2025年03月

僕の大好きな漫画家の藤原ここあさんが亡くなられてから10年が経ちました。

10年も経つという事実があまりにも信じられません。今でも書店にいけば藤原ここあさんの新作が出ているのではないかとガンガンの単行本の棚をふらりと見に行ってしまいます。
ですが、藤原ここあさんがもうこの世にはいないと実感するには十分すぎる時間が流れてしまいました。でもやっぱり何年たっても藤原ここあさんがもういないという事実を実感する3/31は悲しいですし、改めてもう藤原ここあさんの新しい作品を読むことはないのだと嫌でも理解してしまいます。

2024年は「かつて魔法少女は悪と敵対していた。」のアニメも放送されましたし、藤原ここあさんが亡くなってから10年というところで藤原ここあさんの作品にスポットが当たるようになって1ファンとしては嬉しい限りです。

藤原ここあさんが亡くなってから、なかなか読めていなかった藤原ここあさんの作品を今年は少しずつ読んでいきたいです。やっぱり僕と藤原ここあさんの出会いでもある「dear」を再読したいです。きっと高校生だったあの頃と同じ気持ちで楽しめるはずです。

最後になりましたが、今でも本当に藤原ここあさんの作品は大好きです。


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのはたか野むさんの

「すべてはギャルの是洞さんに軽蔑されるために!」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、文学部に所属するオタクで陰キャな狭間陸人は、クラスのオタクに優しいギャルである之洞さんに軽蔑されて蔑まれたいという願望があった。そう陸人はドMなのである。ドMな文学部仲間と共に是洞さんに蔑まれるための作戦を実行する陸人だが、なぜか是洞さんと仲良くなってしまい…とこんな感じです!

〜ドM部へようこそ〜

第16回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>受賞作!講談社お得意の新人賞受賞作が出るのに数年かかる、な作品群の一つですね(2022年に受賞しているのに出たのが2024年…)。まず言わせてください…

奇書です。

この作品を端的に表すなら奇書という言葉以外ありません。面白いとか面白くないとかそれ以上にドMに対する異常なまでの執着、それを超えた不気味さに恐怖を覚えました…なんだこの作品…

物語は文学部ならぬドMクラブで是洞さんにいかに蔑まれてみたいかを語るところから始まります。はい。ついていけません。なんですがこのドMに対するとんでもない熱量は…

是洞さんと教室で会話しつつ、脳内でドMな欲望が溢れつつ、なぜか仲良くなっていく…なんなんだこの世界観…時折挟まれる陸人のドMに対する長文セリフがまたいいスパイスを効かせて?ます。

是洞さんと仲良くなりつつ同じくドMクラブに所属する宝条さんとも仲良くなっていき、ラブコメとしては割と修羅場な方向へ。しかし根底にあるドMが強すぎるのでこの人間関係も割とさらっと読めてしまいますね…

終盤一悶着ありつつ、なんか良い感じに終わるものの終始強すぎるドMにやられっぱなしの作品でした… 

キャラ A

陸人の思想が強すぎます。なんだこの男。かわいい顔してドMなんて…是洞さんもオタクに優しいギャルとして見ていて楽しいヒロインなのに陸人に全部持っていかれそうになってます…

最後に
とんでもない作品でした。令和の世に解き放っていいのか…?よくも悪くも印象的な作品でした…

どんな人にオススメか?
奇書が好きな方は。いやドM要素を見なければ三角関係なラブコメなんですけど、それを覆い隠すほどの油マシマシなドM描写が凄まじいです…気になる方がいれば…

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

すべてはギャルの是洞さんに軽蔑されるために!



著者

たか野む



レーベル

講談社ラノベ文庫


ISBN

978-4-06-535405-6

表紙画像のリンク先


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのはショーン田中さんの

「天羽ルイナの空想遊戯 彼女の作った鬼畜ゲームを、僕が攻略するまで」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、異常と破滅に満ちた世界バリスノーン。滅びの運命にある世界で不死の存在である英雄たち。そんな世界は天羽ルイナという1人の美少女によって作られていた。自分の作ったゲームのシナリオを自分で攻略し、バッドエンドに導くことを至上とするルイナ。そんな彼女と同じ読書研修会に所属する高瀬はハッピーエンド至上主義者として彼女の物語に挑むことになる。果たして高瀬はバッドエンドになりたがる世界を救うことができるのか…とこんな感じです!

