カテゴリ: 一般文芸・キャラ文芸・ライト文芸

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
そういえば昨日ノイタミナのCMで虐殺器官の映像がチラッと流れていましたよね。まだ未読なので、冬休みが終わるまでには読んで受験終わったら映画見に行きたいです!

さて、今回紹介するのは中村航さんの「僕の好きな人が、よく眠れますように」です!
中村航さんの著者紹介は「あなたがここにいて欲しい」でしたのでそちらをどうぞ↓

なんだかんだ言ってこのブログで1番多く取り上げている作家さんが中村航さんなんですよね。読むと優しい気持ちになれるので、古本屋や本屋に行くと必ず手にとってしまいます(苦笑)

ざっくりとしたあらすじ。
東京の理系大学で研究をする主人公僕は北海道からゲスト研究員としてやってきた斎藤恵、通称めぐに恋をする。
しかし、彼女には誰とも付き合うことができない事情があった。それでも同じ研究室で過ごすうちに、僕はめぐと許されない関係になってしまい…とこんな感じです!

実はこの小説乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」を読んだ後わりとすぐに読んだので、読み進めるうちに思わず伏線を探していましたw
まあ、この作品はイニシエーション・ラブとは違い僕とめぐの許されない関係を優しく柔らかく描いていて、中村航さん独特のユーモアには他の作品と同じようにクスッとさせられるので安心して読めます。

この作品で注目してもらいたいのが、メインとなる僕とめぐではなく、脇役の存在です。
ギターを鮮やかに弾く木戸さん、僕の妹、他にも飲食店で隣の席に座った男女など、要所要所で出てくる人物達がいい感じに物語を盛り上げます。

もちろん僕とめぐの許されない関係も中村航さんらしい安定した筆致で描かれています。所々に入るユーモアはもちろん、2人が徐々に親交を深めていく様子には微笑ましくなります。

そしてこの作品の最大の特徴が、僕とめぐは世間一般でいえば許されない関係でいるのに、背徳感があまり感じられないということです。
昼ドラにありそうとは言いませんが、一歩間違えればドロドロになりそうな人間関係を、そうならないように、2人が純粋に想いあっているように書ききったところは素晴らしいと思いました!

この作品は解説もいれて全230p程度のお話なので手軽に読めます。人間関係に悩んでいて心が温かくなるような小説が読みたい人には是非オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日も明後日も勉強〜…( ꒪Д꒪)

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日はマックで勉強してきたんですけど、僕の斜め前にも同じように勉強している人がいて、なんとなく根性比べのようにその人より先には帰らないぜ! と思いながら夕飯の時間ギリギリまで勝負していたんですが、負けました…まあ、元々勝手に勝負していただけなんですが(苦笑)しかし、あの人は僕より先に座ってたから4時間以上は勉強していたことになるんですね…もっと頑張らねばw

さて、今回紹介するのは綾辻行人さんの「フリークス」です!
綾辻行人さんは著名なミステリ作家達を生み出した京都大学出身のミステリ作家で、1987年に「十角館の殺人」でデビューすると、瞬く間に新本格ブームを引き起こした日本ミステリ界の歴史を語る上では外せない存在です。
「十角館の殺人」から連なる館シリーズや囁きシリーズ、アニメ化、漫画化、実写映画化された「Another」など様々なヒット作を生み出し続けています。
また、綾辻行人さんに影響を受けた作家さんも多く、辻村深月さんの辻の字は綾辻行人さんの辻からきているものですし、奈須きのこさんも綾辻行人さんが与えた影響は大きいと語っています。

綾辻行人さんの作品は角川から出ているものや前述の十角館の殺人は読了していて、ミステリはミステリらしくトリックや構成がしっかりしている、ホラーは残虐性や背筋が凍るような鮮烈な印象を僕に残し続けてきました。

