カテゴリ: SF

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは冴吹稔さんの「培養カプセルを抜けだしたら、出迎えてくれたのは僕を溺愛する先輩だった」です!
img_9784040739946_1
ストーリー A
内容は、才色兼備なお嬢様である薫子と付き合うことになった和真。しかし不意の事故に巻き込まれてしまう。和真が次に目を覚ますとそこは240年後の世界!なんと薫子が自身のクローンを何体も作り、長年研究を重ねて事故で死んでしまった和真を蘇らせたという。久しぶりの先輩との再会を喜ぶ和真だが、なんと240年の間に文明は衰退していた⁉︎終末世界で先輩との青春を取り戻すための日々が始まる!とこんな感じです!

〜終末世界で青春できますか?〜
第5回カクヨムWEB小説コンテストSF・ゲーム部門特別賞受賞作!ポストアポカリプスな日本を舞台に日常?非日常?を謳歌する和真と薫子が魅力的な作品でした!面白かったです!
事故に巻き込まれて死んでしまうも、恋人である先輩の薫子によって240年後に和真が蘇るところから物語は始まります!好きな人を240年もかけて蘇らせると聞くとなかなかのヤンデレっぷりを想像しますが、当の薫子さんが研究者気質だからかあんまりヤンデレ感ないですね。いやヤンデレですが。和真が死んでいた240年の間に色々あり一気に衰退した文明。日本には数万人の人々しか残っていないとされ、和真が眠っていたラボを除けば街はジャングルのようになっていて…いいですね…人がいなくなった東京、ジャングル化する街…野盗や奴隷商人が跋扈するというのも終末感あってグッドです!和真を救うために色々とハイスペックな機器を用意していた薫子は和真が目覚めると国を作ると言い出し、また食料も将来的には心許ないことから2人は終末世界を探索することに。途中野盗から助けたノゾミも加えて3人で終末世界を旅していきます!終末世界の探索・旅というだけでテンション上がりますけど、設定もしっかりしていてかつて人が暮らしていた痕跡であったり「じゃぁ人間がいなくなった240年後の東京はどうなっているの?」という部分のディティールに非常にこだわりを感じました!この世界観めっちゃ好きです!時折和真と薫子のイチャイチャを眺めつつ、終末世界での過酷な現実を乗り越えていく2人。人の命が軽かったり、倫理観が現代日本のそれではなかったり、人を襲う凶悪な動物がいたり…240年前とは何もかも違う世界に驚き戸惑いながらも終末世界で日常を送る和真と薫子は魅力的でした。最後はやや駆け足気味でしたが、最後までこの終末世界にどっぷりと浸からせてくれる素晴らしい物語でした!面白かったです!

キャラ A
和真は最初は頼りない感じでしたが、法律なんてないこの終末世界で日々生活するうちにどんどん逞しくなる姿が魅力的でした!薫子さんはバリバリの才女というか理系女子?で最初は和真を蘇らせる執念と科学者っぽい感じで女の子らしさをあまり感じなかったのですが、話が進に連れて和真と日々を乗り越えていく中で見せる女の子らしさと和真を守ろうとする強さのギャップが出てきて非常に良かったです!

最後に
先輩と僕のいい終末世界ものでした!結構大きな謎というか気になる部分もあるのでぜひ2巻は出して欲しいですね!これから和真と薫子がどんな日々をこの世界で送っていくのか楽しみです!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
終末世界もの、ポストアポカリプスものがすきな方は!とにかく終末世界の世界観がディティールがすごくて好きならハマること間違いなしです!和真と薫子のやりとりも楽しいですし、過酷な日々を生き抜くことで強くなる2人の絆もグッド!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



培養カプセルを抜けだしたら、出迎えてくれたのは僕を溺愛する先輩だった



著者



冴吹稔



レーベル



富士見ファンタジア文庫



ISBN



978-4-04-073994-6


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは石川博品さんの「ボクは再生数、ボクは死」です!
IMG_4389
ストーリー A
内容は、しがない28歳の会社員狩野忍はVR空間<サブライム・スフィア>で世界最高のモデラーが作り上げた世界最高の美少女シノとしてVR風俗に通って遊んでいた。そんなある日、ツユソラというこれまでにない美女娼婦に出会いあっという間に彼女の虜になる。しかしツユソラはすぐに百万単位のお金が動く超高級娼館へと移籍してしまう。彼女を指名するためにシノは会社の先輩であるイツキと共にストリーマになり動画配信を行うことで多額の金を稼ごうとする。だが、動画や配信は次第に過激さを増していき…そしてツユソラに会いに行けるようになったシノはツユソラに関する衝撃の真実にたどり着くことに…とこんな感じです!

