カテゴリ: SF

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは陸道烈夏さんの「こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~」です!
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ストーリー A
内容は、砂漠に作られた都市チオウ。その都市の外にある貧民街・管轄区で暮らすフウは母親を亡くし天涯孤独の身だった。ある日、彼女はジャンク屋からラジオを購入する。どこからか聞こえる放送を聞き、徐々に知識をつけ貧困から脱出することに成功する。チオウと管轄区を行き来し便利屋として生計を立てることに成功したフウ。彼女はある日、カザクラという少女に突然付き纏わられる。カザクラの境遇に共感したフウはしばらく彼女と行動を共にすることになる。しかしカザクラはある組織に狙われており…とこんな感じです!

〜この世界はディストピアですか?〜
第26回電撃小説大賞銀賞受賞作!ディストピアな世界で描かれるハードコアモードな少女たちの生き方が刺さりました!面白かったです!
まず世界観がいいですよね!砂漠のど真ん中に建てられた都市・チオウ。外部には貧民街の管轄区。宗教で支配され、外部の情報が遮断された管理社会。砂漠には独自の生態系があり、人を喰らう生き物が跋扈する…こういう世界観大好きです!物語はフウが母親を亡くしたところから始まります。母がいなくなってしまったことで孤独となったフウ。そこで彼女が出会ったのがラジオ。お金もないのにジャンク屋からそれを買ってしまいます。しかしラジオはフウに知識を与えてこの過酷な世界で生きるため教育をしていきます。経済関係の教育番組で知識をつけて、水の転売でお金を貯めていくのはなんだかすごくワクワクしましたね!勉強ってやっぱり大事ですね…そうして成長したフウは便利屋として生計を立てることに成功します。お金も稼げるようになり、充実した日々を送るフウ。そんな彼女の前にカザクラというマイペースで元気いっぱいな少女が現れます。いく当てがないからか、なぜかしつこくフウに付き纏うカザクラ。しかし彼女の境遇を知ったことで行動を共にしていくことになります!カザクラの設定も魅力的でしたね!ただの腹ぺこガールじゃなかったです…そしてカザクラがある組織に追われていることを知るフウ。2人は同じく組織から追われるサクヤというエージェントを巻き込んでチオウから脱出し、存在するかもわからない都市を目指します。終盤の逃走劇は熱くて生死のかかった一瞬、一瞬に緊張感がありましたね!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
フウは一人ぼっちの女の子。ラジオで知識をつけ、最下層から成り上がっていくたくましさが印象的でしたね!でも寂しがりやな一面もあったりしてギャップがグッド!カザクラは突然フウに付き纏いだした謎の女の子。マイペースで常にお腹を空かせている女の子かと思いきや実は…という設定も良かったですね!チオウにすむ人々をはじめ、敵味方共に魅力的な登場人物がストーリーを盛り上げていました!

最後に
面白いディストピアハードコアサバイバル百合ものでした!どうやら続刊もありそうですし、今後2人の関係がどのように変化していくのか楽しみですね!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
ディズトピア、百合といったキーワードにピンときた方は!ハードな世界でたくましくいきていく少女たちの姿は、フウとカザクラの軽快なやりとりもあってサクサク読めます!世界観や設定も魅力的です!気になったかたはぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~



著者



陸道烈夏



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-913015-7


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはオギャ本バブみさんの「デッド・エンド・リローデッド 1-無限戦場のリターナー-」です!
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ストーリー A
内容は、第三次世界大戦が終わった世界。かつて凄腕の傭兵として戦場に立っていた狭間夕陽は皇和重工という民間軍事会社に所属していた。そんな彼は天才科学者の少女・鴛鴦契那と共に秘密の実験に参加する。それは時空に関する特殊な粒子を扱ったものだった。実験は無事に終わったが、突然謎の襲撃者が現れ夕陽と契那は命を失う。だが、夕陽が目を開けるとそこは実験開始前の時間だった…繰り返される契那の死と現れる謎の襲撃者。果たして夕陽はこの絶望的なループから抜け出すことができるのか…とこんな感じです!