〜バッドエンド至上主義に立ち向かう〜

第37回ファンタジア大賞金賞受賞作!久しぶりにめちゃくちゃ面白いラノベのファンタジー読んだな!と思える作品でした!めっちゃ面白かったです!

まず序盤。バリスノーンについて簡単な説明とルイナと高瀬の関係が語られます!ファンタジーなはじまり…かと思いきや視点が一気に現実に向けられる始まり方で物語にぐいっと引き込まれましたね!ルイナの美少女だけどぶっ飛んだ感じや高瀬の唯一彼女と対等に話せる感じもよかったですね!最高の始まり方でした!

バッドエンド至上主義者で自分の作った物語を破滅に導こうとするルイナ。そんな彼女に思うところがあり高瀬は自身の作ったキャラクター「高瀬クレイリー」として彼女の作った物語に挑みます。このあたりはTRPGに覚えがある方だとすっと理解しやすいですかね?個人的にTRPGにはあまり馴染みがないのですが、それでも高瀬クレイリーの設定にはワクワクしますね!

そして高瀬による物語の攻略が始まります!バリスノーンという世界は架空で、現実にいるルイナと高瀬がサイコロを振りながら物語を攻略している。そうしたフィクションの中のフィクションであることがわかっていても、彼らの物語に思わず飲み込まれてしまいます。これほどまでの臨場感でバッドエンドに向かう物語をなんとかしようとする。その熱量に圧倒されます。

キリの良いところでバリスノーンでの物語が中断されて、現実に視点が戻ってくるところもよかったですね!ルイナのエキセントリックなところや、高瀬がなぜ彼女の作った物語に参加したのか…そうした背景が明かされていく過程も楽しいです!

終盤はこれでもか!というくらい盛り上がりますし、ラノベのファンタジーに求めるものが全て詰まった作品でした!面白かったです!

キャラ A
ルイナはエキセントリックな美少女!バッドエンド至上主義者で孤高な存在ですが、そんな彼女が見せる人間らしい部分が非常によかったですね!高瀬は最初はルイナの唯一の理解者のポジションなのかな?と思っていたのですが、物語を読み進むに連れて印象が変わってきましたね…こういう男好きです!

最後に
TRPGを下敷きにしたファンタジーとして楽しく読ませていただきました!これはぜひ続刊が読みたいですね!まだまだルイナと高瀬がバッドエンドな世界を攻略していく過程がみたい!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
ファンタジーが好きな方は!TRPGが好きな方は特におすすめです!フィクションの中で描かれるフィクションと視点の移動、そして圧倒的な物語に魅了されること間違いなし!太鼓判!おすすめです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

天羽ルイナの空想遊戯 彼女の作った鬼畜ゲームを、僕が攻略するまで



著者

ショーン田中



レーベル

富士見ファンタジア文庫


ISBN

978-4-04-075776-6

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どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは汐月巴さんの

「煩悩の数だけ恋をする 108つの才能へ愛を込めて」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、人格破綻者だけどなんでもできる完全無欠の天才である初瀬純之介。才能を盾に傲岸不遜に振る舞う彼だが、ある日全ての才能を喪失してしまう。そんな彼の夢の中に天の神が現れる。なんと彼女は間違って108の才能を純之介に与えてしまったことを伝える。純之介に残ったのは恋愛の才能ただ一つ。純之介は失ってしまった108の才能を取り戻すために108人の女の子を恋に落とすことを決意するが…とこんな感じです!

〜108人の女の子を恋に落とす⁉︎〜

汐月巴さんの新作!個人的には初挑戦の作家さんですね。恋愛以外の全ての才能を失った少年が108人の女の子を恋に落とすという壮大なラブコメとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!