この作品は3つの中・短編が収録されており、どちらかといえばホラーよりの作品です。ただ、綾辻行人さんの別作品の「殺人鬼」よりは残虐性やスプラッタな感じは少なく、血が苦手な人でもホラーを楽しめる作品となっています(まあ、怖いには怖いですが)。
また、余談ですが、買うときは表紙を裏にしてレジに持っていくのをオススメそます。店員がびっくりするかもしれないのでw

各話のざっくりとしたあらすじ。

夢魔の子 -三一三号の患者-
三浪中の主人公は精神科病棟に入院する母親のお見舞いに行く。そして、昨日見つけた箱を母に見せる。頑なに開けることを拒否する母だか、主人公は箱を開けた。中に入っていたのはB5サイズのノートで、内容は小学生の頃に書いたと思しき日記だった。しかし、主人公にはその頃の記憶がなく…とこんな感じです。

日記もの、とでもいうんでしょうか?日記がキーアイテムとして出てきて、その日記自体が全体の3分の1程度をしめます。日記自体は小学生が書いたものらしく無邪気でひらがな中心のそれですが、徐々に明らかになっていく主人公の過去や最後の展開にははっとします。起承転結の「転」が短いスパンでガンガンくるので、そういったお話が好きな方はかなり楽しめると思います。

四◯九号室の患者
事故にあって瀕死の重傷を負った芹沢。全身打撲と火傷に加え、両足の切断という事実を突きつけられ混乱するが、傷は徐々に回復へと向かっていた。
しかし、自らのあった事故の新聞記事を読み始めたところから、懐疑の念を抱き始め…とこんな感じです。

こちらも日記がキーアイテムとなっており、夢魔の子に比べるとだいぶ日記の量が多いです。
こちらは夢魔の子よりも、舞台装置や芹沢の考え自体が伏線となっていて、最後で明かされる芹沢の正体にはかなり衝撃を受けました。思い込みって怖いなと感じさせてくれる作品です。どちらかといえばホラー要素は薄めで、ドロドロとした人間関係と綺麗な伏線回収で見せるミステリといった感じです。

フリークス -五六四号室の患者-
才能と劣等感と莫大な資産を抱えたマッドサイエンティストは多大な犠牲を払いながら5人の子供に人体改造の手術を施し怪物ち呼んで自分の欲求を満たしながら生きていた。
ある日、惨殺され死体となって発見されたマッドサイエンティストはいったいどの子供に殺されたのか…とこんな感じです。

1番ミステリらしく、さらにホラーらしいという作品。フランケンシュタイン的な人体改造が肝となっています。
そしてまた、日記(患者が書いた小説のよいなもの)がキーアイテムとなります。
探偵役が出てきて他の作品よりミステリ度が格段と上がっており、読者が勝負できるタイプの作品となっているので、そういうのを読みたい読者にはオススメです。ただ、子供に人体改造手術というのは整理的嫌悪感がものすごいです(苦笑)

以上3作品が収録されています!
夢魔の子はホラーより、四◯九号室はミステリより、フリークスはミステリとホラーが絶妙に融合しています。綾辻行人さんが描くホラーとミステリの世界が全面に押し出されている作品なので、綾辻行人さんの作品を初めて読まれるという方もオススメです。

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日も勉強、勉強(ーー;)

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日もまだ流星群が見えました!星はいつでも綺麗ですから見るとなんだが安心します。
それと、今日は高倉健さんの訃報が報じられました。僕のような若者でも知ってる偉大な俳優さんでした。ご冥福お祈り申し上げます。

さて、今回紹介するのは中村航さんの「デビクロくんの恋と魔法」です!
中村航さんの著者紹介は昔紹介した「あなたがここにいて欲しい」で紹介したのでそちらをどうぞ↓

今作は中村航さんにとって2作品目となる映画化作品です。映画化することを知ってから読んだ身としては、内容的に映画化したら尺が足りないんじゃ? と思ってしまうほど短い作品だったのですが、作品自体は中村航さんらしい素晴らしい出来でした。

ざっくりとしたあらすじ。
普段は書店員として働く山本光。しかし、彼には夜な夜なデビクロ通信というイラスト付きの短い文章がついたチラシを街中に撒き散らす不思議な趣味があった。そんな光に密かに思いを寄せる杏奈だったが、ある日光は別の女性と恋に落ちる。杏奈の恋心は光に届くのか、そしてクリスマスイブの夜に2人は…とこんな感じです!

