2023年01月

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは岩倉文也さんの

透明だった最後の日々へ 

です!
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小学六年生の頃の震災の記憶と初恋のに囚われる詩人のリョウ、エキセントリックで薬がないとダメなミズハ、美少年だがミズハを崇拝してやまないことが玉に瑕なナツト。それぞれ自分自身に何か問題を抱えながら3人は日々怠惰にどこか退廃的に暮らしていた。しかしそんな日々も長くは続かなかった…

岩倉文也さんの作品。個人的に初挑戦の作家さんですね。小説だけではなく詩も手がけられているようです。どこか退廃的で閉鎖的な三人の関係と詩的な文章が印象的な作品でした。面白かったです。

物語はどこか断片的に、しかし連続性を持って進んでいきます。震災の記憶と初恋に囚われ続けるリョウと薬がなければ生きていけない中性的な女性のミズハ。そんなミズハを崇拝しているナツト。三人の関係は側から見ていると今にも破綻しそうな危うさがありますが、そんな関係性に強く惹きつけられます。

そんな彼らを描く文章もすごくよかったですね。詩的、といってしまえばそれまでなんですけど句点と読点のリズム感であったり時折挟まれる秀逸な比喩表現だったり登場人物のセリフだったり…物語を構成する何気ない文章の一つ一つの引力がものすごいです。

リョウ、ミズハ、ナツトがそれぞれ抱える問題もよかったですね。日々ただ生きるだけでもそれに向き合わなければならなくて、お互いにそれを解決する術が明確にあるわけではなくて、ただそこにあってどうしようもない感じがすごくよかったです。

そんな三人の生活は永遠には続きません。ナツトが、ミズハが関係を変えようとしてリョウも自分の問題に向き合わされて…そうして迎えたラストが最後の1シーンがとても印象的でした。

220pちょっとかつ星海社FICTIONSの作品にしては文字が大きく1ページあたりの行も少ないのでサクッと読めてしまうのですがすごく印象的な作品でした。岩倉文也さんの作品は機会があればまた読んでみたいです。


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

透明だった最後の日々へ 



著者

岩倉文也



レーベル

星海那FICTIONS


ISBN

978-4-06-530313-9

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは朝依しるとさんの

VTuberのエンディング、買い取ります。

です!
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ストーリー A
内容は、Vtuber・夢叶乃亜を推すことに青春の全てを捧げVtuber界隈でも有名だった高校生の苅部業ことカルゴ。しかし乃亜が初ライブ後に大炎上し運営から臨終を告げられてしまう。絶望した業は高校を休学し炎上したVtuberをネタに扱うまとめブロガーとして活動していた。そんな業の元にかつての乃亜ファンの仲間で今はVtuberとして活動する小鴉海那が現れる。悪質な運営に苦しむ彼女を救うために業はVtuberのエンディングをプロデュースすることになるが…とこんな感じです!

〜推しVtuberが炎上したら〜

第35回ファンタジア大賞の大賞受賞作!ファンタジア大賞でファンタジーじゃない作品が大賞受賞するの珍しいなと思っていたら初めてみたいですね。まず言わせてください…この作品すごく面白いです!いやこれはすごいです。この作品がライトノベルにおけるVtuberものの転換点になる作品ですね。Vtuberを題材に扱いながらも彼女たちのリアルを裏側をそしてファンサイドを甘いも苦いも余すことなく書き尽くしていました。これは傑作です!めちゃくちゃ面白かったです!
まず序盤。最推しだったVtuberが炎上した末に運営から臨終を告げられる業が描かれます。これは壮絶でしたね…自分の青春の全てを投げ打って推してきたVtuberが念願の初ライブをしたのに大炎上。そして運営から告げられるご臨終。運営の拝金主義的なところもすごいリアルですし圧巻の一言でしたね。そしてこの事件がショックで高校を休学した業はVtuberの炎上を扱うブログを運営することに。推していたVtuberが引退してショックを受けて絶望しこれまでとは真逆のことをし始めるのは彼の名前の通り業が深いですね…そしてそんな彼の元に海那という少女が現れます。かつて業と一緒に乃亜を推していた彼女は今はVtuberになっていて、しかも運営、彼女のキャラデザ担当であるイラストレーターからのパワハラに苦しんでいて…そんな彼女が望んだのは自分自身が炎上しての引退。そんな彼女の炎上を、Vtuberとしてのエンディングを業はプロデュースすることになります。これがまたすごくいいんですよね…海那が引退しようとしている理由、彼女にしかわからない苦しみと、業のやり方で炎上させエンディングへ導く過程。全てが素晴らしいです。Vtuberの終わらせ方を操るのが本当に凄すぎます。あとの2話もVtuberの終わりに関するお話なんですけどこれがまた刺さる刺さる…Vtuber本人も、Vtuberのファンもアンチも全ての人がVtuberを軸に動いて彼らだけの物語を作り上げる。最高のエンタメでした。最後の展開もすごくよかったですし大満足の1冊でした!面白かったです!