〜VR空間を本気で楽しめ〜
石川博品さんの新作!読むの楽しみにしていたんですけど、単行本でめっちゃ分厚くてなかなか読む機会がなく先送りになっていました…まず言わせてください…この作品めっちゃ面白いです!VR空間をここまで!こんな風に表現するのか!というのが率直な感想なんですけど、VR空間で繰り広げられるヒューマンドラマも熱い!Vtuberやニコニコ・YouTube、VRチャットといった文化をしっかり取り入れて<どこかありえそうなちょっと未来のVRのお話>にしてるのがもう…とんでもなく面白い作品でした!最高でした!
序盤はいきなり28歳男性会社員がオムツを履いてサブライム・スフィアにログインするところから始まります。なかなか衝撃的な始まり方ですが、VRに限らずゲームガチ勢はオムツ履くって聞きますもんね…28歳冴ない会社員の忍はVR空間に入ってしまえば世界最高峰のモデラーが手がけたシノという美少女。そのシノの姿で娼婦と致して現実でも電動オナホで致すという…これまた衝撃的ですけど、マジでセックスロイドよりはこういう方が近未来にあり得そうな感じですよね…そんなシノはある娼館(というかソープ?)でツユソラというこれまで見たこともない絶世の美女と出会います。まぁ絶世の美女といってもアバターなんですけど(^_^;)初めてのプレイですっかり彼女の虜に、もとい恋をしてしまったシノは週5で彼女の元に通うようになります。しかし突然ツユソラは100万単位のお金が動く高級娼館に移籍してしまいます…どうしてもツユソラに会いたいシノは会社の先輩でVRをこんな風に楽しんでいることを知られてしまったイツキと共動画配信でお金を稼ぐことに!このあたりのイメージはまさにVtuberですね。最初はうまくいかなかったものの、過激な動画がヒットしたことで徐々に知名度をあげていく2人。なんでもありのエリアで有名配信者をぶっ殺したり…と本当に過激な動画でしたね…そしてシノの美貌もあって2人は急上昇!どんどん仲間も増えて、シノはセフレも増やしていきます。うーん。この欲望に忠実な感じたまりません!物語は終盤までそんなシノとイツキがサブライム・スフィアで
有名となり成り上がっていく様子が描かれます。が、終盤になって物語は一変。ツユソラの秘密が明かされ、最強の敵と対峙することに…もうとにかく第9章はすごかったですね…これぞVRを文章にした際の頂点にして臨界点でしたね…今後VRを描いた作品でこの作品を超える作品が出るのは10年はかかるでしょう。ラストもよかったですし、最高に面白い作品でした!面白かったです!

キャラ A
シノは中身がVR風俗(リアルではオナニー)にハマる冴ない28歳会社員であることを意識させない完璧なボクっ娘美少女でしたね。ゲームスキルというかプレイヤースキルも高くてとにかく見ていて楽しいキャラでした!イツキはシノの良き相棒にしてパートナーでしたね…最初はチョロいというかショボくてこいつ大丈夫か…?という感じだったのに、後半になるにつれてどんどん成長してシノの唯一にしいぇ無二のパートナーになっていく過程がよかったです!そのほかのキャラもすごく魅力的でした!

最後に
めっちゃ面白いVR空間を描いた作品でした!2巻もあれば読みたいですけど、綺麗に終わってますし1巻完結ですかね?石川博品さんの作品は定期的によみたいので新作楽しみにしてます!