主人公は書店員で働きながら趣味で絵を書いている山本光。なんとなく昨今の小説には珍しい読んでいて安心できる主人公です。他の登場人物も基本的に悪い奴はおらず、彼らの一つ一つの行動は見ていて微笑ましいです。個人的にお気に入りなのは杏奈の父親、女性の方はこんな父親が自分の父親だったらいいなーと思うのではないでしょうか?

あと、中村航さんの小説を初めて読む方は少し驚くでしょうが、文体がかなり特徴的です。多分1度中村航さんの作品を読めば、次別の作品を読むときは作者名を見なくても中村航さんが書いたとわかるくらいに特徴的です。
英語のルビや独特の造語、読んでいて思わず笑ってしまうさりげないユーモアがとても素晴らしいです。1度読めばハマる人は結構ハマると思います。

他にも中村航さんの作品が好きな方なら必ず知ってるイラストレーターの宮尾和孝さんのイラストが今作ではかなり豊富です!なんと20枚のデビクロ通信が宮尾和孝さんのイラストで描かれています。このデビクロ通信だけで本が出ているくらいなので、興味のある方はそちらもどうぞ!

ストレートで暖かい恋のお話が読みたい方はぜひご一読を! 2時間程度でさらりと読めて、心温まる物語なので殺伐とした現実に疲れた人にオススメです。
また、近日映画も公開されるので、見に行く予定のある人は鑑賞される前に原作を見ておくのもいいかもしれません。

映画公式サイト↓

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
11月ももう半分終わったのかー…(´・_・`)

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日やっとテストが終わりました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ マジで地獄だったw
今回は世界史ができて必修の英語ができなかったって感じですかね? 今回はクラストップ5に入りたいです!

さて、そんな中紹介するのは加納朋子さんの「少年少女飛行倶楽部」です!
加納朋子さんは主に日常ミステリを書く作家さんで、90年代に鮎川哲也賞や日本推理作家協会賞を獲得しており、代表作の「ガラスの麒麟」もこの年代に出版されています。ちなみに夫は同じくミステリ作家の貫井徳郎さんです。

ミステリ作家が夫婦同士っていうのは綾辻行人さんと小野不由美さんが有名ですよね。というか他にいることを知りませんでした。作家同士だと、川上未映子さんや、あとこれは漫画家になりますけど吉田戦車さんが有名ですね。

ざっくりとしたあらすじ。
中学一年生の海月は幼馴染の樹絵里に誘われて「飛行倶楽部」に入部することになる。
そこにいたのは二年生のカミサマこと神、野球部の海星。空を飛ぶことを目的とする謎の部活には、さらに高所平気症のるなるな、太めの球児、さらにイライザまで加入することなり…とこんな感じです。

題名からしてなんじゃこりゃ? となる人も多いでしょうが、すごいのはなんといっても登場人物の名前でしょう。

主人公の名前は佐田海月、海月はクラゲと読みます。
海月の幼馴染大森樹絵里はジュエリー
部長は斎藤神、苗字が神っていう方は調べてみたら日本に万単位でいるらしいですが、下の名前が神(読み方はジン)はさすがにいないでしょう。
海星はヒトデ、るなるなは朋と書いてるなるなと読ませます(月をラテン語でルナといいます)
球児は比較的まともですね、イライザは渾名で名前は普通ですが、顧問の立木先生は信長という強烈な名前を持ちます。
さらに神の姉は天使と書いてエンゼと読みます。なんじゃこの家族は(苦笑)
そして名は体を表すというべく、登場人物は皆強烈です。