〜何度死んでも君を〜
第13回HJ文庫大賞大賞受賞作!受賞時に作者の名前が話題になりましたね(^_^;)さてまず言わせてください…この作品すごく面白いです!SF!ロボット!ループ!死に続ける少女を助けるためにもがく男!とにかくこれは好きな人には絶対にぶっ刺さるだろうという作品でした!面白かったです!
第三次世界大戦後の世界。凄腕傭兵の夕陽は民間軍事会社の皇和重工に所属しある実験の手伝いをしていた。そして謎の襲撃者が現れ天才科学者の少女を殺す…序盤は世界観や設定の説明が多めでしたね。結構がっつり書かれるので設定もりもりな作品が好きじゃない方は微妙かもですが、設定厨なので序盤のSF要素満載の文章は読んでいてすごく楽しかったです!ロボット周りも設定が濃厚でしたね…なぜ人形ロボットが兵器として普及したのか?という部分は個人的にしっくりきましたね。第三次世界大戦では国の軍ではなく民間軍事会社が主となっていたりといった現実の近未来で起こり得る世界観もグッド!物語はループが始まってからはその面白さがさらに加速していきますね!実際は時間が戻る現象はループではなくて並行世界っぽい感じだということや、死を繰り返す中で契那がどんな風に夕陽を見ているのか、夕陽や契那が背負ってきた過去が明らかにされていき…戦争の悲惨さやどうして夕陽という人間はこういう人間なのかというエピソードはすごく面白かったです!そして物語の中盤で明らかになる謎の襲撃者の正体…これまでは過去が軸だったのが未来に傾いて、夕陽と契那で未来を掴むために戦うことに!終盤のロボットバトルは迫力満点でドバーっと溢れ出す熱がとにかくよかったです!ラストもグッド!こういうエンドいいですよね!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
夕陽はすごいですね…過去に色んなものを失って未来まで失おうとしているのに立ち向かえる強さ…ただかっこいいだけじゃない重みがありました。契那は見た目はかわいいですが、実は天才科学者という少女。出自や天才すぎるが故に背負うことになる業。彼女がヒロインだったからこそ夕陽は最高に主人公をやれていたと確信できる魅力的な女の子でした!

最後に
これはめっちゃ面白いので2巻もぜひ読みたいです!あとがきを見るとなんともうすでに5巻まで原稿があるようで⁉︎大賞作品ですし、これから伸びることは間違いないので続刊楽しみです!

どんな人にオススメか?
ループ、並行世界、ロボット。この辺のキーワードにピンときた方は!とにかく面白いの一言に尽きます!重厚感のある設定に、泥臭さと熱さのある主人公、そしてバブみを感じる?ヒロインも最高です!気になった方はぜひご一読を!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



デッド・エンド・リローデッド 1-無限戦場のリターナー-



著者



オギャ本バブみ



レーベル



HJ文庫



ISBN



978-4-7986-2144-9


表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは波摘さんの「デザイア・オーダー -生存率1%の戦場-」です!
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ストーリー A
内容は、突如出現した金属の体を持つドレッドメタルによって占拠された機械都市・東京。ドレッドメタルから東京を取り戻すため、人類はイグジアと呼ばれるエネルギー粒子兵器を開発し凶悪な敵に挑んでいた。主人公の亜崎陽一は人類の中で数少ない機械都市からの生存者として英雄視されたいた。そんな彼の部隊は機械都市への潜入を命じられる。陽一の部隊には新たに緋神ユズハという最強の特殊能力を持つ覚醒者が配属されるが、彼女は指揮官である陽一の命令を全く聞かなかった。果たして陽一たちの部隊は無事に任務をこなすことができるのか…とこんな感じです!

〜侵略者に立ち向かう〜
波摘さんの新作!「アウトロー・ワンダーランド」がすごく好きな作品だったので新作読めて嬉しいです!なかなか容赦のないハードなSFでした。
機械生物によって占領された東京。そこは機械都市とよばれていて…こういう侵略系のSFいいですね!プロローグからいきなり戦闘でハードな世界観を見せたところから物語は始まります。機械都市から唯一生還した亜崎陽一は英雄視されており、彼の部隊も注目されています。そんな中やってきたのは緋神ユズハという最強の覚醒者。この覚醒者が特殊な能力を持つに至る過程もなかなかの残酷さでしたね…特殊能力も万能ではないというところがまたこの作品をよく表しています。ユズハは最強ゆえに陽一のいうことは一切聞かないと宣言し、陽一たちの部隊は機械都市・東京へ。凶悪な機械生物相手に繰り広げられるバトルは緊張感がありましたね…しかし事態はドンドン悪化していき…本当に容赦なく、命が軽く吹き飛んでいくのでなかなかの読み応え…陽一が過去に機械都市に潜入した際の仲間のこと、ユズハの最強の能力が機械生物を前に意味をなさなくなった瞬間…絶望、絶望、絶望の果てでようやく手に入れるわずかな希望。まさにハードSFといった作品でした。

