どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回感想を書いていくのは水原涼さんの

純文学の新人賞を受賞しデビューし、大きな賞の候補になるもそこから単著は出せずにいる小説家の遥。彼は幼い頃から小説を書き続けていた幼馴染のすずがいた。しかし彼女は大学で小説を学ぶもいまだにデビューできずにいた。そんなある日、すずと一緒に小説を創り新人賞に応募することになる。だがすずの体は病に蝕まれており、彼女に残された時間はわずかだった。果たして遥とすずは小説を完成させることができるのか…
水原涼さんのデビュー2作目。私小説的な側面があるのかな?と読んでいて思いました。難病もの、と一言でくくれない読者に鮮烈な印象を残す青春ものでした。面白かったです。
物語は遥の日常から始まります。小説家としてデビューするも単著を出せずにいる。書いては消してを日々繰り返し、喫茶店でバイトをしながら食い繋いでいる。短いシーンに確かなリアルを感じます。
そんな遥の幼馴染で同じく小説を書いているすず。彼女は大学で小説の書き方を学ぶもまだデビューできずにいる。そんな彼女と小説を共作し、新人賞を受賞してデビューすることを目指します。
鳥取から上京してきた遥とすずの恋愛ではない関係性、距離が近づいたり離れたりした学生時代の思い出、2人を繋ぐ本と小説執筆…幼馴染という言葉以上の特別さがどこか淡くて優しくて印象に残ります。
個人的に印象的だったのはライトノベル作家である三田村とのやりとり。単著を出せずにいる純文学作家である遥とアニメ化も決まっている人気作家の三田村。ライトノベルを中心に純文学も読む身としては2人の会話は強く印象に残っています。ライトノベル、3000冊とか読んでもなんもわからないので三田村の話していることも遥が話ていることも多分正しいです苦笑
文章もよかったですね。小説の本質は物語にあると思っていますが、文章あっての小説ですし、文章がいかに大事かがよくわかります。この作品は文章の作品だと思います。
物語は中盤以降、悲観的な色が強くなっていきます。容態がどんどん悪くなっていくすず。なんとか小説を完成させようとする遥。何かに縋るように、2人の絆が解けないように、必死で生きていく遥とすずの姿が印象的でした。
結末はこの物語にとって当然の帰結なのかもしれません。ですが難病ものと一言でくくってしまうには、泣ける物語と一言で終わらせてしまうには、あまりにも読者に残すものが多すぎる作品です。愛は恋だけではない。家族でもない、友達とも言い難い、小説が繋ぐ2人の物語を存分に楽しませていただきました。
じわりと心に残る作品です。気になった方はぜひご一読を。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
さて、今回感想を書いていくのは水原涼さんの
「恋愛以外のすべての愛で」
です!
☆感想☆
純文学の新人賞を受賞しデビューし、大きな賞の候補になるもそこから単著は出せずにいる小説家の遥。彼は幼い頃から小説を書き続けていた幼馴染のすずがいた。しかし彼女は大学で小説を学ぶもいまだにデビューできずにいた。そんなある日、すずと一緒に小説を創り新人賞に応募することになる。だがすずの体は病に蝕まれており、彼女に残された時間はわずかだった。果たして遥とすずは小説を完成させることができるのか…水原涼さんのデビュー2作目。私小説的な側面があるのかな?と読んでいて思いました。難病もの、と一言でくくれない読者に鮮烈な印象を残す青春ものでした。面白かったです。
物語は遥の日常から始まります。小説家としてデビューするも単著を出せずにいる。書いては消してを日々繰り返し、喫茶店でバイトをしながら食い繋いでいる。短いシーンに確かなリアルを感じます。
そんな遥の幼馴染で同じく小説を書いているすず。彼女は大学で小説の書き方を学ぶもまだデビューできずにいる。そんな彼女と小説を共作し、新人賞を受賞してデビューすることを目指します。
鳥取から上京してきた遥とすずの恋愛ではない関係性、距離が近づいたり離れたりした学生時代の思い出、2人を繋ぐ本と小説執筆…幼馴染という言葉以上の特別さがどこか淡くて優しくて印象に残ります。
個人的に印象的だったのはライトノベル作家である三田村とのやりとり。単著を出せずにいる純文学作家である遥とアニメ化も決まっている人気作家の三田村。ライトノベルを中心に純文学も読む身としては2人の会話は強く印象に残っています。ライトノベル、3000冊とか読んでもなんもわからないので三田村の話していることも遥が話ていることも多分正しいです苦笑
文章もよかったですね。小説の本質は物語にあると思っていますが、文章あっての小説ですし、文章がいかに大事かがよくわかります。この作品は文章の作品だと思います。
物語は中盤以降、悲観的な色が強くなっていきます。容態がどんどん悪くなっていくすず。なんとか小説を完成させようとする遥。何かに縋るように、2人の絆が解けないように、必死で生きていく遥とすずの姿が印象的でした。
結末はこの物語にとって当然の帰結なのかもしれません。ですが難病ものと一言でくくってしまうには、泣ける物語と一言で終わらせてしまうには、あまりにも読者に残すものが多すぎる作品です。愛は恋だけではない。家族でもない、友達とも言い難い、小説が繋ぐ2人の物語を存分に楽しませていただきました。
じわりと心に残る作品です。気になった方はぜひご一読を。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)