キャラ A
業は名前の通り業の深いやつでしたね…大好きだった最推しだったVtuberが引退してVtuberの炎上を取り扱うブロガーになるのはリアルでしたね…なんだかんだ言って海那たちVtuberを助けるのもグッドでした!海那はちょっと不器用なところもあるんですけどかわいらしい女の子でしたね。いつか気持ちがちゃんと届けばいいですね…その他のキャラも魅力的でした!

最後に
めちゃくちゃ面白いVtuberものでした!これは歴史が変わります!絶対に2巻読みたいですし長く続いてほしいです!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
Vtuberものが好きな方は!Vtuber本人だけではなくVtuberのリアルや裏、彼女たちのことを推すファンやアンチも含めて物語を作っていくのが最高にエンタメしてました!これは本当にオススメです!気になったかたは!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

VTuberのエンディング、買い取ります。



著者

朝依こより



レーベル

富士見ファンタジア文庫


ISBN

978-4-04-074847-4

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは陸奥こはるさんの

うしろの席のぎゃるに好かれてしまった。2 もう俺はダメかもしれない。

です!
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前巻の記事↓


ストーリー A
内容は、うしろの席のギャル結崎志乃と付き合うことになった三代。志乃とこれまで以上にイチャイチャしながら関係をより深めていく2人。しかし期末試験が迫り志乃は補習のピンチに!一緒に勉強をしてなんとか補習回避を狙う志乃のために勉強を教える三代。勉強のご褒美に温泉旅行を用意した三代の期待に果たして志乃は応えることができるのか…とこんな感じです!

〜ぎゃると甘々イチャラブ〜

シリーズ第2巻!1巻は重版もして勢いのある作品ですね!今回は前回よりさらに甘くなった2人のイチャイチャラブラブっぷりを楽しませていただきました!面白かったです!
まず序盤。イチャイチャしつつも勉強を頑張る志乃とそれをサポートする三代が描かれます。志乃のちょっとおばかなところはかわいいですね…三代も志乃のためと全力でサポートするところが見ていて微笑ましいですね。そしてお話は高砂さんと四楓院くんの恋の行方へ。お節介の焼き方がなんか志乃と三代らしいですね。高砂さんもよく頑張ったと思います!そして季節はクリスマスへ。三代は本当にあのプレゼントを志乃に渡したんですね…すごい勇気ですね…でも志乃にとっては嬉しかったみたいでこのカップルの仲の良さが伺えますね…そして温泉旅行!温泉旅行は色々ありましたね…でもやることちゃんとやっているのは見ていて安心しましたし2人ともちゃんとお互いのこと考えているんだなということが伝わってきてよかったです!今回もぎゃるな志乃との甘々イチャイチャを楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
三代は志乃のことを本当によく考えて行動できていていい彼氏ですね…志乃のこと本当に大切しているんだなと思いました。志乃は相変わらずかわいさ抜群。ちょっとおばかなところも三代のことが大好きでキスをねだるところも、頑張ってオシャレをするところも本当にかわいいです!

最後に
今回も三代と志乃のいい感じのイチャイチャを楽しませていただきました!まだまだ2人の関係は見ていたいです!3巻待ってます!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

うしろの席のぎゃるに好かれてしまった。2 もう俺はダメかもしれない。



著者

陸奥こはる



レーベル

富士見ファンタジア文庫


ISBN

978-4-04-074771-2

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは倉田和算さんの

ヴァンパイアハンターに優しいギャル

です!
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ストーリー B
内容は、ギャルな琉花のクラスに転校していた銀華。なんと彼女は吸血鬼を倒すヴァンパイアハンターだった⁉︎吸血鬼との戦いにひと段落ついたため復学したという銀華に興味津々な琉花は放課後一緒に遊んだりと彼女に普通の高校生らしいことを教えていたらが平穏な日々も長くは続かず…とこんな感じです!