どんな人にオススメか?
VtuberとかVR好きな方は!最初は結構度肝抜かれる描写があるかもですが、テンポが良い会話に読みやすい文章であっという間に物語に引き込まれていきます!とにかくこんな面白い小説はなかなか出会えないですし、VR空間を描いた作品でこの作品を終える作品が出るのはあと10年はかかります!それくらいの作品なので厚さとか値段とか気にせずとにかく読んでみてください!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



ボクは再生数、ボクは死



著者



石川博品



レーベル



エンターブレイン



ISBN



978-4-04-736384-7


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは藻野多摩夫さんの「さいはての終末ガールズパッカー 1」です!
IMG_3808

ストーリー A
内容は、何世紀も前に起こった戦争と寒冷化により滅びかけの人類。そんな数少ない人類の生き残りであるレミはある日、雪の下で眠っていたリーナというオートマタに出会う。姉妹のように育った2人は面倒を見てくれていたトニー爺の死をきっかけにエリシウムと呼ばれる楽園を目指すことに。ルート66という国道を旅する2人は果たしてエリシウムに辿り着けるのか。そしてリーナに迫るカウントダウンは…とこんな感じです!

〜世界の果てまでふたりで〜
藻野多摩夫さんの新作!「オリンポスの郵便ポスト」「できそこないのフェアリーテイル」とデビュー作から大好きな作家さんなので新作読むのすごく楽しみにしてました!
まず言わせてください…この作品めっちゃ面白いです!終末!雪の世界!人間の女の子!オートマタの女の子!楽園へと続くルート66!別れと出会い!そして悲しくも美しくて優しい結末!全てが最高の一言!久しぶりにラノベ読んでこんなにワクワクしました!めっちゃ面白かったです!
まず序盤。氷ついた世界観とレミの悲しい描写から物語は始まります。なにもかもが氷、雪に閉ざされ、太陽も人類も滅びかけの世界。そんな絶望的な世界でレミはオートマタのリーナに出会います。色々なものを失っていくレミがこうしてリーナと出会うシーンは、この物語の終盤を知ってから読かえすとじーんとくるものがありますね…そしてレミとリーナの面倒を見ていたトニー爺の死をきっかけに2人は楽園<エリシウム>を目指す旅を始めます!トラブルメーカーなレミと真面目だけど片方の腕が動かないというこの世界ではあまりにも深刻なハンデを負うリーナ。2人は時にぶつかり合いながらもルート66をまっすぐ歩きエリシウムを目指します。そして道中で出会う生き残りの人類やオートマタたち。客のこないホテルで客を待ち続ける喋るスロットマシン、街から街へとあるものを運ぶ運送屋のオリヴィア、蒸気の街で出会うトーマス・アルバと呼ばれる技術者集団…出会いから別れまでのわずかな時間を共に過ごすシーンは人間の生きる力強さと優しさを感じられますね!そしてリーナに起こる異変。思い出される過去の記憶。レミではないご主人様のこと、かつてこの世界で起こった戦争、それにともなう悲惨な出来事…そうした記憶を夢として見始めたリーナは…切ないですね…終盤は怒涛の展開。旅の終わりで迎えるピンチを乗り越えて2人は…最後の最後まで一緒にいたいと願ったからこそのこの終わり方なんですよね…終末世界で人間の女の子とオートマタの女の子が旅をする切なく優しいロードSFでした。最後まですごく楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
リーナは優しくて強いオートマタでしたね。レミのことが本当に大好きで大切で、だからこそ自分自身に起こる異変のことも素直に話すことができない。迷惑をかけてしまっている自分のことが嫌い。すごく優しいからこそ危うくて、そうした部分が元気一杯でちょっと暴走気味なレミと相性がすごく良かったです!レミはとにかく元気いっぱいな女の子!トラブルメーカーで時々やらかしますが、そこは真面目なリーナがフォロー。リーナが困っていれば手を差し伸べて、リーナ対して本気で怒って泣いてあげられる。素敵な女の子でした!

最後に
めっちゃ面白かったです!ナンバリングもされてますし、終わり方的には続刊あってもいい感じですね!2巻も楽しみです!

どんな人にオススメか?
ポストアポカリプス、旅ものが読みたい方は!女の子2人の表紙が目を引きますが、百合という感じではないのでそういうの求めている方は注意です。切なくて優しい氷の世界を旅する物語は好きな人ならハマること間違いなし!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



さいはての終末ガールズパッカー 1



著者



藻野多摩夫



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913199-4


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは丈月城さんの「異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース」です!
IMG_3595

ストーリー A
内容は、突如として世界各地に開くようになったポータルから異世界文明が進行してきたことでボロボロとなった日本。異世界からの使者がやってくる前に国家規模のナノテクノロジー従事者として研究に参加していた一之瀬ユウは舞鶴市の難民キャンプ僅かなに生き残った人々と共に雑用係として過酷な日々を送っていた。そんなある日、異世界からの襲来でユウたちが生活するキャンプが危機に陥る。そんなピンチにユウはかつて日本国防の要だった人型戦闘機械<アスラフレーム三号>通称着装者三号の継承者に選ばれる。クローン技術によって現世に目覚めたかつてのエルフの女王と共に世界の危機に立ち向かうことになるが…とこんな感じです!