まず序盤。純之介が恋愛以外の全ての才能を失うところから物語は始まります!人格破綻者な純之介が才能を失うのは当然の報いだな…と思いつつ実際に才能を失って絶望する純之介はかなりかわいそうでしたね…天の神も割と容赦ないですし…

恋愛の才能以外全てを失った純之介は元々は自分の持っていた才能を思い通りに利用するべく才能を分配された女子を探すことに。なかなかすごい動機ですね…この動機にだけはちょっとついていけないですが…まぁラブコメですしね。

そして純之介は奥空千陽、深海渚、陸門栞、古城愛衣といった才能を分け与えられた女子たちを恋に落とすために奮闘していきます。最初は性格最悪で有名な純之介に拒否反応を示す少女たちですが、純之介の恋愛の才能にやられてみんな純之介のことを好きになっていく…女の子を落とす時だけ事前準備と誠実さがある純之介はなかなか性格が悪いですね…

テンポよく女の子が落とされていく、かつ1巻時点で4股となかなかやることやっているのでちょっと思うところもありますが、お話自体は最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
純之介は正直全く好きなタイプの主人公ではないですね。才能にものを言わせて好き勝手して、その才能がなくなると最後に残った恋愛の才能で失った才能を補填しようとする…マジでイラする場面も多かったです。ヒロインたちはすぐに攻略されてしまうのでアレなんですけど、個人的には千陽が魅力的でしたね!見た目ギャルだけど実は…なところがグッドでした!

最後に
108人の女の子を恋に落とすというなかなかアグレッシブなラブコメとして楽しく読ませていただいました!

どんな人にオススメか?
ちょっと変わったハーレムものが読みたい方は!主人公がかなり性格に難ありで、女の子たちが次々と攻略されていくので合う合わないははっきり分かれると思います!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

煩悩の数だけ恋をする 108つの才能へ愛を込めて



著者

汐月巴



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-684637-2

表紙画像のリンク先


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは鵜飼有志さんの

「死亡遊戯で飯を食う。8」

です!
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前巻の記事↓

☆感想☆

ストーリー A
内容は、尸狼に招かれ99回クリアの特典の存在をしった幽鬼。この業界の成り立ちを知る中で幽鬼は尸狼たちの互助会に誘われる。いったん保留にする幽鬼だが、ゲームの中で彼女たちが開発し流行中だという技術を目撃する。あまりにも有用な技術に幽鬼は尸狼の返事に迷い始める。そして幽鬼に訪れる目の次の異変。果たして彼女は今宵もデスゲームを戦い抜くことができるのか…とこんな感じです!

〜99回クリアの特典〜

シリーず第8弾!アニメ放送時期も決まりコミカライズも順調でますます楽しみなシリーズですね!今回は現実とのリンクも挟みつつデスゲームの裏側にも触れていく内容で楽しく読ませていただきました!面白かったです!

まず序盤。尸狼と幽鬼の取引から物語は始まります!これまでそのディティールが見えてこなかったゲームについてや、99回クリアの特典、そしてゲームの成り立ちについて…ここにきて少しだけデスゲームについての輪郭が見えてきましたね…

尸狼にプレイヤーが技術を共有する互助会に誘われるものの、それを保留して73回目のゲームに参加する幽鬼。そこで幽鬼は流行っていると言われる互助会が開発した技術を目にします。あまりにも有用な技術に惹かれる幽鬼ですが、それをさっと習得してしまうのが彼女らしいですね…

73回目のデスゲームは純粋なゲームではなく、幽鬼と尸狼の戦いなのも珍しかったですね。対ゲームではなく、対人としてゲームに挑んで熱くなる場面はなかなか見ないものでしたね。結末もズルい感じで終わるのがまた憎いですね…

後半からはうってかわって現実でのお話。とは言っても暴走族のお話とはまた違う、リアルな殺しのお話でこれもこれまでに現実世界編とは違った様子でしたね…淡姫さんもなかなか大変な目にあってますね…

ラストはさらに大きな陰謀が動き出している予感を感じさせてくれて、今回も最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
幽鬼はまた強さが際立ってきましたね…いややっていることは前巻あたりから変わっていないんですけど、これで目以外のハンデがあるのが信じられません。尸狼はこの先キーマンになりそうな人物ですね…色々知りすぎているような気がするのが気がかりですが…個人的にこの巻は淡姫が好きでした!

最後に
今回はほぼはじめてゲームのディテールが少しわかるような、輪郭が見えるようなお話で楽しませていただきました!9巻は夏、秋頃ですかね?続刊楽しみに待ってます!


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

死亡遊戯で飯を食う。8



著者

鵜飼有志



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-684556-6

表紙画像のリンク先



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