〜元ヴァンパイアハンターとギャル〜

第14回GA文庫大賞銀賞受賞作。個人的には合いませんでした。以降面白いとは言わないので読みたくない方はブラウザバックで。
気になったのは3点

・序盤の圧倒的読にくさ
・サブポジション的なキャラの多さ
・なにが話の軸かよくわからない

まず序盤の読にくさですがこれが数年振りレベルの読にくさでしたね…ギャルな主人公の琉花が友達たちと会話しているんですけどギャル語と変な語尾のせいで会話文のリズムが悪く摩擦係数がめちゃくちゃ高いです。地の文は読みづらくはないのですが、ギャル同士の会話の読みづらさは最後まで解消されませんでした。このギャル同士の会話が序盤にあるせいで初見がかなり微妙でした。
次にサブポジションのキャラの多さ。琉花と銀花という主役級2人がしっかりしているのはいいんですけど、琉花の友達2人にクラスメイトに先輩にバイト先の同僚に敵に…と物語内の比重がそこまで変わらないキャラが結構いたのが微妙でした。キャラ数的にはそこまで多くはないのですが琉花と銀華の物語にがっつり絡むわけではないのでより多さを感じました。
最後はなにが話の軸かよくわからないです。ギャルと世間知らずなヴァンパイアハンターの日常ものがメインなわけでも、学校生活がメインなわけでも、コメディがメインなわけでも、バトルがメインなわけでも、百合的関係性がメインなわけでもない。物語の最初から最後まで一本の軸がないように感じました。
と僕には合わないお話でした。

キャラ B
前述の通り物語における比重が変わらないサブキャラが多すぎました

最後に
個人的には微妙でした。続刊は出ても買いません

どんな人にオススメか?
個人的にはオススメしません。気になった方は試し読みの上で。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

ヴァンパイアハンターに優しいギャル



著者

倉田和算



レーベル

GA文庫


ISBN

978-4-8156-1864-3

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのはとしぞうさんの

百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その3

です!
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前巻の記事↓


ストーリー A
内容は、由那と凛花の2人と付き合っている四葉。妹達からも告白されたりしながらなんとか由那と凛花との関係を維持していた。そんなある日、幼馴染で国民的アイドルの小田真希奈が引っ越してくる。アイドルとなり遠い人になっていた真希奈との再会に喜ぶ四葉。だが突然真希奈から告白されてしまう⁉︎週刊誌のパパラッチをまくために偽の恋人になってほしいという真希奈。四葉は由那と凛花がいながらも幼馴染の頼みは断れないと偽の恋人関係を承諾するが…とこんな感じです!

〜幼馴染ヒロイン登場⁉︎〜

シリーズ第3弾!2巻で姉妹たちとの関係をになんとか決着をつけたので由那と凛花さんとのイチャラブが待ってる!と思ったら新たなヒロインが!しかも超絶いい子でめちゃくちゃかわいくて…泥沼に腰まで浸かりかけた四葉が楽しいお話でしたね!面白かったです!
まず序盤。姉妹とのイチャイチャが描かれます。やっぱり姉妹百合は最高だな!と再確認したところで幼馴染の真希奈ちゃん登場。清楚可憐でしかも人気絶頂にして突然アイドルを引退した真希奈ちゃんが引っ越してきたとあって盛り上がる!…のも束の間、偽の恋人の打診をされます。ここでしっかり断れないのが四葉さんらしいですね…そして返事を保留にしたまま由那と凛花とプールデートへ!なんかすげぇ人間として許されないムーブをしているんですけどコメディなノリと由那と凛花のかわいさ、そして3人の百合関係のあまりの正義さに全てがOK!となってしまう不思議さですよ…プールでいちゃつくのいいぞ。もっとやれ。そして紆余曲折の末に真希奈と偽の恋人に。真希奈の清楚ででも真の強い感じは四葉との相性ぴったりで幼い頃の記憶を共有する2人のやりとりはめちゃくちゃよかったですね…水族館デート最高かよ…終盤もはちゃめちゃによかったですしラストであの挿絵の破壊力ですよ…僕は死にました…最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
四葉はマジでなしてこんなに浮気性かつ女の子を吸い寄せる力があるのか…いいぞもっとやれ。新登場の真希奈は清楚可憐なアイドルで四葉のことが大好きでこれまでの女の子とはまた違った感じでしたね。四葉のかわいいところも存分に引き出せていました!他のキャラももちろん魅力的だったのですが個人的には咲茉ちゃん。浮気性な四葉を見てるとやっぱり咲茉ちゃんしか勝たん!ってなりますね!

最後に
3巻もめちゃくちゃ面白かったです!早く4巻を読まないと死んでしまうのでなるはやで4巻をください…これから四葉がどうなってしまうのか楽しみです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その3

著者

としぞう



レーベル

オーバーラップ文庫


ISBN

978-4-8240-0360-7

表紙の画像は「版元ドットコム」様より


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