〜滅びかけた世界で1人の少年とクローンエルフが立ち向かう〜
丈月城さんの新作!個人的には初挑戦の作家さんです。特撮ものとポストアポカリプスを融合させた読んでいて楽しい作品でした!面白かったです!
まず序盤。いきなり戦闘シーンから入るのですが、いかんせん専門用語が多く…プロローグは個人的にはもうちょっとあっさりめでもよかったかもです。過去に国家規模のプロジェクト要員として選ばれるも、異世界が侵略してきたことで今や難民キャンプの雑用係として生き残りの国防軍人たちに酷い扱いを受けるユウ。この日本が終わった後や、難民キャンプの妙なリアルさがいい意味で嫌でしたね…辛い日々を送りながらもかつての国家プロジェクトの仲間である伊集院、天才研究者・東堂クロエと母に持つハーフエルフのアリヤと今を生きるための生活をしていきます。そしてやってくる異世界。難民キャンプの人々を蹂躙し、全てを壊して奪い去っていく。そんな状況の中でユウは着装三号に選ばれてかつて国防の要だった戦闘機械を受け継ぐことになります!着装三号のキーであるクローン技術を用いて復活させたかつてのエルフの女王アインの力も借りて異世界のからの侵略者をガンガン倒していきます!戦闘シーンは特撮ものとロボットものが融合した感じで非常に読み応えありましたね!しかし戦いにより全てを失ってしまったユウたち。彼らはアインの助言に従い異世界襲来以前に日本に移住してきたエルフに助けを求めるべく旅を始めます。この旅のシーンはすごくよかったですね!ポストアポカリプス感ある旅路の中で、たまたま無事だったショッピングモールでこれまで欠食気味だった3人がお腹いっぱいご飯を食べたり、温泉でちょっと寛いだりして…世界の終わりの旅といった感じでワクワクしました!後半からは再びバトル!エルフたちを求めて道中立ち寄った大阪で再び戦闘を繰り広げたり、海上や異世界からの侵略者の城でバトルをしたり…SFっぽいメカニカルさとファンタジックな要素を掛け合わせたバトルは読んでいて童心に帰ったようにワクワクしました!最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
ユウは精神面は普通の中学生の男子なんですけど、要所で頭が切れたり意外と運動神経よかったり料理もこなせたりと万能タイプでしたね…どこかアダルティなアインさんにたじたじなところとのギャップがグッドでした!伊集院はいい友人キャラでしたね!こういうおデブでオタク気質な友人キャラがいいサポート役となっているのグッドです!アリヤは天真爛漫なハーフエルフの女の子!母親が研究者ということで学者肌っぽいのがかわいいですね!ユウにはちょっと強く出たりしますが、普段は健気な女の子だったり癒しでした!アインはクローン技術によって生まれたエルフの女王のコピー。アダルティーな感じでユウを誘惑したかと思えば、息ぴったりのコンビネーションで敵を倒す!かっこいいエルフの女性でした!

最後に
特撮もの×ポストアポカリプスものとして楽しめました!2ヶ月連続刊行ということで早くも来月には2巻が出るようです!まだまだ物語ははじまったばかりなのでこれからどうなるのか楽しみです!