キャラ A
陽一はもうちょっと指揮官キャラを期待したんですけど、終盤はわりとバーサーク状態でしたね(^_^;)まぁ部隊の数も少ないんですど。仲間を生かすために冷徹な命令を下していた彼が最後にユズハにかけた言葉が印象的でした。ユズハはツンデレ感がもう少し欲しかったですけど、最強の覚醒者として黒い過去を抱えていたり前に出て容赦なく敵を切り刻む様子が印象的でした!

最後に
なかなかハードなSFでした。続刊があってもいい感じの終わり方をしているので2巻が出るなら読みたいです。

どんな人にオススメか?
ハードで容赦ない物語が読みたい方は!結構人が死ぬので好みは分かれるかもですが、人の命の軽さと敵の凶悪さが世界観によくマッチしていました!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



デザイア・オーダー -生存率1%の戦場-



著者



波摘



レーベル



LINE文庫エッジ



ISBN



978-4-910040-35-6






どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのはこまつれいさんの「101メートル離れた恋」です!
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ストーリー A
内容は、札幌近郊に住む普通の男子高校生浅田ユヅキはある日目覚めると女の子のオートマタになっていた!?なんとユヅキが目覚めた世界は魔法によってオートマタが普及した世界だったのだ。一流の魔法使いであり人形師である朝霧キョウコが作り出した、世界最高峰のスペックを持つ人形としてのユヅキの役割は依頼者からの会話、家事、警備…そしてメインは性行為だった。そんな中、男性客との性処理で精神をすり減らしていたユヅキを新たにレンタルしたのはイチコという女子高生の少女だった。2人は次第に惹かれあっていくが…とこんな感じです!

〜圧倒的才能による百合SF〜
第8回講談社ラノベ文庫新人賞大賞受賞作!まず言わせてください…この作品めっちゃ面白いです!発売前変な風に話題になっていたのでちょっと読みづらくて一旦寝かせていたのですが(^_^;)めっちゃ面白いじゃないですか!TS!百合!SF!と三拍子揃った俊足巧打のオールラウンダータイプの作品でした!面白かったです!
男子高校生のユヅキが目を覚ますと別の世界線の世界で最新型女性オートマタになっていて…とかなり衝撃的な展開から物語は始まります。TSとか女装とかって新人賞受賞作だとかなり勇気のいる作品だと思うんですけど、SF(魔法的な裏付けはありますがあくまでサイエンス・フィクションしてるなという印象なのでこの作品は僕の中ではSFです)面でユヅキが女性型オートマタになることがうまく飲み込めましたね。そして作り手である朝霧キョウコからユヅキの人格を認められたことで、バグとして処理されずに女性型のオートマタとして生きていくことを選びます。が、その先は地獄。ひたすら男性客の性処理の道具として扱われる日々。休みはほとんどなく娼婦のように働きます。元は童貞の普通の男子高校生だったユヅキの中身は、しかし最高の女性型オートマタとしての外見の前ではなにも意味をなさず、ユヅキの精神を磨耗させていきます。この辺りは詳しく描かれるわけではないんですけど、本当にこのツラさは想像できませんね…中身が男子高校生のユヅキはもちろん男性客の性処理なんてしたくない。でもそれを拒否すれば自分という人格がオートマタから消されるから拒否できない。死ねないから道具になるしかない。タバコを吸って体内を浄化させることも本当にストンと理解として落ちてきます。そんな中で出会ったのがイチコ。父親が出張で家を離れる四日間の間、ユヅキはイチコの世話役を担うことになります。イチコにユヅキが「変なオートマタ」だと気づかれたところから始まる些細な交流は、時間が経つに連れてより親密なものに変化していきます。学校に馴染めなかったイチコとオートマタとして異端なユヅキ。外見上は女子高生と美しいオートマタ。でも内面上は女子高生と傷ついた男子高校生…そんな背景がある種の背徳感を感じながらも百合として昇華していきます。百合じゃない?うるせーTSは百合じゃないですけど百合SFにTSが絡むと百合になるんだよ。覚えておけ。終盤の展開は王道ですけど、色々と辛いことがあるのがあったことがわかるからこそ本当に感動しました。久しぶりに新人賞受賞作で才能を感じる作品でした!最後まで面白かったです!

