でした。特に料理のシーンは印象的でしたね。アルジャーノンの本質みたいものが1番見れた気がします。しかしそんな平穏な生活も長くは続かずアルジャーノンを取り戻そうとする奴らに追われることに。アルジャーノンを狙う組織に追われる中で宗史には彼にしか見えていない景色や彼が大切にしているもの、アルジャーノンが隠していることがすれ違っていうのが胸にきますね…でも終盤の困難を乗り越えたラストが本当にすごくよくて心にきました。最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
宗史は結構独特というか面白い行動理念に基づいて動いていて見ていて楽しかったですね。こういう青年好きです。アルジャーノンは…なんかこう言葉で説明しにくいんですけど自我を獲得して数日の存在にしては人工感も動物っぽさもなくてなんか不思議な感じでしたね。沙希未はアルジャーノンに寄生されている関係上出番は少ないんですけど印象的な女の子でした。

最後に
1巻完結のちょっと非日常ファンタジー?SF?タイムリミットつきの物語を楽しませていただきました!1巻完結なので枯野瑛さんの次回作に期待ですね!積んでる作品もそのうち読みます…

どんな人にオススメか?
ちょっと不思議な物語を読みたい方は!1巻完結で綺麗にまとまっていますし、宗史とアルジャーノンのやりとりは見ていて興味深いです。気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

砂の上の1DK

著者

枯野瑛



レーベル

角川スニーカー文庫


ISBN

978-4-04-112896-1
表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは柳実冬貴さんの

ブロークン 落陽騎士は偽り姫に凱旋を捧ぐ

です!
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ストーリー A
内容は、太陽が消失した世界。その世界では英雄たちが世界樹の果実を口に世界の光を食い止めていた。しかし英雄たちが暴走。世界は闇に包まれ人々は闇から這い寄る濁人たちに怯えながら日々を過ごしていた。それから10年後、故国を失った最強の騎士イグルーの前にイオリアという少女が現れる。イグルーはイオリアをかつての王女・フレイリアと勘違いし彼女に忠誠を誓い共に戦うことに。女帝セレスティアスの狂気を持って世界の闇を祓うという作戦に潜り込んだ2人は狂人たちと共に戦うことになるが…とこんな感じです!

〜英雄を殺して闇を祓え〜

柳実冬貴さんの新作!個人的に初挑戦の作家さんですね。これまで未読でしたが「対魔導学園35試験小隊」のイメージが強かったのでこの作品にはちょっと驚きました。超骨太のダークファンタジーとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!
まず序盤。この世界が闇に包まれた理由が語られます。詳細は省きますが超密度の高い世界観を丁寧に描いていて好感度高いですね!そしてお話は現代へ。かつては帝国の皇女として育つも世界が闇に包まれた混乱により闇歩きとなったイオリア。そんな彼女の闇歩きとしての活躍が描かれます。闇歩きは世界を覆う闇の中で濁人という化け物から逃げながらトレジャーハントや護衛をするという職業ですね。闇に敗北しかけた世界で強く生きる彼女の姿が印象的でした。そして彼女は濁人に追われた果てにイグルーと出会います。今は亡き王国で騎士をしていた彼は闇に飲まれる寸前で忠誠を誓った王女・フレイリアのために何年も亡国を守っていました。そして濁人に追われてやってきたイオリアをフレイリアと勘違いします。イオリアは彼の誤解を解くことなく、彼を自らの目的に利用することを決めます。運命的な出会いなんですけど、イグルーの真っ直ぐすぎるが故に狂信的な忠誠とイオリアの目的のためならなんでも利用するという考えが歪ですね…そして誕生したデコボココンビは女帝・セレスティアスの掲げる世界の闇を祓う作戦に参加することに。この作戦に集うのは狂人ばかりで彼らがまた魅力的なんですよね…そして始まる英雄討伐。かつて世界に光を繋ぎ止めた英雄たちの亡霊を倒すことで闇が祓われるというのは皮肉ですよね…セレスティアスによって集められた狂人たちの戦いっぷりも魅力的でした!ラストの英雄とのバトルは圧巻!熱くてダークな展開に盛り上がります!最後まで楽しよく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
イオリアは強い女の子でしたね。闇に覆われた世界でイグルーを見つけ自らの目的のために彼を騙して利用する。力はなくても信念は絶対に曲げない強い女の子でした。イグルーは忠誠に厚い騎士なんですけど、その背景が結構狂信的なんですよね…よくもあの闇の中で10年も王女のことを待っていられますよ…強さも本物で闇に堕ちた英雄に立ち向かう姿はカッコよかったです!その他のキャラも魅力的でした!

最後に
めっちゃ面白いダークファンタジーでした!これはぜひ続きが読みたいですね!こんな骨太なファンタジーにはなかなか出逢えないです!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
骨太のダークファンタジーが読みたい方は!重厚で読みやすいタイプの作品ではないですが読めば読むほど面白くなるスルメタイプの作品です!ここまで骨太な作品にはなかなか出会えないです!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

ブロークン 落陽騎士は偽り姫に凱旋を捧ぐ



著者

柳実冬貴



レーベル

富士見ファンタジア文庫


ISBN

978-4-04-074650-0

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



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