どんな人にオススメか?
特撮ものが好きな方は!あとがきにもあるようにシン・ゴジラみたいなラノベを作りたいというのが出発点とのことですのでその手の作品が好きな方はハマると思います!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース



著者



丈月城



レーベル



MF文庫J



ISBN



978-4-04-064669-5


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは浜松春日さんの「ラストオーダー1 ひとりぼっちの百年戦争」です!
IMG_3345

ストーリー A
内容は、戦争によって荒廃した世界。人類は滅亡寸前となりわずかに残った人類は地下で生活していた。一方、地上では人間狩りと呼ばれる生物兵器が跋扈し人々が暮らせる環境はとっくの昔に失われていた。機械兵士のリアは最後の命令<ラストオーダー>に従い終わることのない戦争をただ1人地上で100年間も続けていた。そんなある日、リアは疫病にかかったために地下から追い出されてきた幼い兄妹に出会う。最初は敵かと警戒するリアだが、妹のミクリを守ろうとする兄・ノーリィの姿を見て2人を守ることを決める。人類が滅びかけても戦うヒューマノイドと人間の兄妹の物語が始まる…とこんな感じです!

〜100年間戦い続けるヒューマノイド〜
第1回講談社リデビュー賞受賞作!NOVEL DAYSで開催されていた賞でこれまでプロとして作品を発表したことがある作家さんが対象の賞ですね。講談社ラノベ文庫他講談社タイガからも作品は発表されるようです。本作の作者の浜松春日さんも過去に「ルーントルーパーズ」という自衛隊ものを発表されたりしていますね。ポストアポカリプスな世界観と人間に極めて近いヒューマノイドの設定が魅力の作品でした!面白かったです!
物語はヒューマノイドのリアが戦争の始まる前の世界を回想するところから始まります。軍隊所属のヒューマノイドという背景はありながらも、普通の男の子や女の子とメイド喫茶で会話している輝かしい過去。作品の読みはじめこそなにも思わない日常のシーンですが、あとからこんなにちじょうがどれだけ輝かしいものか痛切に感じますね…そして描かれる100年間1人で戦い続けるリアの姿。仲間は全員死んだ。それどころか人間すら滅亡寸前。でもリアは軍人として、命令がない限り止まることはできない。そして地下に残る僅かな人間を目当てに人間狩りという生物兵器がやってきて…なんだかすごく寂しいですよね…そして場面は変わり地下世界で孤児といて生きるノーリィとミクリが描かれます。この地下世界のお話はすごくワクワクしましたね!ネズミやナマズ、キノコを食べて生活する人々。宗教があって、食料を調達する狩人のような存在がいて、同い年の子供たちがいて…人類滅亡間近の地下生活はこのようになるのではないかというリアリティのある地下生活描写でした!ノーリィの語りもいいですね!10代前半の男の子の等身大の言葉から地下生活が過酷で閉塞感のあるものだということが伝わってきます!しかし、妹のミクリが伝染病にかかったことで貧しいながらも安定していた地下生活は追放という形で終わりを迎えます。地下にまで進入してきている人間狩りから逃れ、なんとか地上にたどり着いたノーリィとミクリが出会ったのがリアで…とここでリアの視点とノーリィの視点が統一されます。100年間も戦争を続けるリアと滅びた緑が侵食するかつての大都市。そして人類滅亡へのカウントダウン…2人が出会ってからラストまではバトルあり、ヒューマノイドとはなにか考えさせられるシーンありと大いに楽しませてもらいました!ラストはちょっと予想外でしたが、ノーリィの気持ちもよくわかります!素晴らしいポストアポカリプスものでした!面白かったです!

キャラ A
リアはヒューマノイドなんですけど、極めて人間に近い感情があって…この感情をめぐる過去回想もすごく良かったですね…元は軍用でなかった彼女がなぜこうして100年間も戦うことになったのか…胸が痛みます…ノーリィとミクリは地下世界でたくましく生きる兄妹!ノーリィは不器用だけど妹のために行動できるしっかりもののお兄さん。ミクリは天真爛漫な女の子とこの厳しい世界で数少ない癒しでした!

最後に
続刊ありきの終わり方なのでせめて2巻は出してください…!こ、コミカライズもしてますし大丈夫ですよね⁉︎ぞ、続刊待ってます…!もっとリアたちの物語を見せてください…!

どんな人にオススメか?
終末世界、ポストアポカリプス、人類滅亡寸前とこの辺りの単語におっと思った方は!物語はかなりスロースターターですが、リアとノーリィが出会ってからはぐんと加速していきます!ノーリィとミクリの地下生活も必見です!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



ラストオーダー1 ひとりぼっちの百年戦争



著者



浜松春日



レーベル



講談社ラノベ文庫



ISBN



978-4-06-519591-8


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


↑このページのトップヘ