キャラ A
ユヅキは本当にすごいです。どうやったら童貞の男子校高校生が女性型オートマタにTSして何度も何度も性処理の道具として扱われて精神とか人格を保てるんですか?本当にすごいと思いました。イチコはかわいい女の子でしたね…ユヅキのことを好きになってくれてありがとうってユヅキに代わって言いたいです…勉強も頑張ってお化粧もしっかりして女子高生してました。

最後に
マジですごい才能が講談社ラノベ文庫に来たと思うので2作目もはちゃめちゃに期待してます。てか期待していいんですよね?こまつれいさんの作品待ってます!

どんな人にオススメか?
TSとか百合とかいう前にSFが好きなら圧倒的にオススメです!とにかくSFとしての骨子ががっちりしているからこそTSとか百合(かどうかは読む人次第ですが)が肉としてしっかりついているので。ジャンルはかなり特殊ですが、物語としては王道です!気になった方はぜひ!オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



101メートル離れた恋



著者



こまつれい



レーベル



講談社ラノベ文庫



ISBN



978-4-06-516474-7


表紙の画像は「版元ドットコム」様より


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
さて、今回紹介するのは鹿路けりまさんの「ぼくの妹は息をしている(仮)」です!
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ストーリー A
内容は、人間の脳を用いて自動で物語を作るシステムで小説を作った見本ケイ。その小説はユキという白い髪の妹との日常を描いたライトノベルだった。そして始まる物語はケイが作った物語の中のこと?それとも外のこと?繭とは?MAYUとは?摩訶不思議な妹かわいい小説のスタート!とこんな感じです!

〜妹は繭の中?僕はMAYUの中?〜
電撃小説大賞の拾い上げ作品かな?と思ったら、第21回の4次落ち作品だそうです…ラノベ読みなら「うん?時空どうした?」ってなること間違いなしですね。だって今年出た電撃小説大賞受賞作が第25回ですし。色々あったようですが…ざっと4年前の拾いあげ作品が今出るのさすが電撃文庫さんって感じです。いい意味で。
物語は…説明できません!奇書!以上!解散!な感じです。いや面白いんですけど、自分が正しくこの物語を理解できているといえる自信がないですし(感想としてダメですが…)最後のアレはアレで答えでいいんですかね?この作品に関しては言えることが少な過ぎます…一つ確実に言えるのは面白いということと、ワードセンスはめっちゃいいのに、言葉がつく枝である文章がなんか真っ直ぐすぎるってことですかね…後者は人によると思いますけど、個人的にはかなり物足りないです…せっかくいい言葉なのに…ちょっと勿体無いなって感じです。とりあえず読んでみたらいいと思います!以上!

キャラ B
まぁ、キャラをどうこういうタイプの作品ではないとは思うんですけど、主人公の一人称視点だと微妙に物語として読みにくさ?みたいなものがあると感じました。うーん…ヒロインたちも物語の中では必須ですが、もうちょっと彼女たちの独立した女の子としての魅力が見たかったです。

最後に
奇書だな〜って感じの作品でした。面白いんですけど、個人的に言葉がよくて文章がイマイチというチグハグさ?みたいなものが「んー…」って感じでした。1巻完結だと思うので、次回作に期待したいです!

どんな人にオススメか?
奇書が好きな方は。奇書の定義も色々あると思いますが、この作品はその範疇からは外れてないかなと思います。気になった方は。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル



ぼくの妹は息をしている(仮)



著者



鹿路けりま



レーベル



電撃文庫



ISBN



978-4-04-912907-6


表紙の画像は「版元ドットコム」様より

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