そんな個性豊かな登場人物が空を目指します。といっても、飛行機やグライダー、鳥人間のように飛ぶわけではありません。さらに落下にカテゴリされるパラシュートなどもダメで、究極的にピーター・パンを目指すというのが部の方針、というか神の信念です。

もちろんそんなに簡単には行きません。部活といっても飛行倶楽部は正式な部活ではなく同好会扱いなので、部費も降りず、さらに神が飛びがらない?など、様々な混乱に見舞われます。

しかし、空を飛ぶこと=しがらみから逃れる。そんなことを真面目に考え、大空を目指す登場人物にはなんとなく憧れを抱きます。

この作品は海月の一人称で軽く、テンポよく進み、神の尊大な態度に「なんなの神様なの?」とツッコミをいれたりするのはかなり面白いです。青春小説としてかなり高いレベルを誇っており、子供から大人まで幅広い人が楽しめると思うので、家族や友人とシェアして楽しんだりしてみてください。

それではこの辺で。
試験勉強が終わったと思ったら次は受験勉強です…(。-(ェ)-。 )

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
歯痛の中の勉強はガチでつらいです(泣)堅いものが噛めないって本当に苦痛です…

そんな中紹介するのは、関口尚さんの「プリズムの夏」です!
関口尚さんは今作で小説すばる新人賞を受賞しデビュー、その後「空をつかむまで」で坪田譲治文学賞を受賞、また代表作の「シグナル」はAAAの西島隆弘主演で映画化もされました。

関口尚さんは主に青春小説を執筆していて、集英社と幻冬舎での作品発表が多いですね。これからもう少し出版界隈での知名度が上がれば、実力や人気は申し分ないので直木賞を受賞できるほどの実力があると思います。まあ、今の年寄りばかりの選考委員ではうけが悪いかもしれませんが(苦笑)

ざっくりとしたあらすじ。
県内のごく普通の高校に通う高校三年生に主人公は親友の今井とともに平凡な高校生活を送っていた。
春休み、映画館で出会った松下奈那に惹かれていくが、たまたまネットで見つけたうつ病女性の日記が松下奈那のものではないかと疑いはじめ…とこんな感じです。

この小説は結論から言うと荒いです。新人賞受賞作、デビュー1作目だとしても荒い印象を受けます。展開は所々ご都合主義があるし、最後は無理やり軌道を捻じ曲げてハッピーエンドに持って行く。正直なところ、今まで読んだ小説すばる新人賞受賞作の中でも優れているといえる作品ではありません。
しかし、何故か惹かれてしまう。そんな不思議な小説です。

僕が思うに青春小説には2つ種類があって「疾走感があり、最後はハッピーエンド」と「もやもやしながら成長し葛藤し、最後は何かを失って一回り大きくなる」のどちらかだと思います。例としては前者は例えば越谷オサムさんの「階段途中のビッグノイズ」で、後者は桜庭一樹さんの「少女七竈と七人の可愛そうな大人」があげられると思います。

結局青春ものは2方向のどちらかにしか傾かないのですが、この作品はシーソーの上で中立を保ちきった青春ものとして稀有な存在だと思います。そこに惹かれてしまう理由があると思います。

実際この作品の評価は賛否両論でしょう。僕も大手を振って人にオススメすることはできないと思います。しかし、この作品が何回も重版されて、集英社のナツイチにも選ばれている理由はここにあると思います。うつ病の女性と向き合う負の要素がありながら最後は前向きなハッピーエンドになる。このアンバランスさが面白いと思います。

作品自体は中編程度の長さなのでさらっと読めると思います。題名に夏と入っていますが、この時期読んでも楽しめると思うので普通の青春小説に飽きた方は是非ご一読を。

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日は歯医者に行く&試験前なので本の紹介は出来ません悪しからずm(_ _)m

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